外資系IT企業に憧れる方は多いです。グローバルな環境のもとで自由にのびのびと働いている自分自身をイメージするのでしょうか。

外資系ITは年功序列というしきたりがなく、若いうちから高い給与をもらうことができるという待遇の良さが魅力の1つです。

しかしその一方で、能力主義ですぐにクビになるかもしれないという厳しさや、英語が必要になる仕事の環境に不安を感じる人がが多いのも事実でしょう。

外資系IT企業についてはさまざまな情報がありますが、ここでは改めてそれらを整理して、外資系のメリットとデメリットをご紹介します。

憧れる人が多い外資系IT企業とは?


外資系企業には下記の3つのタイプがあります。

  • 海外企業の子会社や日本支社
  • 海外企業と日本企業が共同出資して設立した会社で海外の出資割合が50%以上あるもの
  • 海外企業に買収された日本の会社

そしてIT企業は下記の4タイプです。

  • メーカー(製造元)
  • ベンダー(製造元が製造した製品を販売する)
  • Webサービス(Google・Twitterなど)
  • コンサルティングファーム(依頼された企業の業務改革や業務戦略を提案する)

外資系企業が3タイプ・IT企業が4タイプに分かれるので単純に計算すると、外資系IT企業には3×4=12のタイプがあることになります。

これら12タイプの外資系企業のなかでは、GAFAと呼ばれる超大手IT企業が特に有名です。Google・Apple・Facebook・Amazonの4社です。

しかしこれら超大手以外にも、さまざまな外資系IT企業が日本で活動しており、社員として採用されるチャンスも多くあります。

外資系IT企業の平均年収や待遇


外資系IT企業であっても給与水準はさまざまですが、だいたい年収700万円から1,000万円が1つの目安です。

日系企業から外資系IT企業へ転職する際は、ほとんどの場合年収がアップすると考えられます。

ただし外資系IT企業でも、すべての社員が高い給与を得ているとは限りません。

外資系企業はベースとなる本給に、会社への貢献度で変動するインセンティブ(報奨金)を組み合わせた給与体系になっています。

そのため大きな業績をあげた社員は、若くても1,000万円を超える年収を手にすることが可能です。

しかしそうでない場合、年収400万円から600万円程度の年収しか得られない社員も多くいます。

外資系IT企業の待遇の実際が知りたいなら


外資系IT企業は実力主義の世界といわれていますが、実際の社風は会社によってさまざまです。親会社がある国の文化風土も影響します。

本社がアメリカにある場合は成果主義が目立ちますが、欧州系の会社の場合はワークライフバランスを大切にする傾向があります。

外資系に転職をする際、本社がどこの国にあるかをチェックしておくのも大切です。

外資系は年功序列に縁がないので、入社当初から高い収入を期待することができます。

ただし会社によっては、日系企業のように福利厚生が整っていない場合もあります。

外資系の高い給与水準は、福利厚生の整っていない部分を自ら補うためであるともいえるのです。

GeeklyReviewではさまざまな外資系企業の口コミをチェックして、待遇の違いを確認することも可能です。

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外資系IT企業を選択するメリット


外資系企業は実力主義の組織なので、日系企業では正当な待遇を得ることができにくい女性や実力のある若手にとっては、飛び込んでみる価値のある場所です。

また最新のIT技術に囲まれて仕事をしたい方や、国際的なスケールの大きな環境のもとで働いてみたい方にも適しています。

男女平等に評価が受けられる


外資系IT企業では、年齢や性別によって昇進に差が出ることはほとんどありません。

そのため女性がビジネスキャリアを作り上げるのには、日系企業より外資系企業の方が向いているといえるでしょう。

外資系では多くの女性が出産や子育てを経験しながら管理職に昇進し、さらにスケールの大きな仕事に挑戦しています。

またそのような女性が社内にいることで、まだキャリアの浅い若い女性も、安心して今後のキャリアパスを考えることができます。

若手でも大きなプロジェクトに参加できるケースがある


外資系企業では性別による差がほとんどないのと同様に、年齢による差もほとんどありません。

そのため年下の上司に対して年上の部下といった状況も常に起こり得ます。

また実力さえ認められれば、入社間もない若手社員が社運をかける重要なプロジェクトに抜擢されることも考えられます。

もちろん期待が大きい分、抜擢された本人に対するプレッシャーも大きいはずです。

外資系でキャリアを作り上げていくには、そのプレッシャーを仕事へのエネルギーに変えることができるタフな精神力が必要だといえます。

休みを取りやすい


外資系の仕事はハードです。

しかし仕事とプライベートの区別がはっきりしているため、疲れたときやプロジェクトに一区切りついたときに、休暇を取ることは自由です。

日系企業では有給休暇の消化率が低いですが、外資系ではそんなことはありません。余計な気兼ねは不必要です。

優秀な人材との交流がもてる


外資系IT企業には、世界中から優秀な人材が集まっています。

たとえ大半が日本人である部署に所属していても、オンラインミーティングや出張で、海外のエンジニアやビジネスマンと接する機会があるはずです。

異なる文化的バックグランドを持つ彼ら彼女らと共に仕事ができることは、とても貴重な体験になります。

外資系IT企業で重宝される人材になるポイント


外資系IT企業に転職しても、そこは厳しい実力主義の世界です。会社で重宝される人材にならないと、あっという間に脱落する可能性があります。

外資系IT企業で重宝される人材と日系IT企業で重宝される人材は、どんな点が同じでどんな点が異なっているのでしょうか。

IT知識やITへの好奇心


IT企業に勤める以上、技術職や営業職でなくてもIT知識は何かと役に立ちます

ITの知識がないままだと、応募できる仕事の幅が極度に狭くなるのです。

システム開発の現場に直接関係しない事務スタッフであっても、業務に必要なシステムを操作するために、ITの知識が必要になる場合すらあります。

たとえ今はITの知識がほとんどなくても、これから勉強すれば大丈夫です。

ただしITにほとんど興味のない方にとって、ITの勉強を身に付けるのは難しいかもしれません。

ITに好奇心があることが、外資系を含むIT企業に勤めるために、最も必要な適性だといえます。

コミュニケーション能力・英語力


外資系企業では日系企業と異なり、メンバーは自分自身の意見をもちそれをきちんと表現することが要求されます。

コミュニケーション能力は、日系企業の場合より大切です。これは単に皆と仲良くやっていく能力ではありません。

自分の意見を論理的に発信したり、相手の意見を的確に理解できる能力です。

いつも黙って目立たないように振る舞っているだけでは、外資系ではビジネスマンとして評価されません。

それに加えて外資系では英語が自由に操れると、仕事の上で有利なのはいうまでもありません。

ただしプログラマーやSEなどの技術職では、語学の必要性はそれほど高くないでしょう。

もっともネット上にあふれる英語の技術情報が読めると、仕事に有利なのはもちろんです。

それだけでなく、外資系だと職場に英語をしゃべる同僚が勤めていたりするので、日常会話に困らないレベルの英語ができると便利です。

一方マネージャーやプロジェクトリーダーといった管理職になると、ビジネスで通用するレベルの英語が不可欠になります。

このような職位になると上司が本社から来た外国人であることも多いので、相談や報告の際に英語が必要になるはずです。

また、上司と共に海外からのクライアントとの打ち合わせに出席する機会もあるでしょう。

プログラミングの知識・スキル


プログラミングのスキルがないと外資系IT企業に勤められない、ということはありません。

一般事務・営業事務など、プログラミングスキルを必要としない職種も外資系IT企業では募集しています。

それでもIT企業に勤める以上、何らかのプログラミング言語を習得しておくと便利です。

プログラマーに応募するのならプログラミングスキルは当然必要になります。

SEに応募する場合にもプログラミングしやすい仕様書をつくるためには、プログラミングの知識がある方が断然有利です。

最新のトレンド・技術に詳しい


IT業界はドッグイヤーといわれるほど、進展と変化の激しい世界です。

5年経てば、業界全体の状況が完全に変わってしまいます。1年前の技術が時代遅れになることがあるほどです。

そのため最新技術のキャッチアップが苦にならない方が、この業界では役に立ちます。

常に技術の進化の方向を見通し、ものごとの変化をこわがらず、日々勉強を続ける方が外資系IT企業では重宝されるのです。

日系企業から外資系企業へ転職するためには


現在日系企業に勤めている方が外資系IT企業へ転職する場合、単に漠然とした憧れだけで決めてはいけません。

外資系の会社は日系の会社と違った意味で、厳しい挑戦が待っているハードな世界です。

そのハードな世界に敢えて飛び込んでいくのなら、それなりの覚悟と準備が必要になります。

転職後の目的を明確にする


外資系の一見自由で華やかで国際的に見える雰囲気や、日系企業より高額の年収に目がくらんで、憧れだけで転職を決めてはいけません。

外資系企業は実力主義なので、仕事そのものに対する評価はシビアで厳しいです。

またどんなに良い会社であったとしても、本社が日本からの撤退を決めたらあっという間に職を失ってしまいます。

このような厳しい環境のもとに身を置くのであれば転職後の目的を明確にすることでご自分にふさわしい会社の条件が、はっきりと見えてくるはずです。

必要なスキルを身に付け磨く


日系から外資系のIT企業に転職するのなら、これまでに経験した業務のうちで何が自分の実績といえるのか、キャリアの棚卸しをしましょう。

そして不足していると感じる部分があるのなら、ITスキルであっても外国語のスキルであっても勉強をして自分のものにするべきです。

身に付けた能力を証明するために、資格を取得するのもよい考えです。

その場合日本で最もポピュラーな情報処理技術者試験よりも、LPICやシスコ技術者認定のような国際的に通用する資格をおすすめします。

LPICはカナダに本拠がある非営利組織が主宰する、Linuxの技術者の世界最大規模の認定試験です。

またシスコ技術者認定(CCNA)は、アメリカのシスコシステムズが主催する自社製品の技術者に対する認定試験です。

このような国際的な資格の最上位あるいは上から2番目程度の資格を取得しておくと、実績としてアピールできます。

また、特にプロダクトマネージャーに応募する場合、アメリカの非営利団体が実施するPMPの資格を要求されることもあります。

自分に合った外資系IT企業を知りたいなら企業の採用情報や経験者の声をチェックしよう


外資系IT企業というと、どうしても名前の知れた大会社ばかりを連想しがちです。

しかし実際は、優秀な製品を持つ海外ベンチャーの日本法人など、小規模でも将来有望な会社も多いです。

ひとことで外資系IT企業といっても規模・社風・待遇もさまざまで、本国が異なるとその文化背景も異なります。

GeeklyReviewでは、さまざまな企業の採用情報を転職経験者の生の声と共に見ることができます。

いくつもの企業をチェックすることで、新しく見えてくるものがあるかもしれません。


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外資系IT企業への転職はスキルアップが重要


ITの新技術の多くは欧米生まれです。有名なシリコンバレーがその代表格です。

外資系IT企業に勤めるということは、その新技術にいち早く触れることができることを意味しています。

日系企業の安定した環境を捨てて外資系に転職するということは、技術者としてのスキルアップへの挑戦ともいえます。

外資系IT企業への転職を迷っている方は、「成長」「挑戦」ということばを頭において、企業をチェックしてください。

 

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