システムエンジニア(SE)とプログラマーという職業は名前を聞く機会が多く、IT業界を代表する存在です。

似ているイメージがありますがシステムエンジニアはシステムの設計を、プログラマーはシステムの製造を行うという大きな違いがあります。

両者は業務内容も必要なスキルも異なるため、システムエンジニアやプログラマーを目指している方は違いをしっかりと把握しましょう。

この記事ではシステムエンジニアとプログラマーそれぞれの仕事内容・年収・必要なスキル・どのような人が向いているのかについて詳しく解説します。

システムエンジニアとプログラマーの基礎知識


システムエンジニアとプログラマーはどちらもIT業界を代表する職種で、混同されがちですが業務内容に大きな違いがあります。

システム開発は主に下記の6つの工程で作られており、システムエンジニアとプログラマーでは担当する部分が異なります。

  • 要件定義:クライアントにヒアリングを行い必要な機能を仕様として定義する
  • 基本設計:システム全体の基本的な設計を作る
  • 詳細設計:基本設計を元にしてプログラムの詳細な設計を行う
  • プログラミング:詳細設計に基づいてプログラムを作成する
  • テスト:作成したプログラムが設計通りに動作するかテストする
  • 運用・保守:リリース後のシステムを実際に運用して保守業務を行う

それぞれの役割について詳しくみていきましょう。

システムエンジニア

上記の6つの工程のうち、要件定義から詳細設計までの上流工程と呼ばれる部分を担当するのがシステムエンジニアです。

クライアントが何を求めているのかヒアリングして要望・目的を整理し、システムで実現するためには何が必要なのかを洗い出します。

要件定義や基本設計はシステムエンジニアが1人で行うのではなく、クライアントと何度もミーティングを行って意識をすり合わせて決定します。

プロジェクトによってはプログラミングやテストまで担当する場合がありますが、あくまでもシステムエンジニアの主な業務はクライアントとの折衝です。

プログラマー

プログラマーが担当するのは上記の工程のうちプログラミングの部分です。

プログラマーはシステム開発の製造工程を担当する仕事で、システムエンジニアが作成した仕様書を元にプログラミングしてシステムを具現化させます。

仕様書には必要最低限のことしか書かれていません。求められるシステムをどのように実現するのかはプログラマーが解釈して作り上げます。

同じ動きをするプログラムを作成した場合でもコードの書き方によって動作のスピードが違ったりバグが発生したりするため、プログラマーの腕の見せどころです。

システムエンジニアとプログラマーはどこが違う?


システム開発において、システムエンジニアはクライアントからヒアリングを行いシステムの設計をし、プログラマーは設計通りにプログラミングをします。

両者は担当する業務が違いますが、他にどのような違いがあるのか仕事内容・年収・必要なスキルの面から比較してみましょう。

仕事の内容

システムエンジニアとプログラマーの一番大きな違いが仕事の内容です。

システム開発は家作りに例えられますが、システムエンジニアは家の設計を行う建築士でプログラマーは家を建てる大工です。

システムエンジニアはクライアントの要望を叶えるために何が必要かを調べ、システムを設計します。

プログラマーはシステムエンジニアが設計したシステムをよりよい形で提供できるようにプログラミングすることが仕事です。

年収事情

スキル・経験・企業の規模によって多少の幅がありますが、一般的なシステムエンジニア・プログラマーの平均年収は下記のとおりです。

  • システムエンジニア:約560万円
  • プログラマー:約420万円

年収の面で比較するとシステムエンジニアがやや上回りますが、理由は担当する業務の範囲が違うことです。

システムエンジニアはプログラマーを兼任することもあり、より多くの技術と知識が求められるため平均年齢も高い傾向にあります。

また、システムエンジニアが行う要件定義や基本設計は「上流工程」と呼ばれ、プログラマーが行うシステム構築やテスト作業は「下流工程」と呼ばれます。

クライアントに近い上流工程のほうがより重んじられ、評価されやすいことも年収に差がある理由です。

必要なスキル

システム開発においての役割が違うため、必要なスキルも異なります。システムエンジニアに求められるのは主に下記の3つのスキルです。

  • マネジメント能力:プロジェクトを完遂するために重要な能力
  • コミュニケーション能力:クライアントと打ち合わせを行う機会が多いため
  • プログラミングスキル:プログラマーに指示を出すために重要

プログラマーに求められるスキルは下記の3つです。

  • 言語知識:C言語・Java・Ruby・PHPなど開発の目的によって私用する言語が異なる
  • コミュニケーション能力:プロジェクトを円滑に進めるためにはチーム内で適切なコミュニケーションをとる必要がある
  • 自己管理能力:スケジュールがタイトな場合があるため勤怠管理や体調管理も重要

システムエンジニアとプログラマーならどちらを目指すべき?


これからIT業界を目指す場合、システムエンジニアとプログラマーどちらを目指すべきか悩むかもしれません。

それぞれの特徴を把握し、どちらが自分に向いているかを考えて方向性を決めましょう。

プログラマーからシステムエンジニアへステップアップするパターンが一般的ですが、会社によっては両者を分けていない場合もあります。

自社サービスを運営する会社ではすべてのエンジニアが要件定義から一貫して行う場合もあります。

さらに詳しく知るなら現場の声を聞いてみよう


システムやソフトウェアの開発における区分は企業によって違いがあり、システムエンジニアがプログラミングまで担当する場合もあります。

システムエンジニアとプログラマーがどのような業務を行うのか、自分のスキルをいかせるのはどちらの職種なのか、情報収集だけではわからない部分もあります。

気になる企業の開発体制など実情を詳しく知りたい場合は、実際に働いている社員の口コミをチェックしてみましょう。

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システムエンジニアがおすすめな人


システムエンジニアはシステムの設計を行うため、ITに関する知識と高いコミュニケーション能力が求められます。

どのような人が向いているのか具体的な特徴をみていきましょう。

向上心が強い


IT技術は日々進化し、次々と新しい技術が生まれているため、システムエンジニアは学習意欲が高く向上心がある人が向いています。

高いIT技術を要求されるシステムエンジニアは常に最新技術を習得する必要があるため、勉強し続ける意欲があることも重要です。

マネジメント能力がある

システムエンジニアはプロジェクトの進行管理やチーム内での仕事の割り振りなどのマネジメントも行います。

システム開発はスケジュールがタイトな場合も多く、納期までに完遂するためにはスケジュール管理などのマネジメント能力が求められます。

特定のメンバーにだけ負荷がかからないようチーム内での業務量の分担に気を使うなど細やかな気配りも必要です。

課題解決力が高い

システムエンジニアの仕事はIT技術を利用してクライアントが抱える課題を分析して原因をつきとめ、解決することです。

単純に解決策を提示するだけでなく、業務全体の仕組みを理解してクライアントと一丸となって問題の本質をつきとめなければなりません。

また、システム開発には設計したシステムの不具合・設計変更・納期の短縮などさまざまなトラブルがつきものです。

予期せぬトラブルにも冷静に対応して解決できる能力が求められます。

プログラマーがおすすめな人


プログラマーはシステムエンジニアが設計したとおりにプログラムを作成する仕事で、プログラミングの技術や知識が要求されます。

プログラマーに向いている人の特徴を具体的にみていきましょう。

プログラミングが好き

プログラマーはシステムエンジニアの設計に基づき、パソコンに向かってコードを書き続けます。

集中力が重要な作業のため、プログラミングが好きであることがプログラマーに向いている第一条件です。

使用するプログラミング言語や求められる技術は企業・チーム・プロジェクトなど働く環境や作るシステムによって異なります。

プログラマーとしてキャリアを高めるためにはプログラミングの勉強を続ける必要があるため、やはりプログラミングが好きな人が向いています。

細かい作業が得意


1文字間違えただけでシステムが正常に動かない不具合が起こることもあり、プログラミングは非常に繊細です。

プログラマーは正確にコードを作成することが要求されるため、コツコツと細かい作業を行うことが苦にならない人が向いています。

曖昧な部分があると仕様の解釈を間違うため、細かい部分が気になる人ほどプログラマーに向いています。

システムエンジニアやプログラマーに興味があるなら


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システムエンジニアとプログラマーの将来はどちらも明るい


IT業界は慢性的な人材不足のうえ技術が発展するスピードが早く、数年後にはさらなる人材不足に陥ると予測されています。

すでにIT化した企業でもより高いレベルのセキュリティーを持ったシステムやさらなる業務の効率化を求めてITへ投資するケースが増えています。

まだまだ伸びしろがあり、システムエンジニア・プログラマーともに将来性のある仕事といえるでしょう。

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