IT業界にはさまざまな職業がありますが「アカウントプランナー」という仕事が現在注目されており、ここ数年で求人が増えています。
アカウントプランナーは広告営業の一種ですが、単純に広告枠を売るわけではありません。
簡単にいうとWeb広告の企画営業を行う仕事で、どのような広告を配信するとターゲット層により響くのかを広告主に提案し、広告を制作して出稿後の管理も行います。
この記事ではアカウントプランナーが具体的にどのような仕事を行っているのか、働くうえでの魅力や必要なスキルなどを詳しく解説します。
アカウントプランナーはどんな職業?
「アカウントプランナー」は広告業界における営業職のことで、通称「アカプラ」とも呼ばれます。
一般的な営業職とは違い広告スペースそのものを売るわけではなく、どのような広告を掲載するのが効果的なのかを企画して顧客に提案することが仕事です。
どのような広告を出せば顧客の売り上げにつながるのか、その戦略を考えます。広告の制作だけでなく広告の運用やコンサルティングまで業務内容は多岐にわたります。
アカウントプランナーの主な仕事内容
アカウントプランナーはインターネット上に掲載するWeb広告の企画営業を行う仕事で、顧客のニーズに合わせて最適な広告を提案し、収益アップに繋げる役割があります。
具体的には下記のような仕事を担当します。
- 広告の企画・提案
- 企画の営業
- 広告の制作
- 出稿後の広告の管理
- 運用・コンサルティング
とくに重要な業務が広告の出稿計画をプランニングすることです。
顧客となる企業の商品・サービスの特徴を理解し、適した広告媒体を選定して企画を立ち上げ、広告出稿までのスケジュールを計画します。
出稿して終わりではなく、広告の管理や企画の改善なども行うため、顧客との付き合いは長期にわたります。
アカウントプランナーとして働く魅力
アカウントプランナーは顧客の要望に応えるためにWeb広告業界のさまざまなメンバーと協力し、プロジェクトの中心として指揮します。
営業職のためノルマが課せられますが、自分の能力・スキルを努力次第でいくらでも向上させられるのが魅力です。
広告の成果は顧客の収益やアクセス数など数字として目に見えるため、プロジェクトの中心として成果を上げた実感も感じ取れます。
マーケティングの知識・スキルが身につく
アカウントプランナーは一般的な営業職よりもマーケティングの要素が強い仕事です。
興味・関心をひく広告を作るためにはターゲット層が何を求めているのかを理解しなければならず、そのためには入念なマーケットリサーチが必要です。
市場のニーズを調べるうちにマーケティングのスキルが自然と身につき、顧客のマーケティング担当者との打ち合わせをする機会もあるため見聞を広める機会もたくさんあります。
トレンドづくりができ流行に敏感になる
アカウントプランナーはマーケティングの要素が強いため、トレンドをキャッチする力も重要です。
常に最新の市場動向を把握しておかなければ顧客に最適な企画を提案することはできません。
効果的な広告を打ち出すためには狙ったターゲット層の流行を知り、実際の市場の流行を計画に組み込む必要があります。
アカウントプランナーとして仕事をしていると、自然と毎日の業務で最新トレンドに触れる機会があるため流行にも敏感になります。
世の中のトレンドを作る仕事をしてみたいと思う方にはぴったりの仕事です。
結果が分かりやすい
広告の成果は顧客の売り上げとして具体的に数字となって現れ、アクセス数やどの程度売り上げにつながったのかをデータから詳細に分析できるため、結果が分かりやすい仕事です。
達成できない場合の苦悩もありますが、自分の頑張りが数字にダイレクトに現れるためモチベーションアップにつながります。
Web広告はひとつのプロジェクトが長期となるため、顧客の業績が伸びたときの喜びは大きなものになるでしょう。
成果が思うように出なかった場合も現状や原因の分析をして改善する必要があるため、試行錯誤を繰り返して成功につなげる経験となります。
アカウントプランナーに求められるスキル
アカウントプランナーにはさまざまなスキルが求められますが、とくに重要なのがコミュニケーションスキル・企画立案スキル・広告に関する知識の3つです。
コミュニケーションスキル
広告戦略の立案だけでなく新規顧客の開拓もアカウントプランナーの重要な仕事となるため、営業職としてのコミュニケーションスキルが欠かせません。
単純に広告媒体の営業をするのではなく、顧客にWeb広告の必要性や効果を的確にアピールする必要があります。
ときには広告を必要としていない顧客にも広告の効果をプレゼンすることもあるため、伝える力も重要です。
積極的にヒアリングして顧客の悩みやニーズを引き出し、仕事につなげます。
また、広告を制作するためには自社や協力会社ともさまざまな交渉や段取りを行う必要があります。
プロジェクトの成功には社内・社外問わず仕事で関わる相手としっかりとコミュニケーションを取らなければなりません。
企画立案スキル
アカウントプランナーはプランナー職であるため、顧客の悩み・要望をヒアリングし、明確となったニーズをもとに的確な広告戦略をまとめていきます。
広告を形にするための企画立案・提案スキルはアカウントプランナーにとって最も重要な能力です。
さらに、企画を顧客に提案して実現するためには理想論だけではなく、実現するための論理的な思考力も必要です。
広告に関する知識
アカウントプランナーとして働くうえで何よりも重要なのが広告に関する知識です。
広告媒体にはインターネット以外にもさまざまな種類があるため、それぞれの特性を理解しなければなりません。
- テレビ広告
- ラジオ広告
- 新聞広告
- 雑誌広告
- デジタルサイネージ
また、Web広告にもさまざまな種類があります。
- 純広告:特定のメディアの広告スペースを買い取り、掲載する広告
- ネットワーク広告:アドネットワークを経由して複数の広告媒体に広告を表示する
- リスティング広告:検索結果と連動して表示される広告
- ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上に表示される広告
- SNS広告:Facebook・Twitter・InstagramなどのSNS上に表示される広告
- アフィリエイト広告:掲載だけでは広告費が発生せず、ユーザーが商品を購入したり会員登録を行ったりした場合に広告費が発生する成果報酬型広告
これらの違いと仕組みを理解し、どの広告が効果的かを顧客に説明して効果的な広告運用をする必要があります。
アカウントプランナーに向いている人
アカウントプランナーにはコミュニケーション能力・企画立案スキル・広告に関する知識など幅広いスキルが必要です。
では、どのような人がアカウントプランナーに向いているのでしょうか。下記の4つの特徴をみていきましょう。
ロジカルシンキングができる
広告出稿による成果が出ない場合は顧客からの信用を失うため、アカウントプランナーには予想される広告の効果をふまえて倫理的に企画・立案していく能力が必要です。
広告を出稿してからも効果を測定してデータ分析し、思うような成果が出ていない場合は方向転換をすることも必要です。
プロジェクトを成功させるためには前例や自分のやり方に固執せず、状況に応じて臨機応変な行動が求められます。
問題発見・解決能力がある
アカウントプランナーは顧客の抱える課題・問題を解決するために広告の企画を提案し運用することが仕事です。
ヒアリングによって顧客が抱える問題を見抜き、広告運用で解決する方法を導き出す能力が求められます。
数字管理ができる
アカウントプランナーも営業職の一種であるため、データや数字の管理をしなければなりません。
Web広告は広告の成果を数字で確認できるため、データを分析して顧客にいつでも説明できるように準備することも重要な仕事です。
つねに数字と向き合う仕事であるため、苦手意識がある人には向いていません。
また、営業職のためノルマが課せられる場合もあり、個人の売り上げ目標だけでなく部署全体の目標達成も考える必要があります。
業界に対する興味・熱意がある
Webマーケティングや広告業界に対する興味・熱意があることも重要です。
Webマーケティングの用語や世の中にある広告の種類や特徴などに理解を深め、知識を蓄えていかなければなりません。
普段の生活でも商品や施設のビジネス構造を考えるなど、アンテナを張っていると自然と社会の構造やビジネスの構造に理解を深めることができます。
営業やプランニングの経験があれば、Web広告業界が未経験でもアカウントプランナーとして採用される可能性があります。
「自分のスキルや経験がアカウントプランナーの仕事に活かせるかもしれない」と感じた場合は、口コミサイトで気になる企業を探してみましょう。
GeeklyReviewではアカウントプランナーとして活躍する社員のリアルな口コミを見ることができます。
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アカウントプランナーの気になる年収
アカウントプランナーの年収は企業によって異なりますが、基本的には一般的な営業職と同等です。
新卒1年目の相場はおよそ300万円、経験年数や実績によっては500万円〜800万円を目指せます。
大手広告代理店や上場企業のアカウントプランナーは給与が高い傾向にあるため、働く環境でも違いがあります。
営業職のため成績によってはインセンティブがあり、会社への貢献が大きい場合はボーナスで年収に大幅な上乗せも期待できます。
働き方次第で年収アップを目指せるため、実力主義の世界で自分を試してみたい方は大きなやりがいを感じられる仕事です。
実際にアカウントプランナーの口コミをチェック
アカウントプランナーは自分の頑張りを数字で実感できる仕事のため、自分の力を試したいと考える方に向いています。
アカウントプランナーに興味がある場合は、口コミサイトをチェックしてみましょう。
気になる企業では社員がどのような働き方をしているのか、どのようなスキルが歓迎されるのかなど情報収集だけでは分からない部分も多いです。
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アカウントプランナーの求人は増加傾向にある
従来のテレビ・新聞・雑誌に加えて、広告媒体にはWeb広告という選択肢が増えました。
インターネットの普及やIT技術の進化によってWeb広告の重要性がますます高まっており、今後もインターネットを利用する年齢層は広がるため、Web広告も重要になります。
Webの技術が発展する限り、アカウントプランナーの需要は続くと考えられます。
アカウントプランナーが活躍する企業一覧
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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
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