近年、IT業界は劇的な進歩を遂げており、今も進化を続けています。その結果、エンジニアなどITの各職種で人手不足という課題が出てきています。

システムエンジニアやセキュリティエンジニア・プログラマーなど多くの職種がありますが、IT系の進化のスピードに追い付くことができる技術者が少なく、人手不足という事態に陥っているのです。

このような状況で注目されている職種が、フルスタックエンジニアというものです。

ここでは、フルスタックエンジニアの仕事内容や必要なスキルなどを含めて説明していきます。

フルスタックエンジニアとは?


フルスタックエンジニアは、別名マルチエンジニアといわれています。

通常、設計や開発などはその分野の専門という形で業務を行いますが、フルスタックエンジニアは複数の分野の知識や技術を持っており、1人でシステム開発や運用などを行うことができる技術者のことをいいます。

フルスタックエンジニアの力を特に必要とする場面は、企業や部門の立ち上げ時期です。立ち上げて間もない時期では、資金の不安などから専門知識や技術を持った人を雇わずに業務を行うケースがあります。

そのケースでは、フルスタックエンジニア職の人が多く、結果的に事業の立ち上げなどがスムーズにいくことが多いのです。

フルスタックエンジニアが担う業務


フルスタックエンジニアが行う業務の範囲は非常に幅広く、知識や技術をたくさん持ち、必要に応じて使い分ける能力が求められます。

マルチ対応能力が必要な職種ですが、IT技術の進化にも対応しなければいけないため、常に自分のスキルをアップデートすることが重要となるのです。

ここでは、フルスタックエンジニアが担うことになる業務のうち、代表的な4つの業務について説明していきます。

モバイルアプリ開発

フルスタックエンジニアの業務の1つとしてモバイルアプリの開発が挙げられます。

スマートフォンが急激に普及したため、アプリ開発をはじめ、その他のモバイルサービス対応の技術が必要です。

モバイルアプリの開発言語は、AndroidであればAndroid Javaなどがあり、iOSの場合は、Objective-Cなどがあります。

バックエンド開発・フロントエンド開発

バックエンド開発は、システムを運用するサーバーの構築と運用・保守・障害の対応・セキュリティ対策などユーザーには見えない裏の部分の開発で、業務は多岐にわたります。

Java・PHP・C言語などのプログラミング言語の知識とデータベースやセキュリティに関する知識を持ち合わせていなければできない業務です。

フロントエンド開発は、バックエンドとは異なりユーザーから見える部分の開発業務です。

サイトの見た目に関する設計や構築などを行うため、HTMLやWordPressなどを使いこなすスキルが必要となります。

また、デザイナーと連携して業務に取り組むことがあるので、IllustratorやPhotoshopなども扱えると業務をスムーズに行うことができます。

インフラ開発


ハードウェアや業務効率化を図るためのソフトウェア、インターネット回線やメールシステムの構築などの業務です。

システムを構築していく上で必要なクラウドサービスを選定し、設計や構築・運用する技術が必要となります。

データベース開発

必要なときにすぐにデータを取り出せるようなシステムを構築・運用する業務です。

データベースの開発や設計・サーバーの最適化・データベースのバックアップやセキュリティ対策なども業務に入るため、リレーショナルデータベースシステム(RDBMS)に関する知識が必要です。

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フルスタックエンジニアとして働くメリット


1人で業務をこなすことにより、フルスタックエンジニアにとってのメリットだけではなく、企業側にも大きなメリットがあるのです。

フルスタックエンジニアとして働くときのメリットを説明していきます。

複数の業務を一人で担える

案件によっては、スピードを求められることがエンジニアにはあります。プロジェクトに関しては、1つのプロジェクトに多くのエンジニアが関わるので、連携などに時間がかかってしまうのです。

フルスタックエンジニアは1人で業務を進めることができるので、連携などに時間をかけることはなく、連携の際に生じる可能性のあるミスが起こることもありません。

フルスタックエンジニアの立場からみると仕事に集中できるメリットがあります。

反対に、企業の目線に立ってみると何人もエンジニアを雇う必要がないので、人件費を減らせるなどお互いにメリットが生まれます。

特定の言語の流行に影響されない

身につけているプログラミング言語の数が多いほど、エンジニアとして活躍する機会が多くなります。

何事にも流行と廃りがありますが、それはIT業界も同様でプログラミング言語の流行の波があるのです。例えば、現在流行しているプログラミング言語が、数年後にはもう流行ではないかもしれません。

使える言語が1つだけの場合は、その言語がなくなったと同時に仕事もなくなることが考えられます。

しかし、フルスタックエンジニアのように複数の言語を身につけていると、流行の言語に左右されることなく、安定して仕事を受けることができるのです。

フルスタックエンジニアに求められるスキル


フルスタックエンジニアには1人で複数の業務を行うスキルが求められるので、プログラミング言語の知識やスキルをはじめ、多くの知識を身につける必要があります。

ここでは、業務で扱う際に、身につける必要があるスキルや知識について説明をしていきます。

プログラミング言語・クラウドサービスの知識

フルスタックエンジニアには、どのようなプログラミング言語でも扱えることが求められます。

システム開発で使われることが多いJavaをはじめ、JavaScript・PHP・Swift・C・C++など知識を持つ必要がある言語は多くあります。

1つだけしか扱えない場合は、仕事がなくなるリスクがあるため、複数のプログラミング言語スキルを身につけなければなりません。

クラウドサービスは、データなどをネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するものでiCloudやGmailがクラウドサービスの例となります。

フルスタックエンジニアは、ソフトウェアを提供するSaaS・開発環境を提供するPaaS・システムの稼働に必要なシステムを提供するIaaSに関するスキルや知識も欠かせません。

OS・ミドルウェアの知識


OSとはシステムの基盤のことを指し、Mac OS・Windowsなどが代表例として挙げられ、ミドルウェアとはOSとアプリケーションをつなぐ中間的なものです。

OSは基本的な機能しか持ち合わせていないため、アプリケーションにつなぐための複雑な処理はミドルウェアが担います。

ミドルウェアは、システム運用に使われることもあります。この場合のミドルウェアは、中間的な役割を果たすものではなく、ミドルウェア自体がアプリケーションとして動くものです。

運用ミドルウェアの役割は、システムのバックアップ機能や作業の効率化・システムの監視など重要な役割となります。

サーバーを構築するときは、ミドルウェアの知識とOSの知識が必須となります。

フルスタックエンジニアになる方法


フルスタックエンジニアを目指すためには、独学での勉強やIT系のスクールで学習するだけでは目指すことはできず、ある程度の実務経験を積まなければなりません。

最初からフルスタックエンジニアを目標にするケースは多くないですが、いろいろな業務をこなすうちに目標が変わることがあります。

フルスタックエンジニアになるために必要なことは何かを説明しますので、参考にしてください。

専門分野のスキル・知識を身に付ける

フルスタックエンジニアは、これまで説明してきたように多くの知識とスキルが必要となります。

1つの作業工程を複数人のエンジニアで進めていくことがありますが、フルスタックエンジニアの人は、1人で複数の工程をこなしていくのでスピードが求められる場合に重宝されます。

IT業界の技術は、進化を続けているので常に新しい技術を勉強しなければなりません。

プログラミング言語などの知識を多く持ちながら、新しいものを求めていく必要があるため、大変だと感じるかもしれませんがやりがいを得られます。

フルスタックエンジニアとして活躍したい場合は、オールラウンダーになるためにあらゆる知識と技術を身につけることが大切です。

スキルアップできる企業へ転職する

さまざまなITの分野で業務をこなすと、スキルアップを考えて転職を検討することがあります。

扱うIT分野は、企業によって異なるので、転職先でそれまでとは違う業務をこなすことによりスキルアップにつながります。

違う業務をこなし、経験を積んでいくとフルスタックエンジニアに近づくことになるので、スキルアップにつながるための転職は大切だといえます。

フルスタックエンジニアに向いている人


フルスタックエンジニアに向いている人の特徴をみていきます。

まずは、最新の技術に関しての勉強を継続できることが条件です。多くの知識を得るためにたくさん勉強しますが、新しい技術が次々と出てくるIT業界では業務をこなしながら勉強を継続する必要があります。

開発業務も行うことから、柔軟な発想力を持っている人がフルスタックエンジニアとして仕事をしています。

さまざまな視点から物事を見て、課題を解決していくことで活躍の場を広げていくのです。開発業務などは、成功と失敗を繰り返しながら良いものを制作していきます。

失敗を気にせず修正を繰り返しながら作業をすることができる人はフルスタックエンジニアに向いているといえます。

フルスタックエンジニアへ転職する際のポイント


フルスタックエンジニアを最初から目指すケースは少ないかもしれません。理由としては、決まった分野でエンジニアとして仕事をこなすケースが圧倒的に多いからです。

多くの知識や技術が必要な職種となるので、未経験の状態で採用する企業はほぼありません。

さまざまな分野を経験して、フルスタックエンジニアを目指すという形が多いので、数年の実務経験を積みながら他の分野の知識や技術を身につける方法がおすすめです。

フルスタックエンジニアは、実務経験を積んでいれば欲しいと感じる企業が多いため、経験をきちんと評価してくれる企業を選ぶことがポイントです。

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フルスタックエンジニアは現在必要とされている人材


フルスタックエンジニアは、幅広い分野を1人でカバ-できることと人件費がかからない点から企業から重宝される存在です。

大企業でも重要に扱われる存在ですが、ベンチャー企業や立ち上げ部署では、少人数で高い生産性を生み出す必要があるためとても重要な存在となります。

多くのスキルを持っていることから、大規模なプロジェクトでも複数の工程を1人で行うなど、責任を持ちながら大きなやりがいを感じることができます。

フルスタックエンジニアとして転職する場合は、企業から高い給料を支払ってでも雇いたいと思われるような重要な職種です。

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