アニメやオタクが日本の文化の代名詞のようになりました。それに伴いゲーム業界の需要も増えています。
次から次へと新しいゲームが誕生していきますが、ゲーム業界になくてはならない存在なのがゲームシナリオライターです。
そこで今回は、ゲームシナリオライターの仕事内容や適正・求められるスキルについて解説していきます。
ゲームシナリオライターとは?
ゲームシナリオライターとは、その名の通りゲームのシナリオ制作を担当する職業です。
ゲーム上のストーリー展開や設定などを考えながら、魅力的なシナリオを書くことが主な仕事になります。
映画・ドラマなどの脚本を書くシナリオライターと同じですが、ゲームシナリオライターは少し特殊です。
ただ構成を考えるだけではなく、ゲームのイメージや面白いアイデアがゲームの中でうまく機能するように組み立てていきます。
さらに仕事をする上で必要なのが、基本的な文章力・構成力・発想力・執筆スピード・進行管理能力です。
日頃から本を読むことが好きな人はボキャブラリーが多く、発想力も豊かなのでこの仕事に向いています。
ただ文章を書くだけではなく、ユーザーを飽きさせないシナリオを生み出し、あらゆる角度から思考を巡らせるのがゲームシナリオライターです。
ゲームシナリオライターはどんな仕事をするの?
ゲームシナリオライターの1番の仕事はゲームのシナリオやストーリーを考えることです。
ですがゲームの物語によってはエンディングに向かって進むものだけではなく、サイドストーリーに展開していくゲームもあります。
またユーザーの選択によって物語が変わっていくゲームでは何通りものシナリオを考えることになるのです。
ゲームの中はまさにパラレルワールドのようになっていて、ゲームシナリオライターは常に膨大な世界観でストーリーを付け加えていきます。
もちろんストーリーだけではなく、登場人物のセリフもありますし、舞台設定なども考えなければいけません。
ゲーム世界の構築からシナリオのプロット執筆・シナリオ制作管理を含めたゲーム制作業務などもあります。
基本的なパソコンスキルやシナリオをスクリプトに起こす作業も受け持つ場合もあるので、プログラミングの知識があれば有利です。
ゲームがヒットしていけば、グッズなどの企画や制作・製造及び販売に携わる場合もあります。
このようにゲームに様々な角度から関わっていくゲームシナリオライターの仕事は非常に奥の深い職種といえるでしょう。
ゲームの世界観やキャラクターの設定
ゲームはアニメやドラマとは違い、物語のエンディングにさまざまな分岐点が設定されています。
何通りものエンディングや個性豊かなキャラクターがいるからこそゲームユーザーが飽きずにプレイし続けてくれるのです。
ゲームの世界観に合っていなければいけませんし、キャラクターの心情になったつもりでセリフも書かなければいけません。
キャラクターはゲームにとって欠かせない存在なのでこの作業は非常に重要になります。
登場キャラクターは何人もいるのでその分時間もかかるでしょう。
ゲームシナリオライターが作成した大まかな設計書に沿って、キャラクターが意図した通りに動くようにするのがゲームプログラマーです。
ゲームを完成させるためにはゲームシナリオライターが基盤となり、様々なクリエイターがチームとなります。
ストーリーの大まかな構成立て
ゲームの大まかな構成を立てるためには、まずゲームクリエイターやゲームプログラマー・ゲームディレクター・ゲームプロデューサーと打ち合わせをします。
ゲームの世界観・テーマ・ストーリー・コンセプト・キャラクターなどを確認し、どのような作業をどのように誰が作成していくのかを決めます。
この段階でゲームクリエイターにより企画作成が固まっている場合もあるのです。
また企画が漠然としている場合でもチーム全体がイメージを共有してゲームシナリオライターが構成を考えていきます。
プロット作成
ゲームシナリオライターはすぐにシナリオ作成に取り掛かるのではなく、大まかなゲームの流れや構成がわかるようにまずはプロットを作成します。
プロットが完成したらゲームに関わるスタッフとミーティングを重ね、より良い方向に修正をしていきます。
主にゲーム作成に携わるのはゲームプログラマー・ゲームデザイナー・CGデザイナー・ゲームディレクター・ゲームプロデューサー・サウンドクリエイターです。
ゲームシナリオライターが作成したプロットを元に方向性が決まっていくので非常に責任感のある仕事となります。
構成を考えるためには幅広い専門知識が必要であり、時間もかなりかかります。そういった点からも忍耐強い人が向いているでしょう。
また1つのゲームを作り上げるために多くのスペシャリストが関わるのでチームとしての協調性も欠かせません。
シナリオ作成
プロットの確認が終わってからはいよいよシナリオ作りにとりかかります。
ゲームのシナリオは映画やドラマなどと違い、サイドストーリーがあったりするのでセリフも多くなります。
ストーリーの方向性がバラバラにならないように、他のスタッフとも打ち合わせを繰り返しながら作っていかなければなりません。
シナリオが完成してもチェックを受けて修正点がなくなるまで、何度も何度も書き直しをすることもあります。
またゲームはコンシューマー系・ソーシャル系・モバイルゲーム系にわかれています。
コンシューマー系は家庭用ゲーム機でプレイするゲームで、プロジェクトチームが組まれて発売までにじっくり時間をかけていくのが特徴です。
ソーシャル系はSNS上にあるオンラインゲームが主ですが、細かいアップデートを重ねてストーリーを増やしていきます。
さらにスマートフォンのアプリをダウンロードして遊ぶモバイルゲーム系のゲームになると、より開発のフットワークが早いのが特徴です。
どのゲームでもシナリオライターの発想と情報力は必須といえるでしょう。
ゲームシナリオライターの平均年収は?
ゲームシナリオライターの平均年収は300万円〜400万円程度となっています。この金額は、一般的なサラリーマンやOLとあまり変わりません。
年収の幅はゲームの人気度によっても変わってくるようです。他の仕事と掛け持ちをしている方もいれば、専属のゲームシナリオライターもいます。
特殊な能力や技術が求められる職業で需要も多いですが、ゲームディレクターやゲームプロデューサーに比べると少し年収は低めのようです。
現場で活躍するゲームシナリオライターの声を見てみよう
ゲームシナリオライターとして働いている人は企業に所属し、様々なクリエイターとチームで活動している人が多いです。
Geekly Reviewではゲームシナリオライターとして働いている人の口コミを見ることができます。
実際に働いている人の生の声を見ることでゲームシナリオライターの仕事内容の詳細がわかります。是非参考にしてみてください。
狙うならコンシューマー系よりモバイルゲーム系?
コンシューマー系よりもモバイルゲーム系の方が手軽にプレイできるのでユーザーが多いです。
コンシューマー系のシナリオは時間をかけて企画構成からじっくりと作り上げていきます。
一方でモバイルゲーム系はアップデートを重ねていきながらストーリーを展開していくので回転が早くなります。
ゲームシナリオライターとして働く上で狙いやすいのは、やはりモバイルゲーム系です。
コンシューマー系はアップデートが難しいのでストーリーを最初からしっかり作り込まなくてはいけません。
それに比べてモバイルゲーム系は初期のリリースでストーリーを完結せずに、常時アップデートができます。
流行に合わせたり臨機応変にストーリーを進められるので、ゲームシナリオライターとしての本領を存分に発揮できる部分です。
ゲームシナリオライターに求められるスキルとは?
ゲームシナリオライターに求められるスキルは
- 文章を書くスキル
- 構成力
- 柔軟な発想
です。ゲームが好きだということはもちろんですが、まずは文章を書けることが最重視されます。
ただそれだけではゲームシナリオライターにはなれません。わくわくするような構成や舞台設定を考える力も必要です。
それには発想力があることも重要で、ユーザーが引き込まれるようなシナリオを導き出せるのがゲームシナリオライターの最大の仕事になります。
文章を書くスキル
文章を書くスキルはゲームシナリオライターになる上でとても大切な能力です。ゲームのイメージを文章化して面白さを伝えなければいけません。
良い文章が書ける人は、良質な情報を収集する能力が高い人です。魅力的な文章はたくさんの情報で溢れています。
例えばゲームの時代背景が戦国時代なら、臨場感のある戦国時代の様子を表現していきます。
もちろんキャラクターも戦国時代にふさわしい人物やセリフが必要です。
それにはまず戦国時代を知らなければリアルにシナリオを書くことができないので、当時の情報をできるだけたくさん集めます。
良質な情報を集めをして、それを的確に文章化することでゲームシナリオが完成していきます。
頭の中の情報を人に伝えるための文章にするスキルはゲームシナリオライターにとって必須です。
構成力
ゲームシナリオライターになるには構成力も必要です。ゲームの物語を組み立てたり、大まかな作成スケジュールなども考える必要があります。
映像には2Dや3Dがあり、音楽もセリフの音・効果音・BGMが重なり合って成り立つのです。
また背景・風景・建造物・キャラクターもストーリーにそって描かれます。
それら全ての構成を繋ぎ合わせて1つのゲームが作られますが、その基盤を考えるのがゲームシナリオライターです。
様々な方向に思考を巡らせて構成を考える力もゲームシナリオライターにとって必要なスキルといえるでしょう。
柔軟な発想
ゲームシナリオライターとしてストーリーやキャラクターを作っていくにはひらめきも大切です。
日々何気なく生きている中でもゲームシナリオの参考になる場合もあるでしょう。ひらめきをシナリオにしていく柔軟な発想も大事なスキルです。
現実世界ではあり得ないこともゲームの世界では可能になります。例えばゲームならば過去や未来にタイムスリップすることもできてしまうのです。
ゲームをするユーザーの目線でこんなことやったら面白そう…と考えるのもゲームシナリオライターとしての醍醐味でしょう。
そのためには日頃から柔軟な発想力を鍛えておくことが必要になります。
ゲームシナリオライターに向いているのはどんな人?
ゲームシナリオライターに向いているのは、好奇心旺盛でオリジナリティ溢れる想像力を持っている人です。
いつもいろんなところにアンテナをはっていたり、様々な情報収集に長けている人も向いているでしょう。
特にソーシャル系やモバイルゲーム系のゲームにおいてはストーリーがどんどんアップデートされていきます。
そうなるとゲームシナリオライターも次から次へと構成・ストーリー・新たなキャラクターを生み出していかなければなりません。
ゲームのストーリーがポンポン頭に浮かぶ人はゲームシナリオライターとして非常に向いています。
恋愛・ファンタジー・サスペンスなどゲームにもいろんなジャンルがあります。それぞれのジャンルに適したストーリーが必要です。
ストーリーだけではなくキャラクター・セリフ・世界観などすべての演出をしていきます。
全ての構成を通してゲームの魅力を最大限に引き出せる人こそゲームシナリオライターに向いているといえるでしょう。
とはいえゲームは1人では作れないのでチームで活動するためのコミュニケーション能力や協調性も大事です。
好奇心旺盛な人
好奇心旺盛な人はゲーム業界にぴったりです。好奇心がある人はいろんなことに興味を持っています。
趣味も多く、たくさんの引き出しを持っていて、いろんなジャンルにも精通している人です。
好奇心旺盛な人は今まで経験してきたことをゲームシナリオライターの仕事に活かせます。
いろんな経験を積むことで、独自の視線でストーリーや構成を考え、人々を魅了するゲームシナリオを書くことができるのでしょう。
探究心がある人
ゲームシナリオライターには探究心も必要です。ゲームシナリオの場合はストーリー展開が小説や映画のようにはいきません。
いく通りも枝分かれしてストーリーが進んでいき、ユーザーの選択によって結末が変わったりもします。
ゲームのユーザーがこの先の展開はどうなっていくのだろう?とわくわくする気持ちをゲームシナリオライターは先読みしなければなりません。
ターゲットがどんな層なのかを研究し、ユーザーに刺さるゲームシナリオを作り上げていくためには探求心が必要といえるでしょう。
想像力が豊かな人
ゲームシナリオは想像力の世界といっても過言ではありません。ゲームでは現実とは違う世界観を楽しむことができます。
現実から開放されたい人もいれば達成感を味わいたい人もいるでしょう。またゲームのストーリーに没頭したい人もいます。
ゲームシナリオを書くにはライターの想像力がユーザーの想像力を超えていかなければなりません。
ゲームのストーリー展開が読めてしまうものより、どうなるかわからないわくわくするものの方がユーザーの心を掴みます。
想像力が豊かで、誰も思いつかないようなアイデアがどんどん浮かぶ人はゲームシナリオライターに向いているでしょう。
未経験からでもゲームシナリオライターとして活躍できる?
ゲームシナリオライターとして未経験から活躍するためにはまずゲーム制作会社に入り、ゲーム開発に関する知識を身につけることが大切です。
ゲーム制作の基礎や過程を知りコツコツと経験を積んでからゲームシナリオライターに転身する方もいます。
小説家志望や脚本家志望の方がゲームシナリオに携わる場合もありますが、こちらも活躍するためには実績が必要です。
ゲーム業界である程度経験を積むことで、誰でもゲームシナリオライターとして活躍することが可能になるでしょう。
ゲーム業界において未経験だと難しい職種
ゲーム業界が未経験の場合、再就職が難しいといわれているのが
- ゲームプログラマー
- ゲームデザイナー
- ゲームディレクター
- ゲームプロデューサー
- サウンドクリエイター
です。上記の職種は経験や実績が必要になるものがほとんどなので全くゲーム業界で働いたことがない場合は難しくなります。
逆に再就職しやすいといわれている職種は
- 営業
- 広報
- マーケティング
- 事務
- ゲームプランナー
です。ゲーム業界で働いて実績を残すことで再就職が難しいといわれている職種の仕事ができるかもしれません。
ゲームシナリオライターはゲームヒットの根幹を担うやりがいある仕事
ゲームシナリオライターはゲームのストーリーを作ることが仕事なので、自分の考えた世界観が実際にゲームになることはとても嬉しいことです。
世の中に自分が考えたゲームがリリースされ、多くのユーザーに喜んでもらえたらさらにやりがいを感じることができるでしょう。
ゲームシナリオライターはただゲームのシナリオを考えるだけではなく、作品の企画に関わったり、実際に制作作業をすることもあります。
納期に追われたり、新しいストーリーが浮かばない日もあるでしょう。
それでも常にアンテナを張り巡らせいろんな角度から物事を見ます。そして人々があっと驚く斬新な作品を作るのです。
ゲーム制作に関わる多くのクリエイターの中でもゲームシナリオライターはその根幹を担うとても重要でやりがいのある仕事です。
ゲーム業界の企業一覧
GeeklyReviewでは、下記のようなゲーム業界の企業一覧の情報を確認することができます。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。