誰しも働くのなら、できるだけいい会社に入りたいと思うはずです。しかし、大企業で待遇のよいホワイト企業なら、いい会社なのでしょうか。

常識的に考えれば、多くの人から支持されている会社がいい会社です。ここでは、いい会社と呼ばれる条件を紹介します。

また、自分に合った会社を選ぶポイントも説明します。

いい会社ってどうやって決める?


以前は、いい会社とは有名な大企業のことを指しました。しかし現在では、いい会社が大企業とは限りません。

現在では、待遇が良くて経営が安定しているホワイト企業のことを指す傾向にあります。

いい会社には「客観的に見たいい会社」と「主観的に見たいい会社」の2種類が存在します。

客観的に見たいい会社とはホワイト企業のことです。主観的とは、自分が「働きやすい」「やりがいがある」と感じる企業のことです。

世間からホワイト企業と評価されていても、自分にとっていい会社とは限りません。

自分はどんな会社に入りたいのか、どんな仕事がしたいのかを考えていきましょう。

客観的に見た会社の条件とは


客観的とは、事実やデータに基づいた見方をいいます。企業のホームページや求人票などには、経常利益・社員数・労働時間・給与などが記載されています。

まずはデータに基づいて、客観的に会社を見ることが大切です。ここでは、客観的に見た会社の条件を紹介します。

高い利益率

高い利益率を上げている会社は、客観的に見ていい会社です。利益率とは、売上高に対する利益の割合です。

いくら売上が良くても、利益が低ければ儲かっている会社とはいえません。

利益率が高い会社はコストを抑えたり、高く売れる付加価値の高い商品やサービスを提供していたりします。

つまり、優れたビジネスモデルや経営戦略を持っている会社なのです。

利益を上げていない会社は、給与も低い傾向にあります。もし入社時の給与が高くても、その後の昇給は期待できません。

労働時間が少ない


労働時間が少ないというのも、客観的に見ていい会社の条件です。労働基準法では、1日の労働時間を8時間以内、1週間の労働時間を40時間以内と定められています。

定められた労働時間、いわゆる定時はどの会社も大差はないはずです。労働時間が多い会社とは、残業が多い会社です。

同じ収益の会社と比べ、労働時間(残業時間)が多い会社は、生産性が低いと考えられます。同じ給与ならば、労働時間は少ないほうが社員に喜ばれます。

福利厚生が充実

福利厚生が充実している会社は、客観的に見ていい会社といえます。福利厚生は、給与や賞与以外の報酬です。

法律で定められている健康保険や年金はもちろん、住宅手当・育児休暇・慶弔金などが福利厚生に当てはまります。

福利厚生の充実は、働きやすい環境につながります。就活生へのアンケートでも、会社に求めるものとして、福利厚生は給与に次いで2位です。

福利厚生は、会社が社員を大切にしている指標にもなります。

主観的に見たいい会社を選ぶポイント


主観的とは、個人の感想や希望という意味です。客観的に見ていい会社でも、就職する本人がいい会社と感じない場合もあります。

働く人すべてが、好待遇だけを求めているわけではないからです。ここでは、主観的に見たいい会社を選ぶポイントを紹介します。

どのポイントもホームページなどを見ると判断できることばかりです。

給与が同業他社より高水準


就職転職を考えている人が、1番にあげる条件は給与の高さです。利益率が高くても給与の水準が低くては、いい会社とはいえません。

同じ業界の競合他社より、給与が高水準の会社はいい会社です。給料が安いと、従業員の仕事に対するモチベーションが下がるからです。

いくら希望する仕事でも、給料が安ければやりがいを感じられません。しかし、給料が高すぎる会社にも注意が必要です。

他社に比べて異常に高い給与を提示している会社は、残業が多かったりノルマがきつかったりする傾向にあります。

有給消化率が高い

有給消化率が高い会社は、主観的に見たいい会社です。有給は社員の当然の権利の1つですが、なかなか自由にとれない会社が多いのも現実です。

有給消化率の高さは、従業員が余裕を持って働いていることを表しています。有給が取りにくい職場では、従業員が常にフル稼働して余裕がないことが多いのです。

また、余裕があるのに休みにくい職場は、上司に問題があるのかもしれません。

特に女性には、有給が自由にとれる、事情にあわせて時にはフレックス制を配慮してくれる会社が望まれています。

人事評価が公平

人事評価が公平というのも、いい会社の条件です。まだまだ年功序列の会社も多く、若い人のヤル気を削ぐ原因となっています。

能力・経験・実績を正当に評価してくれる制度があり、役職や給与に反映される会社なら、仕事に対するヤル気が起こります。

制度化されていなくても、年齢の若い役職者がいるかどうかで判断が可能です。

評価を制度化している会社なら、会社のホームページや募集要項に記載されています。ぜひ、確認してください。

いい会社=自分に合った会社ではない


世間からの評価が高い会社でも、自分に合った会社とは限りません。

給与水準が高くて残業の少ないホワイト企業でも、人によっては「働きにくい」と感じることもあります。

反対に、世間的にはブラック企業でも「やりがいがある」と感じることもあります。

働く本人が、会社に対する価値観を明確にして会社選びをすることが必要です。

会社に対して何を求めるのか、自分にとってどんな条件が大切なのかを考えてみましょう。

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自分に合った会社を選ぶ3つのポイント


自分に合った会社を選ぶのは、簡単なことではありません。適当に条件だけで会社選びをすると、入社後に後悔することもあります。

入社と離職を繰り返すとキャリアが育たないばかりか、転職先から敬遠される人材となるリスクもあります。

また、のんびりした会社選びをしていては、時間の無駄です。効率よく会社選びをするためには、自分なりの基準をつくることをおすすめします。

ここでは、自分に合った会社を選ぶ3つのポイントを紹介します。

給料・労働時間に納得できるか


給料・労働時間は、会社を選ぶうえで最も大切なポイントです。

「給料が安くても残業がない会社が望ましい」と考える人もいるはずです。そのため、給料と労働時間はセットで考えましょう。

自分が納得できる給料・労働時間であることが大切です。また、月々の給料だけでなく、賞与も含めた年収で考えてください。

職種によっては成果によって給与がアップする、インセンティブ制を導入している会社もあります。

基本給だけでなく全体を見て、理想的な収入が得られる会社であれば、満足度も上がるはずです。

社風・人間関係が合うか

社風や人間関係が合わない会社に入ると、働くのが辛くなります。しかし、社風や人間関係は入社前には判断しにくい部分です。

特にベンチャー企業など人数の少ない会社は、人間関係が合わないと、働き続けることが困難になります。

コミュニケーションに不安のある人は、ある程度大きな企業がおすすめです。

事前に会社の社風を知るためには、会社のホームページに載っている企業理念や社長挨拶をチェックしてください。

実際に働いている先輩がいるのなら、ぜひ聞いてみましょう。口コミサイトを利用することもおすすめです。

福利厚生に満足できるか

福利厚生は賃金ではありませんが、仕事に対する報酬の一部です。福利厚生に満足できるかは、大切なポイントです。

福利厚生が充実している会社は、社員を大切にして「長く勤めて欲しい」と考えています。

特に女性の場合は、産休や育休などの子育て支援が整っていない場合は、キャリアを育てていくことが難しくなります。

長く勤めたいと考えている人は、福利厚生の内容で会社を選んでもいいかもしれません。

GeeklyReviewでは、企業の待遇満足度がチェックできます。ぜひ、参考にしてください。

本当にいい会社の見分け方


本当にいい会社とは、居心地のいい会社です。居心地のいい会社でやりがいのある仕事をするのが、ほとんどの会社員の理想と考えられます。

しかし、居心地がいいというのは、個人の感想のため、具体的にはわかりにくい部分も多くあります。

居心地のいい指標として会社への定着率をチェックしてみましょう。定着率がいいとは、離職率が低く復職率が高いことを意味します。

誰でも居心地がいい会社を、すすんで辞めたいとは思わないはずです。ここでは、復職率と離職率から見る、いい会社の見分け方を紹介します。

復職率が高い


女性の場合は、結婚や出産で退職する人も少なくありません。「事情があって退職したが、また働きたい」という声が多い会社はいい会社です。

そして、実際に復職率が高いことは、いい会社の指標となります。

最近は女性だけでなく、ジョブリターン制度をとっている企業も増えています。ジョブリターン制度とは、本人が希望すれば復帰できる人事制度です。

もちろん復帰するのには、企業側が示す条件をクリアする必要があります。本人が復帰したいと思い、会社側も復帰して欲しいという場合に復職できるのです。

離職率が低い

離職率が低いということは、社員にとって居心地がいいということの指標になります。

アルバイト以外の労働者の平均離職率は11〜12%という報告があります。離職率が11%以下なら、居心地がいい会社です。

離職率の高い会社は人の入れ替わりが激しく、引き継ぎなどの業務が多くなり、残業も多くなります。

また、新卒社員の離職率は、3年以内が平均3割とも報告されています。この割合を大きく上回ったり下回ったりする会社には注意が必要です。

統計から見ると、製造業は離職率が低く、飲食やサービス業は離職率が高い傾向にあります。

長く勤めたいと考えている人は、自分が希望している職種が自分に合っているかも考えてください。

GeeklyReviewでは、適職診断の形でマッチ率をチェックできます。自分が進もうとしている業界が、自分にマッチしているかをチェックしてはいかがでしょう。

会社の実情を知るには企業口コミが役立つ


会社のホームページや募集要項を見ると、その企業の概要はわかります。また、その会社の社風や企業風土も、ある程度は理解できるはずです。

しかし、会社側が発信している情報だけでは不安が残ります。会社側に良くない情報が、すべて明らかになっているとは限らないからです。

平均残業時間や離職率などは、計算方式が異なる場合もあります。

会社の実情を知るには、企業口コミを利用してみましょう。GeeklyReviewでは、働いている人のリアルな口コミを見ることができます。ぜひ参考にしてください。

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いい会社の中でも自分に合う会社を選ぼう


世間的にいい会社が、自分に合う会社とは限りません。しかし、客観的にいい会社なら、入社後に「失敗した」と思う確率は低くなります。

まずは、いい会社をピックアップして、その中から自分に合う会社を選びましょう。新卒の人なら、その会社で3年間はキャリアを積む努力が大切です。

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