異業種からの転職は、基本的には容易ではないとされますが、実例や前向きに検討している人は意外に多いというデータもあります。

異業種間の転職者が多い職種や企業には、若手を必要としていたり、人手不足だったりする背景があります。また、業績が伸びている企業が求人を出しているケースに注目するのがおすすめです。

今の仕事内容や待遇、そして将来性に満足しているでしょうか?転職による年収アップや、新たなビジネススキルを得て市場価値を高められる可能性もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

異業界への転職は多い?


昨年、大手転職メディアが正社員の男女向けに行ったオンライン調査では、転職率が20代を中心に過去6年間で最も高い結果でした。

在宅勤務の浸透で、転職活動する時間が増えたことも要因のようです。

また、調査では異業種間の転職率48.8%のうち、フードサービス業界からの転職率が82.4%と目立っています。

異業界の転職パターンは、大きく分けて2つです。

  • 異なる業界・業種で現在と同じ職種を希望する
  • 異なる業界・業種かつ現在と異なる職種を希望する

前者は職種が同じですので、現在の経験やスキルを活かしやすく、ハードルが低めです。一方で、後者はやや難しい傾向にあります。

業界・業種にもよりますが、年齢を重ねているほどこれまでの豊富な経験やスキルを評価されやすい「同職種」を検討したほうが、スムーズな転職につながりやすいでしょう。

スキルアップやミスマッチの解消を理由に転職を希望する20代の人材は、意欲や基本的なビジネスマナーを企業側が魅力的ととらえ、成立することが多いです。

なかなか難しいとされる異業界への転職ですが、全体的に企業の人材不足な状況は続いており、求人の需要があるいまはチャンスともいえます。

異業界から転職している人が多い企業の特徴とは


若手を求めている場合や、人手不足の解消を目的に求人を出している企業、なかでも業績が右肩上がりの成長企業には注目です。

そのような企業は転職者の出身業種や経験を問わず、人柄やスキル・意欲を基準にしている場合が多く、異業種からの転職者も採用する傾向です。

また、全体的にみると事業の規模が大きい会社への転職率のほうが高いことが統計で出ています。

ITに関連する企業

なかでもITに関連する企業には注目です。現代の生活に身近な例でいえば、SNSやショッピングサイト、コンテンツの配信を運営する企業などがあります。

サービス内容によって業務もさまざまで、一例としてWebディレクター・Webマーケターがあり、それぞれに専門性や知識が求められます。

全体的には自由な発想を持ち、主体的に行動できる人が向いているといえそうです。

コールセンターや人事・財務や経理といった業務を委託するBPOサービスを展開する大手企業も、緩やかに業績を伸ばしていて注目です。

営業が活躍している企業

営業職は、未経験者の資質や可能性を重視したポテンシャル採用という枠を設けていることがあり、求職者にとっては未経験の業界に挑戦できるメリットがあります。

商社・流通の業界には企画や営業・事務など職種の選択肢があり、実務経験やコミュニケーション能力が活かせるため、未経験者も転職が可能といえます。

メディカル業界のMRや医療機器の会社もチェックしておくとよいでしょう。とくに自社の薬や医療品を販売するMRは営業力を求めていることが多いです。

また、建設業界は人手不足な傾向のため、営業スキルのある人材を受け入れることがあります。

急成長している企業

成長が著しい企業は人材を確保してビジネスチャンスを活かせるよう、転職者の出身業界を問わない傾向があります。

最近になってビジネス誌やメディアに取り上げられることが多い企業は業績もよい場合が多いため、注目です。

とくにIT関連の業界は、市場規模が拡大し続けていて求人ニーズが高く、とくに中小規模の会社やベンチャー企業は採用に積極的な傾向です。

近年はさらにネット利用が増え、通販やサービスの売り上げを伸ばしています。物流や運輸の業績も伸びており、積極採用をする傾向があります。

新規事業を展開する企業

新規事業を展開しようとする企業は、異業種からの採用に積極的なことが多いです。「新規事業」と検索すれば、掲載サイトから情報を得ることができます。

例えばAIを使用したブランド品の鑑定サービスや、動画による研修マニュアル作成サービスなどがあります。

GeeklyReviewはIT・Web・ゲーム業界専門の転職エージェンです。業界・企業についての情報も充実していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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異業界へ転職するメリット


異業界へ転職するメリットとしては未経験の業界に挑戦でき、新しい環境に新鮮さを感じながら働けることや、ビジネススキルが身につくことなどがあります。

また、将来的により多くの業界から求められる人材になって時代の変化に対応し、よりよい待遇を得られる可能性もあるでしょう。

仕事における希望が叶う

以前から興味があり希望していた仕事ができることで、意欲が高まったり、やりがいを感じたりすることは大きなメリットといえます。

新しいスキルを活かしたキャリアアップや、結果として市場価値が高まり、収入が増える可能性があるのも魅力です。

現状に不満や不安がある場合には、これからの発展が期待できる業界に転職したほうが、安定や社会的な成功が見込めることもあります。

自分の市場価値を測れる

例えば面接の場で仕事内容について質問をすることで、企業とのマッチングをより深く探り、キャリアビジョンを見直す機会です。

自分を客観的に見る体験を通して、知識や理解が深まります。その結果として視野が広がり、自身の可能性を高めることもできます。

もし思い通りにいかなかった場合にも反省点を今後に役立てるとよいでしょう。

異業界へ転職を考えている場合にやるべきこと


まずは時間をかけて自己分析することをおすすめします。自分の性格、現在のキャリアプランや仕事に対する価値観についてなどです。

また、ビジネス上で役に立ちそうな経験や、身に着けているスキルについても具体的・客観的にあげましょう。丁寧に自己分析していくと、希望する職種や待遇・仕事の内容をより明確にできます。

下記では転職前に準備した方がよいことを具体的に説明していきます。

自分の活かせる強みを整理する


これまでのキャリアでの経験やビジネスに役立てられるスキルをあげましょう。例えば自分で課題を見つけ対応する能力やコミュニケーション力などがあります。

また、自分の経験や得意分野のなかで、強みとしてアピールできそうなことは何でしょうか。

仕事における価値観や、仕事に対して能動的前向きな姿勢があるかは面接官が重視するポイントです。

異業界について情報収集する


気になる業界については企業の公式サイト(IR情報)や転職・口コミサイト、または会社説明会へ足を運ぶなど、なるべく複数の手段を通して情報を集めましょう。その上で企業側の目線に立ち、どのような人材が求められるか研究します。

その過程で本当に自分のスキルや適性に合うかどうか見極めることもでき、企業側の求める受け答えをして、活動を有利に進めることも可能です。

求められるスキルを理解し自己アピールできるよう整理する

採用の機会をつかむには、志望動機やスキルや前職での経験をきちんと採用担当者にアピールし、納得してもらう必要があります。履歴書や職務経歴書に記入する際は、分かりやすくシンプルに伝わるよう工夫をしましょう。

志望動機に関連して「転職を希望する理由」や「なぜ経験のない異業種への転職を検討しているのか?」という質問が来る可能性が高いので、十分にシミュレーションをしておくと安心です。

経歴の説明では「前職での仕事内容」「起きた課題にどう対応し、どのような成果が出せたか」など分かりやすく具体的に、時にはエピソードを交えて伝えられるとよいです。

意欲の高さを見せることも大事ですが、企業研究をもとに仕事内容や働く環境に適した表現も心がけましょう。

異業界へ転職する際に求められるスキル


転職の際に求められるスキルとしては、企業や個人相手の営業・販売力、一般総務関連の実務などが上位にあがります。

例えば営業職の場合、なるべく早く組織に適応し、行動することや社会人としてのマナー・コミュニケーションスキルは必須です。

サービス業では、接客や店舗マネジメント力などが求められます。交渉・調整・課題の分析力などは業種に関係なく有用です。

IT業界においてはIT・デジタル化の推進スキルを持つDX人材の必要性が増しています。

ただし、昨今は人材不足や高齢化という背景のもと、業界が未経験・無資格でも企業側との相性やタイミング次第では運よく採用されるケースもよくあります。

適性を確かめるためにも、社会人向けのプログラミングスクール等で学びつつ考えてもよいでしょう。

GeeklyReviewではさまざまな実例についても提供しています。ぜひ参考にしてみてください。

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異業界への転職を成功させるために


異業種への転職を実際に成功させるにはどのようなポイントをおさえ、行動すればよいかについて、さらに紹介します。

企業研究

希望する業界や業種について理解したうえで、気になる企業ごとに具体的な仕事内容や業績などを調べます。異業種からの転職者を受け入れているか確認しておくことも大切です。

どのような人物像やスキルが求められているのかがイメージできれば、それらに合わせたアピールを工夫することができます。

手段としてはインターネット検索だけでなく、図書館や書店の雑誌や書籍、デジタルデータを参考にしましょう。

また、詳しい知人に相談することもできます。できるだけ多くの情報を集めたうえで、多角的な企業研究をおすすめします。

転職エージェントを利用する

忙しいなか1人だけで多くの情報を集めて判断するには時間もかかり、容易なことではありません。そんな時には気軽に転職エージェントを利用しましょう。

専門性があり、客観的な目線からアドバイスしてくれるコンサルタントは、転職活動のうえで頼りになる存在です。1人で悩まず、積極的に活用するとよいでしょう。

異業界から転職した人たちの情報を調べてみよう


転職を上手く進めていくために、実際に異業界から転職活動した経験者の体験談を参考にすることは、とても有効です。

活動の進め方や面接でのエピソードや実際に就職してみて感じたことなど、成功・失敗談を知ることができます。

それらを自分の身に置き換え、どういった点に注意するとよいかなど、自身の転職活動に活かせます。

異業界へ転職を成功させるには情報収集が大切


今までと異なる業種へ転職することは、新しい挑戦をして自分の可能性を広げ、自分自身の市場価値を高めるよい機会です。

しかし、経験のない分さまざまな壁を感じることやリスクもあります。情報を吟味し、転職コンサルタントと連携しながら前向きに行動しましょう。

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