転職後のミスマッチを防ぐことは、コツをつかめば容易です。転職後にミスマッチを感じ、こんなはずではなかったと後悔したくない人は多いでしょう。
ミスマッチは誰にでも起こりうることで、そのまま放置すると大きなリスクを抱えてしまいます。そこで今回は、ミスマッチと感じている人の割合・起こる原因・放置するリスク・未然に防ぐコツを詳しく解説します。
転職を検討する際の参考にしてください。
転職後にミスマッチを感じている人は多い
転職した人の中で、転職後にミスマッチを感じている人はどのくらいいるのでしょうか。ある統計によると、転職した4人に1人は「どちらかというと失敗」あるいは「失敗」と回答しています。
その中の54%の人が、「入社前と入社後のギャップがある」あるいは「ギャップが大きすぎて再度転職を検討」と回答しています。「ギャップ」を感じるのは、ミスマッチが原因です。
すなわち転職した4人に1人が失敗し、その半数はミスマッチが原因であると回答しています。ミスマッチは誰にでも起こる可能性があり、その割合は決して低くありません。
転職でミスマッチが起こる原因

転職でミスマッチが起こる原因はさまざまです。転職先の会社に対する入社前と入社後のイメージにギャップが生じると、転職者はミスマッチを感じます。
ミスマッチを感じた転職者は心身の不調をきたしたり、再度転職を考えたりすることにもなりかねません。 ミスマッチが起こる代表的な原因を紹介します。
なんとなく転職してしまった
ミスマッチの原因の1つが「なんとなく転職した」ことです。
自分がやりたいことが分からずなんとなく・友達に誘われたから・よく調べず目に留まったなど、目的を明確にせず安易に転職しています。
自分にしっかり向き合って、なぜ・どうして転職するのかを考えず、「なんとなく転職」したらミスマッチが起きてしまいます。
ミスマッチが起きてから、別の仕事にすればよかったと後悔しても手遅れです。
労働条件が入社前の話と違っていた
労働条件が入社前と違うことも、ミスマッチが起こる原因です。
企業は、採用が確定したら労働条件通知書を提示する義務があります。提示する方法は、面談・メール・紙の文章などです。
労働条件をよく確認せず転職すると、当然の結果として、そののちにミスマッチが起きてしまいます。募集要項や面談時の条件と相違ないか、よく確認しなければなりません。
労働条件通知書に記載されていなくても、疑問があれば質問し入社前に解決しておくことが大事です。
人間関係に馴染めない
人間関係に馴染めないと、ミスマッチの原因になることがしばしばあります。
規模や条件に魅力を感じて転職したが、よそ者を寄せ付けない雰囲気・ドライでクールな人が多いなど、人間関係は予測できない問題です。
さらに、上司とのコミュニケーションがうまくできず、同僚ともフランクに話すことができないというケースもあります。
その結果、転職者は仕事をするモチベーションが上がらず、会社の中で孤立してハラスメントを受けていると感じることがあります。
転職後のミスマッチを放置するリスク
転職後にミスマッチを感じてそのまま放置すると、大きなリスクを抱えることになります。どのようなリスクがあるか具体的に紹介します。
仕事に対して無気力になる
ミスマッチを放置すると、「仕事をしたくなく、なにもやる気がしない」など、無気力になってしまうことがあります。
人間関係が原因になることもあります。上司や同僚とうまくいかず、職場で気を使い過ぎて疲れてしまうなど、人間関係は会社に限らず難しい問題です。
業務量や残業が多くてある限界を超えると、脳や心臓疾患にかかるリスクが高くなります。
なんのために働いているのか、やりがいのない日々を過ごすことで、さらに無気力になってしまいます。
心身の不調で働けなくなることも
ミスマッチが起こると転職者は精神的に追い込まれ、ひどくなると心身の不調から働けなくなることがあります。
転職者は即戦力として採用されるため、上司や先輩からは自力で解決できると思われがちです。 悩みがあっても相談相手がいなく、孤立してしまうケースがあります。
社風に馴染めず、上司や同僚と気軽に会話できずにいると、自分では気づかないまま心身の不調に陥ってしまいます。
心身の不調と感じたら、医師に相談するなど早期対応が必要です。
企業情報は口コミサイトで事前チェックを
転職活動を始めたら最初に、口コミサイトから企業情報を入手して事前チェックすることがおすすめです。
口コミサイトには、企業の在職者や退職者などが生の声を書き込んでいます。 求人広告や企業サイトは、ポジティブな情報ばかりで実態がほとんど分かりません。
口コミにはネガティブな情報も多く含まれ、歯に衣を着せぬ素直な意見が述べられています。
ハラスメントを受けた・残業が多いなどは、求人広告には決して記載されない貴重な情報です。
しかし、中には誹謗中傷するような口コミもあり、冷静に見極めることが大切です。
口コミを確認して実情が把握できたら、入社前後のギャップランキングもチェックしてみましょう。
転職後のミスマッチを防ぐコツ
転職後ミスマッチを防ぐコツを解説します。自分ではミスマッチを防ぐ対策が出来ているつもりでも、抜け漏れがあるかもしれません。
それぞれの項目を改めて確認し、ミスマッチが起こらないようにしましょう。
転職する目的を決める
転職活動の最初に行わなければならないのは、目的を決めることです。報酬をアップしたい・自分のキャリアを生かしたいなど、転職を希望する理由はさまざまです。
しかし、なんとなく・今のポジションに不満・上司が嫌いなどの理由で転職すると、ミスマッチを起こすことになってしまいます。
転職しても、今の会社に対する不満が解消されるわけではありません。転職してどうしたいのか、この機会によく考えることが大事です。
転職の目的を明確にすれば、転職先の会社を選ぶのは容易で、就労条件などに迷いがなくなります。具体的で明確な目的を持つことが大切です。
自己分析する
転職の目的を明確にするために自己分析を行いましょう。自己分析を行うためには、応募書類の「志望動機」と「将来のビジョン」を明確にまとめることをおすすめします。
多くの面接で定番として質問される内容です。なぜ転職するのか・どうしてその業界を選ぶのか・転職して5年後10年後はどうするかなど、自問自答しながらまとめて自己分析してみましょう。
自分で気づかなかったことの発見につながったり、目的がより明確になったりします。自己分析は自分自身の方向性を明らかにしてくれます。
企業研究する
インターネットの普及により、企業の情報はスマホでも収集できます。PCを活用できれば、情報収集はより簡単です。企業情報を提供する媒体は数多くあります。
企業のホームページからは、ビジョン・沿革・事業内容・業績情報などの企業概要が手に入ります。
求人票からは、業務内容・就業場所・就業時刻・残業の有無など労働条件に関するあらゆる情報が入手可能です。
できる限り多くの情報を集めて研究することが、入社後のギャップを最小限に抑え、ミスマッチ防止につながります。
面接で逆質問する
面接は採用するかどうかを判定するためのプロセスですが、転職者が相手企業に直接話せるよい機会です。
面接の最後に、ほとんどの企業が「何か質問はありますか」とたずねます。その機会を有効に活用し、具体的な質問を投げかけてみることをおすすめします。
例えば、社員の1日のスケジュール・終業後の社員の過ごし方など、直接業務に関わらない質問を投げかけてみましょう。
その回答から、社員の生活ぶりが分かり、入社後の自分を想像できれば安心につながります。面接の機会に、ネットで得られなかった内容を聞くことは有益です。
内定後に労働条件を再度確認する
内定確定後は労働条件を確認する最後のチャンスです。内定が出たことを喜び、あいまいのまま入社するとミスマッチの原因になります。
年俸制なら月々の額・業績賞与なら支給実績・完全週休2日は土日祝休みかなど、すべての疑問を解決してください。
あまり細かいことを聞くと嫌がられるのではないかと遠慮して、疑問があるまま入社するとミスマッチにつながります。
企業は内定を決め早く入社して欲しく、どんな質問にも答えようとします。
ミスマッチを防ぐコツがつかめたら、入社前後のギャップランキングもチェックしてみましょう。
もし転職後のミスマッチを感じてしまったときは
もし転職後にミスマッチを感じたら、本当にミスマッチであるか、転職後にありがちな思い込みではないか客観的に確認してください。適当な相手がいれば相談してください。
新しい環境で人間関係を築くのは容易ではありません。 仕事に慣れるには時間が必要です。うまくいかないこととミスマッチとは異なります。その環境に慣れることが必要です。
しかし、一定の時間が経過しても苦痛を感じたり、さらに悪化したりするような場合は一刻も早く医師に相談し必要なら再転職を考える必要があります。
転職後のミスマッチをなくしたいなら企業研究がおすすめ
ミスマッチをなくしたいなら企業研究がおすすめです。企業研究不足はミスマッチの原因です。
インターネットで検索すれば多くの企業情報が収集可能です。容易に情報収集可能な媒体を紹介します。
- ハローワークが提供する求人票
- 新聞雑誌Webなどの求人広告
- 募集企業のホームページ
- 募集企業の採用サイト
これら以外に、帝国データバンクなど信用調査会社が提供する情報、一年に4回発行される会社四季報などもあります。企業研究のための情報は、多すぎて困ることはありません。
転職は人生を左右する一大イベントであり、ミスマッチにならないために企業研究を徹底的に行うことが大切です。
企業研究を念入りにして転職を成功させよう
企業研究をしっかり行えば、ミスマッチを起こす可能性は極めて低くなります。企業研究をすることで、転職目的や自己分析のヒントになる事もあります。
企業研究を念入りに行って転職を成功させましょう。
入社前後のギャップが少ない企業一覧
GeeklyReviewでは以下のような企業で、入社前後のギャップが少ない経験者の生の声を見ることができます。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。