IT企業にとって、商品やサービスの提案・販売を担当する営業は、とても重要な存在です。
この記事では注目したい5つのIT営業の特徴や仕事の内容、その魅力とやりがい、そして気になるIT営業職の年収事情を詳しく解説しています。
IT関連の営業について知りたい時や、現在IT関連のエンジニアで営業にも興味があるという方、相性の良い業種を探りたい場合などにおすすめです。
就職や転職を検討している際には、ぜひ参考にしてみてください。
IT企業には欠かせない営業職
IT業界において、ウェブサイトやシステム開発などのITビジネスの提案・販売をする営業職は欠かせない役割を担います。
商材・サービスの専門知識や、経験にもとづいた質の高い営業スキル、細やかなコミュニケーション力や人間性が求められます。
そのぶん顧客の抱える問題を解決するサポートができ、目に見える変化や達成感を味わうことも多い仕事です。
IT企業の営業職には種類がある
IT企業では技術の進化によって営業にもさまざまな種類があり、仕事の内容や役割、求められる知識・スキルにも特色があります。
やりがいや向いている人物像についても案内していきます。
パッケージ営業
DVDなどのデータ保存用メディアに記録されるシステムやソフトウェアを、パッケージといいます。
開発済みのパッケージ商品をさまざまな法人または企業を相手に提案・販売するのがパッケージ営業です。
IT業界が未経験でも入りやすいことが魅力といえるでしょう。自分からみて役に立つと感じたり、魅力的に感じられる商材を扱う企業に注目するのもおすすめです。
また、ITに関する知識がない場合、経験しながら必要なことを覚えていくのが近道です。
いずれにしても、取り扱う商品についての詳しい知識と分かりやすく説明するスキルは必須になります。自信をもって商品を勧められると、スムーズな営業につながります。
すでに取り引きのある顧客向けのルート営業や、さらなるニーズを引き出し、取り引きの拡大をはかる営業パターンが主流です。
新規の開拓にあたっては、大手企業が相手になることが多いため、質の高い営業法を身につける機会にもなります。
受託開発の営業
開発を行う人材がいないなどの背景がある顧客から、システムの開発と運用を受託するための営業です。エンジニアの人件費も含め、金額の面でも大規模な案件が多いです。
丁寧にニーズを聞き取り、希望に合わせた商品を届けて喜んでもらえると、目に見えてやりがいを感じられます。
一方クラウド化の影響で、少数の大手からの需要はあるものの、減少傾向にあります。安定した受注が難しい時期も予想されるため、仕事を選びすぎないことも必要になるでしょう。
ハードウェア営業
パソコンや通信・サーバー機器を取り扱うハードウェア産業は、SONYや日立製作所といった超大手のメーカーが伝統的に収益を上げ続けています。
中小規模のメーカーも存在しますが、既存製品の卸売りや、受注生産をしていることが多いです。
取り引き先との関係を良好に保とうとするルート営業が主流なため、温厚で万人受けしやすい人柄や、仕事を地道にかつ正確にすすめられるタイプ向きとされます。
SIer営業
基本的には自社製品をもたず、社外の商品・サービスを組み合わせる形での営業です。
顧客への提案・契約から導入・構築・運営までとても多くの業務に関わり、調整やアフターフォローを行います。
競合の存在を意識しつつ条件や価格を交渉する必要があり、経験や知識にもとづいたスマートな立ち回りができるとよいでしょう。
求人を見かける機会が多く、挑戦をしやすいのも特徴です。
ITクラウドサービス営業
Iaas/Paas/Saasといわれる、ソフトウェア開発などのためにエンジニアが利用するクラウドサービスを扱う企業の営業です。
クラウドサービスはアマゾンのAWSやGoogleのGCPなど、大手グローバル企業の独占が進んでいます。
ただし、日本の代理店で販売をしているケースもあるので、選択肢としてはあります。
取り引き先は中小企業・大企業とさまざまです。
また、クラウドサービスを開発・提供できる企業自体の規模が大きいため、全体的に給与の水準が高いことも特徴になります。
IT関連の企業を研究するにあたって、とくに成長性や将来性に着目するのはおすすめです。
Geekly reviewではさまざまな企業の情報を掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
IT企業の営業職の魅力・やりがい
IT企業の営業には、他の営業職と比べても経験や専門性が必要になり、なかなか成果が得られないこともあります。時にはモチベーションを保つ難しさを覚えるかもしれません。
しかし、顧客の抱えている問題に寄り添いながら解決する手伝いができ、目に見える大きな成果を感じられることはメリットといえます。
また、経験の積み重ねや個人の努力に比例して、さまざまなスキルアップが見込めることも大きな魅力でしょう。
達成感がある
依頼をしてくる顧客は、さまざまな悩みを持っていることがほとんどです。
足を運んで十分に聞き取り、課題を見極めたうえで提案すると同時に開発エンジニアとの調整も行うなど、営業としての役割は大変なことも多いです。
ただ、そのぶん無事に希望通りの商品・サービスを届けることができると、目に見える形で良い変化を実感できます。顧客からも感謝され、とても大きな喜びを感じられるでしょう。
また、時には顧客の代弁者としての発言がシステム開発に反映され、結果的によりよいサービスができあがることもあります。
また、普段からチームで協力し合う体制を整えておくことも必要です。連携して課題に対応した先にも、より大きな達成感が待っているでしょう。
高度なITに関する知識や営業スキルが身につく
実際に営業をすることで、失敗も含め経験を通してITに関する知識や営業のスキルが身につきます。
商品について詳しくなれば、自信をもって顧客に勧められるようになるため、成果につながることが期待できます。
IT企業の営業職は厳しい?実際に現場の声をチェックしよう!
魅力的に思えるIT営業ですが、専門的な知識を身につけ、日々移り変わる新しい情報を察知するのは誰にでもできることではないです。
商材やサービスの営業をするうえでは、地道な交渉や準備をすることが多くなります。そして、すぐに報われないことも珍しくありません。
事前に口コミサイトなどで働く社員によるIT営業の実のところを知っておけば、就職後のミスマッチを回避するのにも役立ちます。
IT企業の営業職に向いている人は?
それでは、IT企業の営業職に向いている人物像についてもみていきます。
顧客と小まめに連絡を取り、足を運んで共感・雑談を通してニーズを聞き取れると、営業の機会をつかみやすいです。
専門用語を分かりやすく言いかえるなど、顧客に合わせるかたちで丁寧に伝えられるスキルが必要になります。
また、必須ではないものの、IT関連の資格を習得していたほうが顧客から信用を得やすいです。例えばITパスポートや基本情報処理技術者があげられます。
合格を目標にするのもよいですが、業務に役立つ部分を中心に習得していくのもよいでしょう。
また、大手の企業向けに高度な営業スキルが求められるシーンもあるため、ビジネスマナーに加えて清潔感のあるきちんとした身だしなみが大切です。
営業経験がある
IT関連の企業で営業したことがなくても、他の業界での営業経験があれば、ビジネスマナーや営業力は十分に活かせます。
IT業界は変化が多いため、つねに情報を取りつつ前向きに学び、課題に取り組もうという姿勢が成長機会につながります。
顧客との関係やプロジェクトがうまくいかない時に落ち込みすぎず、モチベーションを維持することも必要です。
基本的に良好なコミュニケーションの取れる人や、親切さ・誠実さなどの人間性を備えた営業向きの人材は、IT業界においても重宝されるでしょう。
プレゼン能力・マネジメント力がある
顧客に商品やサービスを提案する際には、作成した資料やプレゼンテーションをまじえて営業することが多いです。
その際、製品やサービスの魅力が十分に伝わる資料を作成できたり、説得力のあるスキルを活用するといいでしょう。
IT営業では形のない商材を扱うことも多いです。プレゼンでは客観的・具体的に作成された数値やグラフ、過去の成功例や他社との比較などを掲示すると、顧客により伝わりやすくなります。
また、適切な目標を設定し、ITエンジニアと顧客の調整をしつつプロジェクトを進行していくことも重要です。
さらに、きちんと納期を守れるよう管理し、納品後のアフターフォローも行うといったマネジメント力を備えておくとよいです。
プロジェクトに関わるメンバーの能力を引き出し、時にはモチベーションを維持できるようサポートして、よりよい結果につなげる意識を持つようにします。
他の営業職でも求められる能力なので、身につけておくと重宝され、役立ちます。
他業種に関する知識がある
顧客にはさまざまな業種があります。
例えばサービス業・金融業・製造業といった専門性の高い業界の顧客に向けた提案を行うなら、相手の業務についての知識も必要に応じて備えたほうがよいです。
また、取り扱う商材・サービスの営業の際に、競合になることが予想される企業や商品についても知っておくことを勧めます。
自社商品についてのメリットなどを説明する際に、例えば競合の商品と比較をまじえることで、提案に深みや説得力を持たせられます。
IT企業の営業職の気になる年収相場
それでは、IT企業の営業職の気になる収入についてもみていきましょう。
近年の平均値としては460万円から700万円ほどと、営業職全体の平均よりも40万前後高くなっており、金融や不動産業界の営業職を上回ります。
さらに平均値を年代別にみていくと、20代では400万円に届かないものの、30代に入ると500万円を超えます。
営業経験やスキルが備わってくるため実績につながりやすく、企業によってはインセンティブとして収入に上乗せされるケースがあるのです。
実力が認められることで、早い段階でより高い年収を得ている例もあります。採用の際の条件や個人の努力次第では、年収1,000万円も十分に目指せる職種です。
IT企業の営業職の内情を知りたいなら
実際にIT営業として働いているという方々の声を参考にすることで、より詳しい実情を知ることができます。
Geekly reviewではIT関連の企業情報を多数掲載しています。
気になる企業について実際に詳しく知りたいと思ったら、IT企業に特化しているGeeklyReviewの口コミ情報をぜひ参考にしてみてください。
IT企業の営業職は今後ますます重宝される
IT関連の開発を行う企業は、今後ますます営業力に注力していくと考えられています。
顧客と開発・技術部門をつなぐ架け橋のような存在として、豊富な経験と知識を身につけていくことで、より必要とされる人材になることが期待できます。
営業職で活躍できるIT企業一覧
IT関連の営業職を検討する際におすすめしたい企業がこちらです。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
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