情勢に従い、各業界でデジタル化への関心が高まり始めました。

しかし、デジタル化はスムーズに進められていないのが現状です。

企業が行っているビジネスで行われる作業をクラウド上で処理するなど、利便性が高まるシステムが次々と作り出されています。

一方で、従来のアナログ的なやり方から抜け出せない企業体質も問題となっていて、日本ではIT業界の発展がなかなか進んでいないのです。

今回は、日本のIT業界が海外から遅れを取っている理由と、IT業界へ転職するために理解しておきたい実情をご紹介します。

海外と比べて遅れている日本のIT業界


経済産業省は第2回産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の資料では、「デジタル対応が遅れ、産業全体の国際競争力は大きく低下」と記載しています。

ITへの認識不足が業界の成長を停滞させ海外から大きく遅れをとってしまったというのです。

日本のIT業界が海外と比べて大きく遅れをとってしまった理由についてご紹介していきましょう。

日本のIT業界が遅れている理由

日本のIT業界が競争力など海外と比べて遅れをとっている原因は、技術的な問題だけでなく日本社会による影響も関係しています。

企業や官公庁などがデジタル化に関する必要性を感じ取っていなかったことなどが、一因といえるのです。

ここからは、日本のIT業界が遅れをとってしまった原因について詳しくご紹介していきます。

IT・テクノロジーへの理解不足

日本の企業がデジタルを導入する際、業務の効率化を目的に進めてきた背景があります。

ところがデジタルツールを導入してもユーザー側が使いこなせないなど、ITやテクノロジーの理解不足がデジタル化の浸透を妨げてきた可能性があるのです。

本来であればデジタルを導入することで、従来の産業に新たな付加価値が見いだせる可能性があります。

実際に海外では、自動車産業で顕著に成果をあげている現状があるのです。

新産業が創出されるなど海外で目覚ましい発展を遂げる中、ITやテクノロジーの可能性を理解できなかった日本が遅れをとることは当然の結果といえます。

常に人材が不足している

経済産業省は「IT人材需給に関する調査」で日本のIT人材は2030年に最大約79万人不足するという試算を発表しています。

また、第2回産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の事務局説明資料には、「事業会社がデジタル人材の「量」と「質」の「大幅な不足感」を体感」しているとも記載されています。

新たなデジタルツールの開発者や使いこなす人材の数が不足しているだけでなく、技術的にも未熟であるというのです。

海外では新技術を開発し世に送り出しているIT技術者たちが多く存在します。

一方で、日本のIT従事者は産業改革を起こせるような革新的な技術の開発を行えるレベルにまで達していないのが実情なのです。

IT人材が育ちにくい環境である

日本でのデジタル投資は、主に既存のシステムの維持費に充てられてきた経緯があります。

コスト削減や働き方改革などへ投資が集中したため、海外で行われているような製品開発強化やビジネスモデルの変革への投資を行ってきませんでした。

新しいシステム開発を行うためには、資金が必要です。

しかし日本の企業や行政などがデジタル技術の向上のために投資しない風潮が強かったため、IT人材が育ちにくい環境になってしまったのです。

また、日本の産業界におけるIT人材への評価の低さも新たな人材が育たない環境をつくった一因といえます。

システム開発の作業に入ると、どうしても不規則な就業時間になりがちです。

働き方改革が叫ばれる中、労働時間がオーバーしがちなIT業界へのイメージはネガティブなものとして広がってしまった背景があります。

IT業界で働くメリットとは


競争力という面で海外のレベルには追いつけない厳しい状況が続くIT業界ですが、働き手にとってメリットもたくさんある業界ではあります。

ここからは、IT業界で働くメリットをご紹介していきましょう。

さまざまな業務に携われる

IT業界の職種は主に「インターネット・WEB」「ソフトウェア」「ハードウェア」「情報処理サービス」の4つの分野に分けることができます。

いずれの分野もさまざまな業界とかかわる可能性があるので、多種多様な業務に携われることがメリットです。

システム開発を行うにしてもチームで進めることが多く、時には他社と連携して行うこともあります。

その都度さまざまな業界の事情やニーズを調べて適応していく必要がありますが、新たな分野と関わりが持てる珍しい業界といえるでしょう。

働き方が選べる

プログラミングの作業など、IT業界の職種の多くは働く場所を選びません。

Wifi環境が整っている場所であれば、自宅はもちろんのことカフェなどでも仕事ができるためわざわざ出社する必要がないのです。

さらにIT業界の職種の多くは技術職であるため、フリーランスとして活動することも可能です。

派遣エンジニアとしてさまざまな企業の案件に携わることも可能なので、一定の技術レベルを修得すれば働き方が選べる職種といえます。

年収を上げることが可能


IT業界は各分野から必要とされているため、仕事が非常に多い業種です。

さらに慢性的な人材不足ということもあり、確かな腕を持つ技術者は高い給与を出してでも確保したいと考える企業が多いのです。

技術力を向上させることで人材の付加価値が高まりますから、年収をあげることはほかの業種に比べて簡単であるといえるでしょう。

IT業界の実情は口コミサイトでわかる


IT業界は給与が高いというイメージを持つ人は少なくありません。

しかしIT企業に勤めている社員の口コミを見てみると、必ずしも良い面だけではないのが実情です。

企業によってはブラックな働き方を強要されたり常に納期に追われ緊張を強いられたり、楽な仕事内容ではない場合もあります。

IT業界で働く前に、口コミ情報でどの企業の働き方とマッチするのか参考にするとよいでしょう。

GeeklyReviewでは、人気の高いIT企業の口コミが閲覧でき、IT企業の実情などを知ることができます。

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今後需要が高まるIT業界の分野


IT市場の急速な拡大によって、IT業界の需要は非常に高まっています。

今後各方面から注目を集めている分野についてリサーチしておくと、IT業界の動向を把握することができます。

また、ITの現場で働いている社員などの口コミ情報も、実情を知るために有効なツールです。

IoT

IoTとは家電や自動車などのあらゆるモノがインターネットにつながるシステムのことで、遠隔操作を可能にした画期的な仕組みです。

IoTは自動車・医療・農業・製造などといった幅広い業界で活用されており、今後も市場の拡大が見込まれています。

日常生活を変える最新の技術が生まれるかもしれないという期待値も高く、社会的課題の解決策としても注目されています。

AI・ロボット


IoTと同様、自動車や家電など身近な生活に影響を与える分野にAIやロボットのシステムが導入されています。

物流業界などの産業用ロボットからペットロボットまで、さまざまな用途での開発が進められているのです。

地方が抱える課題の解決など社会貢献度も高い分野ということもあり、注目されている分野といえます。

AIの分野とロボットの分野が連携し、AIを搭載したロボットの開発も行われ始めています。

険しい山場を歩きながら物資を運ぶロボットも、AIが搭載されているタイプもあるほどです。

生活の質を高める一助となっているAIとロボット開発は、身近にテクノロジーの進化を感じ取ることができる期待値の高い分野のひとつです。

クラウド

コロナパンデミック以降、働き方がガラリと変わりビジネスシーンにおいてクラウドの活用が活発化してきました。

社員がバラバラの場所にいても、クラウド上でプロジェクトの進行状況などを共有できるシステムは、企業が導入を進めている分野です。

今後さらに活用する企業などが増えることが見込まれるため、拡大市場といえるでしょう。

セキュリティ

デジタル化・DX化を進めるにあたり必要不可欠な分野がセキュリティです。

インターネット上での情報管理の機密性を高めることが、デジタル化の拡大と比例して重要視されています。

ウイルス対策はいたちごっこで、既存のウイルスを対策するとすぐさま新たなウイルスが脅威となるのが実情です。

情報管理能力は企業の信頼にもつながりますから、セキュリティ分野は今後も注目され続ける分野です。

GeeklyReviewでは、注目のIT分野の口コミも閲覧でき、IT市場の動向も把握できます。

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IT業界に向いている人はどんな人?


さまざまな業界で必要とされているIT業界ですが、この業界で働くにあたって必要になる素質があります。

IT業界に向いている人の特徴をまとめていきましょう。

コミュニケーションスキルが長けている


IT業界では専門的な技術が必要とされる分野ですが、黙々と作業するだけでなくクライアントと打ち合わせを行い正確にニーズを汲み取らなければなりません。

そこで必要になってくるのがコミュニケーションスキルです。

システム開発において、クライアントの意向を理解したり信頼を得るためにはコミュニケーションスキルは必須です。

さらに、提案力や交渉力も必要になります。

技術的にこのラインまでは可能であるという提案を説得しなければならない場面も多く出てくるのがIT業界での仕事です。

クライアントも納得のいく成果物に仕上げるために必要不可欠なスキルと考えてよいでしょう。

好奇心・チャレンジ精神旺盛

企業などがIT分野に期待することは、産業の改革新しい産業の創出です。

既存のシステムの更新よりも、全く新しいシステム開発を期待しているのです。

新しい産業の創出を担うためには、最先端技術の習得や知識を増やす向上心や好奇心が必要です。

また、全く新しいものを生み出すチャレンジ精神も求められます。

いままで存在しなかったシステムを新たに構築することは、精神的にもある程度タフでないと成し遂げられません。

失敗しても再チャレンジできるメンタルの持ち主は、IT業界でさまざまな経験ができ仕事を楽しめるはずです。

IT業界を詳しく知りたいなら企業の口コミをチェックしよう


IT業界はさまざまな分野での業務が可能です。

IoTやAIなどどの分野が自分と相性が良いのか、実際にIT業界で働く社員の口コミは参考になります。

業務内容から働く時間まで、リアルな実情を把握できるのです。

どの業界との仕事に興味が抱けるかといった、分野の絞り込みにも口コミ情報は有効です。

IT業界はさまざまな可能性を秘めている


産業から生活まで、幅広い分野で導入されているITは今後も拡大市場と見込まれています。

これまでのように既存のシステム管理などから、新たな産業創出を担うクリエイティブな要素が強まってきました。

多種多様な分野で必要とされているにもかかわらず慢性的な人材不足という背景から、給与面で他業種と比べて高額です。

新しいものを生み出すことに仕事のモチベーションを見出せる人にとっては、魅力的な業界といえるでしょう。

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