転職・結婚など様々な理由により退職を考える人は多いです。しかし、スムーズな退職を行うためには具体的な期間を定めるなど、準備が必要となります。

その準備段階の1つが退職理由です。退職する際には、会社になぜ退職するのかを伝えなければなりません。

この退職理由をどう伝えるべきなのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。本記事では、退職を決意した人が行うべき準備と押さえておくべきポイントをご紹介します。

退職届と退職願いの違い


労働者が会社に退職を申し出る方法は2種類あることをご存じでしょうか。退職届退職願の2つです。

どちらも退職を伝えるものなので、一見するとどちらも同じように感じますが、退職届と退職願とでは全く意味が異なります。

その違いは、会社に却下される可能性があるかどうかです。退職願は会社に退職を願い出るための書類であり、会社が認めず却下する可能性があります。

一方、退職願の場合は、会社に自分の退職を通告する書類です。そのため、会社の可否は関係ないこととなります。

法律的には、雇用期間に定めのない正社員は、退職届を提出後2週間経過で契約終了が認められます。

つまり、法律の権利だけを考えれば退職届を提出するだけで退職は可能です。しかし、一方的な通告となると会社とのトラブルに発展する危険もあります。

このようなリスクを侵さず円満な退職を望むのであれば、退職願を提出し伝えることも検討するべきでしょう。

退職を伝えるまでの流れ


退職を伝えたいと考えても、会社に伝える前には手順を確認すべきです。

手順を間違えては、スムーズな退職を行えない場合があるので退職を伝えるまでの流れを把握しておきましょう。手順は次の項目を参考にしてください。

  • 就業規則の確認
  • 直属の上司へ退職の意思を伝える

まず、最初にすべきことは退職を決意した段階で早めに会社の就業規則を確認することです。

就業規則には基本的に退職申告日の期限・退職金に関する制度・有給休暇の計算方法が記されています。

これらの情報によっては、希望する退職時期に影響する場合もあるのでしっかりと確認しましょう。

また、競合会社への転職や同業となる会社設立を禁止する情報が記されているケースもあります。

退職後にトラブルの原因となる可能性もあるため、どのような規則があるのか確認しましょう。

就業規則の確認ができたら、直属の上司へ退職の意思を伝えます。直接伝えにくいと感じる人もいるかもしれませんが、きちんと伝えることが必要です。

上司へ伝える際には、以下の要点を押さえて伝えて確認もとっておきましょう。

  • 希望退職時期
  • 誰を後任におくのか
  • 引継ぎ開始の時期と内容
  • 有給休暇消化の希望について

すぐに返答してもらえる内容ではないかもしれませんが、その場合はいつごろまでに返答がもらえるのかを聞いておき、必ず教えてもらえるようにしておきましょう。

退職を伝える際に重要なこと


退職を伝えるまでには必要な手順を踏むだけでなく、その他にも重要なことがあります。それは伝える時期退職理由についてです。

ここでは、退職を伝える際に重要な、伝える時期や理由について解説します。

■退職日の1~3ヶ月前に伝える

退職意思を伝える時期は、1〜3ヶ月前に伝えるようにしましょう。先述したように、法律的には退職の2週間前までに伝えるといった内容がありました。

しかし、退職には引継ぎや新たな人材を確保しなければならないケースもあります。

また、就業規則に退職の申告日について定めているケースもあるでしょう。その可能性を考慮すると、1〜3ヶ月前には伝えた方が安心です。

■理由は個人都合にする


退職理由には、大きく分けると会社都合個人都合があります。その中でも、今回の退職理由は個人都合にしましょう。

結婚や転職といった、自分の都合の関係で退職を希望するので個人都合となります。「一身上の都合により」などの言葉を聞くケースは多いですが、これは個人都合のことです。

退職理由を会社都合とした場合、会社に悪印象を与えてトラブルを招く可能性があります。退職を伝えてもある程度の期間は会社にいなければなりません。

無用なトラブルに発展しないためにも、退職は個人都合で伝えましょう。

ケース別の退職の伝え方【例文付き】


退職を伝える際には伝え方も重要です。退職には転職や結婚など、色々な理由によるものが考えられます。

ここでは、それらケース別の退職の伝え方を解説するので、今後会社に伝える際の参考にしてください。

■転職による退職

別の業界に挑戦したい・さらなるキャリアアップを図りたいなどの転職を理由に退職を申し出る場合には、今の仕事で夢を叶えられないのでやむを得ない転職であることを伝えることがポイントです。

以下の例文を参考にしてください。

「現在の職場では、数字を追いかけることの大切さを営業を通して学びましたが、これからは製品開発の技術を身に着けられる仕事に携わりたいと考え、退職を決意しました。」

■結婚による退職


結婚による退職を伝える場合は、伝える手順が重要です。先に退職を伝えると会社への誠意が感じられない場合もあります。

そのためまずは結婚の報告を行い、それに伴って退職を希望するというように順序だてて伝えるようにしましょう。

以下の例文を参考にしてください。「結婚し、それに伴って出産や育児に専念したいため退職させていただきたいと考えております。」

退職理由は「一身上の都合」でも問題はありませんが、結婚は手順を間違えなければきちんと気持ちを伝えた方が、理解を得やすい傾向のようです。

■責任のある立場の退職

責任のある立場についている中で、転職を決意したのであれば、まずはその立場を辞めることの謝罪を入れて退職の意向を伝えましょう。

責任ある立場の人が変わることは、会社にとって少なからず影響を及ぼします。場合によっては、プロジェクトの進行を遅らせる可能性も生じるでしょう。

そのことを踏まえて謝罪の気持ちを伝え、自分が抜けたことに対しての具体的な対策についても合わせて退職を伝えましょう。

具体的には、以下の例文を参考にしてください。

「重要な仕事と立場を任せて頂いている中、大変申し訳ありませんが退職を考えております。担当中の業務については、…さんに後任をお願いしたいと考えております。引き継ぎ書もすでに作成しております。」

退職時に伝えるべきでないこと


退職の伝え方をケース別にご紹介しましたが、退職時に伝えるべきではないこともあることをご存じでしょうか。

間違って伝えてしまうと会社へ悪印象を持たれたり、退職自体に影響を及ぼす可能性もあるため、伝えるべきではない内容を把握しましょう。

■会社の不満・批判

伝えるべきではない内容の1つ目が会社の不満・批判です。給料面での不満や残業が多いなどの会社への批判は伝えるべきではありません。

これは、不満を聞いた上司や会社もいい気はしないためです。退職の意思を伝えた後も、しばらくは会社に出社しなければなりません。

不満・批判の内容が会社の人たちに伝わる可能性もあり、険悪な雰囲気になっては過ごしにくくなってしまいます。

また、給料面の不満を伝えてしまうと、会社から引き止められる可能性も高いです。

不満点を解消するから残ってほしいと退職を止められるケースも考えられるため、希望時期に退職できないことも考えられます。

■人間関係の問題


2つ目に人間関係の問題も伝えるべきではない内容です。退職時に人間関係を伝えてしまうと、会社から引き止められるケースがあります。

どこの会社にいっても人間関係で合わない人はいるものだというように、会社から説得されることも考えられるでしょう。

また、場合によっては部署移動などを打診されて退職を断念せざるを得ない状況になるかもしれません。

退職を断念するだけならまだよいですが、退職希望を出した人物として移動後の評価に関わる可能性もあります。

円満に退職するためにも、人間関係の問題は伝えないようにしましょう。

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退職が決まったらどうする?


退職意思を伝えて、退職が本格的に決まったら次に行うことがあります。各所に伝え引継ぎを行うことです。

退職までの間に必要な準備であり、怠ると会社にも多大な迷惑をかけることになるので、きちんと把握しておきましょう。

■同僚・取引先に伝える

退職が決まったら同僚や取引先に伝えることを忘れてはいけません。

上司と相談の上、伝える時期や伝え方は決めなければなりませんが、少しでもかかわったことのある取引先を踏まえて伝えましょう。

同僚には口頭でも問題ないでしょう。しかし、取引先には直接伝える方法やメールや書状で伝える方法があるので、会社と相談して決める必要があります。

場合によっては、後任を連れて直接訪問することも視野に入れる必要があるでしょう。

特に取引先に伝えることを怠れば、今後会社の信用を落とし迷惑をかける可能性があります。

そうなれば、退職後にトラブルに発展する可能性もあるのでしっかりと押さえておきましょう。

■退職までの引き継ぎ


引き継ぎも怠ってはいけません。退職日から逆算して、上司との相談のうえ何をいつ頃引き継ぐのかを決めて行いましょう。

引き継ぐ内容や重要度は職種によって様々です。内容によっては後任を決めるまでに時間を要することも考えられるので、相談は綿密に行いましょう。

また、引き継ぎに際しては書面に残すことも必要です。説明を行って引き継ぎは行いますが、必ずしも完全に理解できているとは限りません。

引き継ぎに不備があるために、退職後に仕事の連絡がかかってくることも考えられます。そうならないためにも、誰が見てもわかるよう書面で残すことが重要です。

退職するために知っておきたいこと


退職するためには、退職後に関係する情報も事前に知っておく必要があります。

ここでは、退職するために知っておきたいことをご説明するので、退職後の手続き内容の参考にして下さい。

■次の就職までの日数で退職後の手続きが異なる

退職後の手続きには住民税年金の変更などがあります。これらの手続きは、次の就職までの日数によって異なるので注意が必要です。

住民税は会社に勤めている間は給与天引きされています。そのため、退職日から1ヶ月程度で次の就職ができるのであれば、手続きは必要ありません。

1ヶ月以上期間が開くのであれば、手続きが必要となります。また、年金についても退職後は自分で完全に支払わなければなりません。

退職日翌日から14日以内に国民年金に切り替えるか配偶者の扶養に入るかの手続きが必要となります。

■各種保険の申請・手続き

雇用保険健康保険の申請・手続きも必要です。雇用保険の申請は、失業給付金を受け取るために行います。

離職票が届き次第すぐに行いましょう。特に、自己都合を理由にした退職の場合、申請から受給まで最短でも3ヶ月程度かかるので注意が必要です。

次に健康保険の手続きですが、任意継続を行うか国民健康保険に切り替えるかで異なります。

任意継続の場合は退職の翌日から20日以内・国民健康保険の場合は退職の翌日から14日以内に手続きを行わなければなりません。

各種手続きは期限内に行わなければならないため大変ですが、退職後スムーズに手続きするために事前にしっかりと把握しておきましょう。

また、手続き以外に他社の待遇についても事前に知っておきたいことの1つです。

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退職理由をどのように伝えるか、そして退職の準備ついて詳しく解説しました。

退職の伝え方や、どのように準備を行えばいいのか把握できたのではないでしょうか。

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