ロボットエンジニアの需要が高くなっており、転職を検討したり興味を持ったりする人が急速に増えています。
AIやIT技術の発達によりロボットの実用化が進んでおり、私たちの生活において非常に身近な存在となってきました。
それに伴ってロボットエンジニアの需要が高くなっていますが、仕事内容や年収を理解している人は多くありません。
ここではロボットエンジニアの仕事内容や、転職市場における人気の理由・平均年収について紹介します。
ロボットエンジニアとは
ロボットエンジニアとは文字どおりロボットを設計・開発するエンジニアであり、年々注目度がアップしている職業です。
ロボットといえばアニメや漫画の世界のことだと思われがちでしたが、AIの発達により実用化が進んでいます。
実際に介護ロボットや医療ロボットなどは、それぞれの現場ではなくてはならない存在であり、今後さらにその需要は拡大するでしょう。
また、実用化が進むにあたってロボット開発に携わる技術者の需要も伸びており、転職先としても狙い目だといえます。
ロボットエンジニアの人気が高い理由
ロボットエンジニアは転職市場においても注目を集めており、実際に成功している人も少なくありません。
しかし、だれでも成功するわけではありません。まずは、ロボットエンジニアの人気が高い理由を把握しておくことが大切です。
ここではロボットエンジニアが、転職市場で人気が高い理由を具体的に紹介します。しっかりと把握しておきましょう。
ロボット業界の将来性が高い
ロボット技術はさまざまな分野に導入されており、今後さらに拡大されることが確実視されています。
産業用ロボットや医療用ロボットなどは既に実用化されていますが、その技術は日進月歩のスピードで進化しているのが実態です。
新たな分野での開発・設計に加えて、既に導入されている分野でもさらに進化したロボットの開発・設計が進んでいます。
導入後は管理・整備などの仕事もあることから、ロボットエンジニアは非常に広範囲な分野で将来性の高い職種です。
比較的高い年収を得られる
ロボット業界は非常に将来性の高い業界ですが、さまざまな業界で実用化されるようになったのは比較的最近です。
そのため、ロボット業界では優秀な人材が不足しているのが実態であり、人材の育成が喫緊の課題だといえます。
言い換えれば、ロボット業界において優秀な人材は希少性が極めて高いことから、ロボットエンジニアの年収が高くなるのは必然です。
ただし、高い技術力や経験を有していることが前提であり、ロボットエンジニアとしての実績を積み上げることが不可欠となります。
ロボットエンジニアの平均年収
大卒新規採用の初任給は概ね40万円となり、日本の平均年収・初任給と比較すると高いといえるでしょう。
給料分布では400万円〜460万円あたりが多い傾向にありますが、求人では400万円〜1,000万円と差が大きいのが特徴だといえます。
地域別で比較すると関東の約500万円がトップで次いで近畿約420万円となり、その他の地域は約440万円です。
ロボットエンジニアは就職する地域や入社する企業、さらには実績やスキルによって大きく年収が変わることがわかります。
なお、派遣社員の平均時給は約1,800円であり、給与水準は正社員と同様に高いのが特徴です。
ロボットエンジニアの主な仕事内容
ロボットエンジニアは将来性が高く高水準の給与が期待できるため、転職市場においても注目を集めています。
しかし、その仕事内容はあまり知られていません。転職を成功させるためには仕事内容の把握は不可欠です。
ここでは、ロボットエンジニアの仕事内容を紹介します。どういった仕事をしているのか、しっかりと理解しておきましょう。
ロボットの開発・設計
ロボットエンジニアの仕事は文字どおりロボットの開発・設計ですが、主に次の3つの専門分野に分類されます。
- ロボットの「センサー」部分の開発
- 設計/ロボットの「知能・制御」部分の開発
- 設計/ロボットの「駆動」部分の開発・設計
「センサー」とは、人間に例えると「目・耳などの感覚器官」にあたり、ロボットが動作を始める起点となる部分です。
センサー部分が反応しなければ、いくら優秀な機能を備えていても十分に性能を発揮することはできません。
「知能・制御」とはセンサーで感知した情報をどのように「駆動」させるかを判断する部分です。
知能・制御部分はAIの技術が使われることが多く、その精度が高くなれば数多くの複雑な動きを再現することが可能となります。
「駆動」とはロボットの動きの部分であり、人間では実現できない高度で正確な動きが求められる部分です。
ロボットの管理・整備
ロボットは非常に精密なメカニックが複雑に組み合わされて完成するものであり、完成後の管理・整備も重要です。
ロボットが完成した後は実証実験を行い、「設計通りに駆動するか」「目的を果たせる機能が発揮できているか」を確認します。
いくら綿密に設計・開発・実証実験を行っても、実際に現場に導入すると修正が必要になることも少なくありません。
定期的なメンテナンスに加え、トラブルが発生した場合には早急な対応が必要であり、それに応えるのがロボットエンジニアです。
ロボットエンジニアはこんな人に向いている
ロボットエンジニアの職種は誰にでも向いているものではありません。向き・不向きがあるのが事実だといえます。
ロボットエンジニアへの転職を本気で検討するなら、まずは自分自身が向いているのかを確認しておくことが大切です。
ここではロボットエンジニアに向いている人の適性を紹介します。自身の適性がロボットエンジニアにマッチしているか確認してみましょう。
地道な作業が得意な人
活躍するロボットエンジニアに共通するのが、地道な作業が得意もしくは苦にしない適性を持ち合わせている点です。
ロボットエンジニアといえば、最先端の技術を駆使する華やかな職種だといったイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、コツコツとプログラミングを行い、実証実験ではトライアンドエラーの連続であることから忍耐強さが求められます。
つまり、ロボットエンジニアに向いている人は地道な作業を得意とし、何度失敗しても挑戦し続ける精神力の強さも不可欠です。
協調性のある人
ロボットエンジニアとして活躍するには協調性を持つことが不可欠であり、他者とのコミュニケーションが大切です。
1体のロボットを完成させるには、多くのエンジニアやスタッフが自分の役割をまっとうします。
大規模なプロジェクトになれば「センサー」「知能・制御」「駆動」のそれぞれの設計・開発にも多くのエンジニアが必要です。
このとき、自分勝手な行動や自分の考えを押し付けるようでは、プロジェクトは成り立ちません。
相手の立場を尊重できる、協調性のある人こそロボットエンジニアには向いている人だといえます。
ロボットが好きな人
ロボットエンジニアとして活躍するには、何よりロボットが好きであることが不可欠です。
ロボット開発は決して簡単なものではなく、何度もトライアンドエラーを繰り返すことも珍しくはありません。
プロジェクトによっては数年かかるものもあり、気の遠くなるような作業の連続です。
高いモチベーションを維持して作業を進めるには相当な覚悟と精神力が必要ですが、それだけでは長続きしません。
あらゆる困難を乗り越えて1体のロボットを感性させるには、何より「ロボットが好きだ」という情熱が大切だといえます。
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ロボットエンジニアに必要なスキルと知識
ロボットエンジニアは非常に高度なスキル・知識を必要とする職種です。しかし、具体的に必要なスキル・知識はあまり知られていません。
ロボットエンジニアに興味があるなら、どういったスキル・知識が求められるのかを把握しておくことが不可欠です。
ここでは、ロボットエンジニアに必要なスキル・知識について解説します。自身の現状と見比べてみましょう。
プログラミングスキル
あらゆるエンジニアに必要とされるのがプログラミングスキルであり、ロボットエンジニアも例外ではありません。
ロボットエンジニアの現場ではC言語(またはC++言語)を中心に、さまざまな言語に関するスキルが必要です。
数多くのプログラム言語をマスターしておくと転職の幅も広がるでしょう。
機械工学の知識
あらゆるロボットエンジニアの基礎知識として、求められるのが機械工学の知識です。
特にロボットの駆動部分の設計をする上では非常に重要であり、以下の「機械工学の4大力学」は必須の知識となります。
- 機械力学:機械の駆動に関する力学
- 流体力学:流体の運動に関する力学
- 熱力学:熱エネルギーの変換・変化に関する力学
- 材料力学:機械・構造物の各パーツに関する力学
機械工学はロボットの動作や耐久度に関わる大切な知識であり、しっかりと学んでおくことが大切です。
電気工学の知識
ロボット開発・設計において、センサー部分は非常に大切ですが、ここで必要となるのが電気工学の知識になります。
ロボットのセンサー部分にはセンサー・モーターなど、稼働時の基盤となる部品を搭載しますが、電気工学の知識が必須です。
さらに、電気工学は「電気」「磁気」について学びますが、「電気」「電子」の性質や流れについて学ぶ電子工学も必要となります。
ロボットエンジニアとして働いている人の声を聞いてみよう
ロボットエンジニアの仕事に対して興味をお持ちなら、現場で働く人々の声を聞いてみましょう。
ロボットエンジニアになるには、その仕事内容や必要とされるスキル・知識を正確に把握・理解しておくことが大切です。
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企業一覧にはロボットエンジニアとして働く人々の声を見ることができます。ぜひ参考にしてください。
ロボットエンジニアは将来性のある職種
ロボットエンジニアは専門的なスキル・知識が求められる職種であるため、ハードルが高いと考える人も少なくありません。
しかし、情熱を忘れずに努力さえ惜しまなければ、ロボットエンジニアになることは十分に可能です。
とりわけ「機械工学」「電気工学」に関する高いスキルや豊富な経験があれば、採用の幅は大きく広がるでしょう。
また、以下の資格を取得していると、ロボットエンジニアになるにはとても有利です。
- 機械設計技術者試験
- 電気主任技術者試験
- 情報処理技術者試験
- CAD利用技術者試験
さらに、プロジェクトのマネジメント経験などもロボットエンジニアへの転職には有利とされるスキル・経験になります。
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ロボットエンジニアが活躍している企業一覧
ロボットエンジニアが活躍している以下の企業の口コミ・採用情報をチェックしてみましょう。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
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