SaaSという単語になじみがあまりないかもしれませんが、SaaSとは「Software as a Service」の略語です。

使いたい機能を使いたい分だけサービスとして提供するソフトウェアのことをいいますが、クラウドサービスと言い換えた方がわかる人もいるのではないでしょうか。

SaaS業界の人気は年々高まっており、転職先として選択肢に入ってくるケースが多くなってきています。

ここではSaaS業界の転職事情と業界の魅力や重宝されるスキルについて説明していきますので、SaaS業界が気になっている場合の参考にしてください。

転職先として人気のSaaS業界


SaaS業界が転職先として人気の理由は、将来の見通しが明るいということが挙げられます。

業界自体が安定しており、今後も成長を続けていけると考えられていることや給与も伸びやすいことから、先の見通しが立つ業界といわれています。

SaaS企業では、完全分業制システムをとっているところが多く、インサイドセールスやフィールドセールス・マーケティングなどさまざまな経験を積むことができます。

これらの業務を経験することにより、経営視点から物事を見る力がつき、他の業界よりいち早く経営者的感覚を身につけられるのが大きな特徴です。

SaaS業界が転職先として人気の理由は、以上のことが挙げられるのです。

SaaS業界の魅力


SaaS業界の注目がなぜ高まっているのかを探っていきます。魅力がなければ転職先の選択肢に入るわけがなく、人気が高まることもありません。

どの業界にも人気が出るには何らかの理由があります。

SaaS業界が持っている魅力は何なのかを確認してください。

顧客と長い付き合いが期待できる

どの業界も顧客をどれだけ大切にできるかが課題であり、それはSaaS業界にもいえることです。

モノを売ったら終わりという業種もありますが、SaaS業界はモノを売ってからが勝負となります。

継続課金型で1番避けなければならないことは顧客の減少であり、それは収益の減少に直結します。逆をいえば、顧客が減らなければ安定した収益を得られるのです。

ここで大事なのは、顧客が求めるニーズに応え続けることです。これができれば顧客との信頼関係が深くなり、長い付き合いが期待できます。

収益が安定している

SaaSの一般的な料金体系は、サブスクリプションという継続利用を前提とした継続課金スタイルです。

継続課金型は新規営業の成績がこれまでのストックにプラスされるので、1ヶ月の売り上げが0という状況は少なく、安定した収益を得ることができます。

多くのビジネスは新規営業成績のみの収益であり、ストックがプラスされるケースは少ないため、収益の面で大きな差が出ることとなります。

継続課金型でより高い収益を得るには、新規営業だけではなく解約件数を1件でも減らすことが大切です。

SaaS業界の主な職種


SaaS業界の主な職種は、マーケティング部門・エンジニア部門・管理部門・営業部門に分かれます。

ここでは、この4つの職種についてどのような業務をこなすのかを説明していきます。

SaaS業界について興味がある場合は、ぜひ参考にしてください。

マーケター

マーケターの役割は市場の動向分析を行い、自社製品を販売するためのターゲットを決めることです。

販売するための戦略を練ることにより、購入につながるような流れを作ります

購入につながるマーケティング戦略の立案の他には、見込み客の獲得や自社メディアの運営などもマーケターの業務です。

顧客が製品などを購入するまでの流れを考え、ターゲットの選定・どのタイミングでどこに広告を出すかなど、数字の分析をした上で戦略的に実行していきます。

エンジニア

エンジニアの業務は、システムの提案や開発・不具合修正・新機能の追加など機能面で幅広く業務を担当します。

システムエンジニアやフロントエンドエンジニア・テストエンジニアなど行う作業で細分化されているので、職種によって担当する分野は変わります

IT業界は技術の進化を続けており、自分のスキルを常にアップデートしなければなりません。

エンジニア自体の人手不足という背景もあり、キャリアアップを狙うならおすすめの職種といえます。

営業職


営業の目的は、新規顧客の獲得や既存顧客の解約を防ぎ、収益を底上げすることが目的です。

会社の利益を上げるためには顧客や販売店はもちろん、社内コミュニケーションを密に行う必要があるので、コミュニケーションのスキルや折衝力が大切となります。

インサイドセールスを行ってからフィールドセールスを行うというのが一般的な営業の流れとなります。

インサイドセールスは、見込み客へのメールやWeb会議などで自社製品やサービスを提案するため、コストをかけることなくコンタクトをとれる有効な営業方法です。

一方フィールドセールスは、見込み客のもとへ訪問した上で対面により製品などの説明を行う営業方法です。

従来、インサイドセールスでコミュニケーションをとってからフィールドセールスによってクローズまでつなげていく方法が一般的でした。

しかしインサイドセールスからの流れで契約まで進めるやり方をとるSaaS企業が増えてきており、企業によって営業のやり方が異なる可能性が高いです。

事務・経理

会社運営に必要な業務を幅広くこなすことが求められ、仕事量は多くなる傾向にあります。

一般事務であればデータ入力や書類整理、経理事務は会社のお金の流れをチェックします。

入金管理や伝票の仕訳処理・帳簿作成・経費精算など、お金が絡む業務ですので、几帳面な性格の人に向いている仕事です。

事務関係の業務は、残業になることもありスピードが要求される場面もあるため、パソコンスキルはある程度必要となってきます。

GeeklyReviewでは、SaaS業界の業務内容をチェックすることができます。口コミを1度見てみてください。

SaaS業界の企業を探す

SaaS業界で重宝されるスキル


SaaS業界で大事なのは、顧客を減らさないことです。

どの業界でも顧客を減らさない心がけは大切ですが、SaaS業界においては、継続利用してもらえるかどうかが利益に直結するため特に重要です。

結果を出し続けるためには、どのようなスキルが重宝されるのかを説明していきます。

顧客との関係を長期的に続けるということを念頭に置きながら、説明を見てもらえるとより理解が膨らみます。

問題解決能力

問題解決能力はSaaS企業だけに限らず、どのような企業に転職するとしても必要であり重要度の高いスキルです。

SaaS業界は、顧客の不満が会社の利益にダイレクトに結びつきます。

フィードバックを受けやすい業界であるがゆえ、成功と失敗の差が極端に広がります。

万が一問題が発生した場合は、なぜ問題が起きたのかを考えるとともに解決するにはどうしたら良いのかを考えなければなりません。

それができなければ利益を上げ続けることが難しいので、問題解決能力は必須能力であるといえます。

データ分析力

SaaS業界は、サブスクリプション形式で利益を上げていくという特殊な形態であり、顧客との関係を長期間良好に保つ必要があります。

良好な関係を続けるには、データ分析力が大切です。

顧客にとって良かった機能・評価の低かった機能・顧客が求めているものは何か、などデータをとりながらサービスの向上を図りつづけなければなりません。

「解約」という事態を避けるためには、地道にデータ分析を続ける力が必要です。

SaaS業界は未経験・異業種からの転職も可能


SaaS業界は、将来が有望である面から転職先として選ばれることが多い業界です。

営業をみてみると、インサイドセールスとフィールドセールスに分かれるため、どちらかの経験があれば活躍の場を得る可能性があります。

エンジニアもシステムエンジニアやテストエンジニアなどいくつも職種があるので、その分野での経験があれば活躍することができます。

前職が異業種の場合でも、SaaS業界で活かすことができる経験があれば、転職が叶う可能性が高まるのです。

スキルはあるものの業界が未経験の場合は、募集している企業の状況によって変わります。

業界が未経験でも、SaaS業界に通ずる経験をしている人を優先することも多いので、やはり職種経験者が有利であると言わざるをえない状況です。

しかし成長中の業界ですので人手が足りない現実もあることから、この業界で活躍したいというしっかりした意欲を持っていれば、SaaS業界で活躍するチャンスはあります。

SaaS業界に向いている人


SaaS業界の業務は完全分業制が多く、それぞれの部署とコミュニケーションをとりながら進めて行きます。

成長を続けている業界であるがゆえ、競合他社との競争が激化している世界です。このような業界で働くにはスキルが必要となります。

しかし、顧客ありきの業界ですので、スキルがあるだけでは業務の幅はなかなか広げることができません。

そこで、SaaS業界に向いている人はどのような人なのかを説明していきます。

下記2つは、自分自身のことと顧客のことです。共通していることは「人」についてです。

当てはまる可能性がある場合は、SaaS業界で活躍できる可能性が高いといえます。

顧客のニーズを見つけることが上手い人

SaaS業界で大事なのは、顧客にサービスや製品を使い続けてもらうことです。使い続けてもらうためには、顧客のニーズを反映する必要があります。

ニーズを見つけるためには、ヒアリングを行ったりニュースを通じて課題を見つけるなど、方法はいくつもあります。

顧客のニーズが反映されることにより満足度が上がるので、継続的に利用してもらえるようになるのです。

つまり顧客のニーズをとらえてサービスに反映させると、会社の利益アップにつながります。

的確に顧客のニーズをとらえることのできる人が、SaaS業界に向いているといえます。

成長市場で経験を積みたい人


SaaS業界への注目度は世界的に高く、多くの企業がSaaSを取り入れるようになっています。

つまり成長を続けているビジネスであり、これからの成長も期待されている業界です。

営業・エンジニア・マーケティングなどの職種があり、スキルのアップデートなど新しいやり方がこれからも出てきます。

完全分業制を敷いている企業が多く、担当分野で集中して経験を積むことができるというメリットがあります。

SaaS業界で仕事をこなすと、自分自身の成長を感じながらビジネス全体の成長を体感できるため、意欲のある人にとっては最高の環境だといえるのです。

完全にでき上がった業界で業務をこなすことも選択肢としてありますが、成長市場で新たなチャレンジを始めるという選択肢も魅力があります。

SaaS業界の口コミが気になるなら


SaaS業界に参入している企業は多くあり、各企業のホームページなどで概要を調べることができます。

しかし、企業側が発信している情報だけではSaaS業界の実情を完全に把握することはできません。

SaaS業界の実情を知るには、各企業の口コミを利用することをおすすめします。

GeeklyReviewでは、SaaS業界に参入している企業で働く人の口コミを見ることができます。

SaaS業界の現場の声を聞く

SaaS業界は今後も市場拡大が見込める


SaaS業界は、インターネットを利用している世界中の人々と製品やサービスを提供する企業のニーズに応えられるため、今後も市場拡大が見込まれています。

業務上では、資料の管理やスケジュール調整などの社内業務でもSaaSを利用することで効率化が進み、業務改善を期待できます。

初期導入コストやシステム維持のためのコストを低く抑えることができるので、大企業だけではなく中小企業や個人でも導入が可能となりました。

利用者の幅が大きく広がり、顧客獲得の難易度を下げることも可能となったため、SaaS業界の市場拡大につながる流れができたといえます。

人気のSaaS企業一覧

GeeklyReviewでは、SaaSで人気の企業一覧を見ることができます。