第2の人生における職業を指す言葉であるセカンドキャリア。これまでセカンドキャリアの見つけ方について、あまり考えたことがない人も多いかもしれません。
しかしセカンドキャリアが自分の将来を有意義にするカギを握っているとしたらどうでしょうか。
そこで今回は「セカンドキャリアの見つけ方」を解説します。
セカンドキャリアを考えるメリットや、成功させるコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
近年注目されているセカンドキャリア
「セカンドキャリア」は本来プロスポーツ選手が引退してからのキャリアを指す言葉です。
しかし近年では30代以降に転職や独立をした際に選んだ仕事や定年退職した後に選んだ仕事を意味する言葉としても使われています。
セカンドキャリアが注目されるようになった背景には、企業の早期退職制度や終身雇用の崩壊、年金制度の支給年齢引き上げによる将来への不安感などがあります。
それをきっかけに、30代・40代から第2の人生として新しい生き方を考える人が増えているのです。
「人生100年」といわれる今、ひとつの生き方に縛られる必要はありません。転職や働き方のスタイル、叶えたい夢など、第2・第3の生き方を真剣に考える人が増えてきています。
年代別のセカンドキャリアの目的
一口に「セカンドキャリア」といっても、年代によって目的も理由も違います。ここでは、30代・40代・50代の場合についてみていきましょう。
30代
30代のセカンドキャリアは、新たなスキルを身につけたり、自分にとってより適した仕事を見つけたりすることを目的としています。
新卒として入社した会社の仕事内容が自分と合わない、または職場環境と相性が悪いなどといった理由から、転職や独立する人は少なくありません。
40代
40代のセカンドキャリアは、自分のキャリアを今以上に高めたいという上昇志向の実現を目的としています。
現職でのキャリアアップに限界を感じ、新たな場所でスキルを高めたい、さらなるスキルを獲得したいなどといった気持ちが転職や独立の主な理由です。
50代
50代のセカンドキャリアは、残りの人生で新たな生き方を手に入れることが目的です。
その背景として、「人生100年」を念頭に置いた定年後の生き方の模索や、子育てが終了したことによる家族への責任感からの解放などが挙げられます。
これまでできなかったことや、やってみたいと思っていたことを実行に移す機会としてセカンドキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。
セカンドキャリアの見つけ方
では、セカンドキャリアはどうやって見つければよいのでしょうか。セカンドキャリアの見つけ方について、わかりやすく解説します。
キャリアプランをはっきりさせる
セカンドキャリアを見つけるには、まずキャリアプランをはっきりさせることから始めます。
すると、自分がやりたいことが明確になり、セカンドキャリアを見つけやすくなります。
キャリアプランとは、将来やりたい仕事や働き方を具体的に考え、それを実現するための計画をたてることです。
キャリアプランをはっきりさせると、セカンドキャリアを見つけやすくなる以外にも次のようなメリットがあります。
- 仕事に意欲が出てモチベーションが高まる
- 転職の際の面接で慌てずに済む
将来のために自分がすべきことが明確になるので、モチベーションを高く維持し、目標を達成することが可能です。
また、ほとんどの面接では「どのようなキャリアプランを持っているか」を確認されるので、面接のときに慌てずに済むというメリットもあります。
キャリアアドバイザーに相談
キャリアアドバイザーに相談するのも、セカンドキャリアを見つけるのに有効な方法です。
キャリアプランの作成をサポートしてもらえたり、転職市場の情報を提供してもらえたりします。また、面接のための応募書類の添削や、模擬面接なども可能です。
信頼のおけるキャリアアドバイザーとの出会いは、セカンドキャリアを見つけるための近道となります。
セカンドキャリアを成功させるコツ
「セカンドキャリアに挑戦したいけど、もしうまくいかなかったら…」と不安に思う人も少なくありません。セカンドキャリアを成功させるコツを解説します。
現環境を整理する
1つ目のコツは、今の環境の整理です。自分をよく見つめながら、以下の3つの要素で整理してみましょう。
- スキルや専門知識
- 人脈
- 健康面
スキルや専門知識を整理するのはセカンドキャリアの進む方向を明確にするためです。
今までに身につけてきたスキルや専門知識を生かした方向に進みたいのか、それとも自分が新たにやりたいことをする方向で考えるのかを明確にします。
今までの仕事で培った人脈は、セカンドキャリアでも役立つケースが少なくありません。将来を大きく左右するとても重要な要素です。
健康面も、セカンドキャリアを成功させる必須条件です。精神面も含めてしっかりとケアしておきましょう。
自分の生き方を考える
2つ目のコツは、自分の生き方を考えることです。「自分はどのように生きていきたいのか」「何を優先したいのか」など、自分が理想とする生き方について考えてみます。
結婚・子育てや老後など、自分の理想の姿がイメージできると、身につけるべきスキルやその時期がはっきりします。
目標を明確にすることはモチベーションの維持にも非常に有効です。
セカンドキャリア制度が導入されている企業へ転職
3つ目のコツは、セカンドキャリア制度が導入されている企業へ転職することです。
近年、多くの企業は、慢性的な人手不足への対応のために積極的に中途採用を実施しています。専門知識を取得している定年退職者というのは、企業にとって大切な人材なのです。
以下は、セカンドキャリア制度を実施している企業の例です。
- 朝倉染布株式会社
- 東京海上日動火災保険株式会社
- 株式会社日本レーザー
- 三越伊勢丹株式会社
- 株式会社リコー
企業のセカンドキャリア制度は、企業側にもセカンドキャリアを求める側にも利益をもたらします。
業界の内情は口コミでチェックしよう
インターネット上には、自分がセカンドキャリアを考えている業界で実際に働いている人や、以前働いていた人たちの口コミを掲載しているサイトがあります。
口コミを見ることで、業界の内情をチェックすることが可能です。
口コミというのは、転職先に考えている業界や企業が、自分の求めるキャリアアップにふさわしいかを見極めるのにとても参考になります。
Geekly ReviewではIT・ゲーム業界を中心に実際の口コミをチェックすることが可能です。外部からは知ることが難しい実際の内情を確認できます。
平均残業率・有給取得率も確認できるので、是非チェックしてみてください。
セカンドキャリアに役立つ資格
資格は自分のスキルや知識を客観的に証明するのに役立ちます。転職活動をスムーズに進めるためにも、ぜひ、これから紹介する資格を参考にしてください。
FP
FPとはファイナンシャル・プランナーのことです。
家計における節約から税金に住宅ローン、それに年金や相続まで、お金に関するあらゆることをサポートするのに必要な資格です。
この資格を取得すると、金融業界や不動産業界への就職・転職に有利に働きます。
簿記
簿記は企業や個人事業者の営業取引を帳簿に記録するための資格です。資格の主催団体によって3種類(日商・全経・全商)の簿記があり、それぞれに等級があります。
企業の経理や会計事務所への就職・転職に有利であり、税理士や公認会計士として独立する道もあります。
TOEIC®︎
TOEIC®︎はビジネス英語の能力を客観的に判断する資格で、英語を母国語としない人を対象としています。
外国企業や海外営業のある企業、ホテル業界などへの就職・転職に有利です。また、英会話講師や通訳・翻訳家として独立する道もあります。
セカンドキャリアを見つけるなら企業の情報収集も一つの手
セカンドキャリアを成功させるためには企業の情報収集も重要です。企業の情報収集の方法をメディアを使う方法と人から話を聞く方法に分けて、詳しく紹介していきます。
メディアを使う方法
まず、メディアを使った企業の情報収集方法についてみていきましょう。メディアを使った企業の情報収集方法には以下のようなものがあります。
- インターネット
- 業界紙
- テレビ
- 書店・書籍・雑誌
インターネットでは企業経営者の記事を掲載しているサイトを見ることで、企業の考え方や戦略を知ることができます。
ニュースサイトや情報サイトで企業紹介を掲載しているサイトも情報収集に有効です。
また、「自分の目指すキャリアのKW+業界名」で検索すると、関連する先進企業やプレリリースを扱っている記事を見つけることができます。
ハローワークなどの国が運営する企業情報サイトで調べてみるのも、あまり知られていない優良企業やブラック企業を知るために有効な方法です。
気になる企業があれば、転職者用の口コミサイトを利用してみましょう。実際に働いている人の口コミを見ることができるため、企業についてよりよく知ることができます。
企業の戦略や新商品・人気商品を知ることができる業界紙は、興味のある企業を増やすのに有効です。
テレビ番組も参考になります。ビジネス関連のドキュメンタリー番組を見ることで、企業を見る目が養われます。
書店・書籍・雑誌を確認するのも有効です。
ベストセラーや書店のおすすめコーナー・雑誌の特集などに注目すると、業界の景気の良し悪しや課題などの動きを大まかに知ることができます。
また、経営者が執筆した本は、その企業の在り方や経営理念などを深く知るのに有効です。
人から話を聞く方法
すでに就職している友人や兄弟・ゼミやサークルの先輩から話を聞くことは、企業のリアルな情報を得るのに有効な方法です。
「その企業ではどのようなことが評価されるのか」や「充実感は得られるのか」など、深い部分まで知ることができます。
また、企業の説明会で人事担当から話を聞くのも情報を得るよい方法です。人事担当に聞きたいことを事前にまとめておきましょう。
とはいえ、実際に気になる企業に就職している知人がいないことも多いでしょう。そんな時には口コミサイトが参考になります。
口コミを検索することで多くのリアルな情報に触れることができますので、ぜひ利用してみてください。
信頼性の高い情報は「自分が望むセカンドキャリアにふさわしい企業かどうか」のよい判断材料になります。じっくりと企業情報を収集してみましょう。
自分に合ったセカンドキャリアを見つけよう
第2・第3の人生について考えるセカンドキャリアは、長い人生を豊かにするために欠かせないものとなりつつあります。
30代・40代の時期、自分らしい生き方を見つめなおしたり夢を叶えるためにセカンドキャリアを考えることは非常に大切です。
そんなセカンドキャリアで自分らしい生き方を叶えるためには、まず何よりも「自分は何を求めているのか」を知ることが必要です。
「今の自分はどんなスキルや知識を身につけていて、何ができるのか」とともに、「自分の価値観」や「自分が大事にしていること」を自身にじっくり問いかけてみましょう。
セカンドキャリアは、人生の生きがいを左右する重要なものです。将来のためにも自分が求めるにふさわしいセカンドキャリアを見つけ、充実感のある人生を目指しましょう。
待遇満足度が高い企業一覧
Geekly Reviewでは待遇満足度の高い企業の一覧を紹介しています。
セカンドキャリアを考えるなら待遇満足度の高い企業からチェックしてみるのがおすすめです。気になる企業を見つけて、ぜひ実際の口コミを確認してみてください。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。