サポートエンジニアとは、主に自社の顧客となる企業・エンドユーザーからの問い合わせ対応を行うエンジニアです。

自社のIT製品の導入や継続利用の契約・ソフトウェアとハードウェアの技術対応・製品トラブルの解消・クレーム対応まで、問い合わせの内容は多岐にわたります。

クラウドサービスやリモートワークの増加などにより、IT系職種の中でもとくに需要が高まっている職種です。

近年注目されているサポートエンジニアの仕事内容や年収、必要なスキルやどのような人が向いているのか詳しくみていきましょう。

サポートエンジニアとは?


サポートエンジニアとは、ユーザーがIT製品・システムを利用するうえで生じる疑問やトラブルを解決に導き、サポートする職種です。

サポートの対応方法はメール・チャット・電話など状況によりさまざまで、必要に応じてユーザーの元へ出向いて対面での対応も行います。

一般的なシステムエンジニアとサポートエンジニアがどのように違うのか、疑問に思うかもしれません。両者には大きな違いがあります。

システムエンジニアはクライアントの依頼によってITシステムやソフトウェアを開発しますが、サポートエンジニアはシステム開発や運用には関わりません

しかし、システムを開発したエンジニアがサポートを兼任する場合もあるためシステムエンジニアとサポートエンジニアは密接に関係しています。

サポートエンジニアは4種類に分けられる


サポートエンジニアはその業務内容により、カスタマーサポート・セールスサポート・プロダクトサポート・テクニカルサポートの4種類に分類されます。

企業によっては複数の業務を兼任する場合もあります。それぞれの業務の特徴を具体的にみていきましょう。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは主に自社製品・サービスのユーザーからの問い合わせに対応する仕事です。

問い合わせの内容はユーザーによってさまざまですが、下記のような対応を行います。

  • 製品の使い方の説明
  • トラブルの解決
  • 契約の手続き依頼
  • クレーム対応

ユーザーの元に出向いてサポートする機会も多く、顧客企業に常駐して業務を行う場合もあります。

セールスサポート


セールスサポートは自社の営業社員に同行して営業活動の支援を行う仕事です。

「セールスエンジニア」とも呼ばれ、商談や打ち合わせで自社の製品・サービスに対する専門的な知識が必要な場合、クライアントに説明して受注につなげます。

クライアントの要望をヒアリングし、技術的に対応できるかを判断するため高度なITスキルが必要です。

プロダクトサポート

プロダクトサポートはユーザーが自社の製品を導入し、継続して利用できるよう技術的にサポートする仕事です。

ユーザーの窓口となるため、問い合わせの内容について迅速に調査して適切な回答をしなければなりません。

ユーザーが納得する説明をするためには自社の製品・サービスに関する高度な知識が求められます。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは製品の操作方法や故障の対応など、技術的なトラブルに関する問い合わせを受ける仕事です。

サポートエンジニアの職種に占める割合が一番多いのがテクニカルサポートで、IT製品を扱う企業のほとんどがテクニカルサポートを雇用しています。

製品のアフターフォローがメインとなるため、自社の製品や開発したシステムに関する高度な知識が必要です。

テクニカルサポートが問い合わせを受けた場合、問題が発生した環境を再現してプログラムの解析を行います。

カスタマーサポートやプロダクトサポートとして働く場合に比べ、エンジニアとしてより高度な技術・知識が必要になります。

サポートエンジニアはどんな仕事をするの?


ユーザーからの問い合わせ対応を行うサポートエンジニアには主に下記の3つの業務があります。

具体的にどのような仕事を行うのか、詳しくみていきましょう。

問い合わせの対応

ユーザーからの問い合わせに対し、解決策を提示することがサポートエンジニアの主な仕事です。

「問い合わせ」といっても、内容はさまざまです。自社製品やサービスだけでなく、パソコンの周辺機器などに関する知識も必要になります。

問い合わせで対応する相手は一般のユーザーや顧客企業の情報システム部門、自社の社員などさまざまです。

相手によってITに関する知識レベルが異なるため、場合によってはかなりかみ砕いて説明をしなければなりません。

トラブル対応と解決のためのサポート

自社が提供する製品によって発生したトラブルの対応もサポートエンジニアの重要な仕事です。

電話・メール・チャットなどを利用してユーザーに状況をヒアリングしながら解決策を提示し、場合によっては顧客の画面をリモートアクセスツールなどで遠隔操作します。

遠隔操作では対応できない場合、ユーザーの元へ出向いて現地での対応を行うこともあります。

業務の効率化

ほとんどの企業では業務でIT技術が活用され、さまざまなシステムが企業の業務効率化や生産性向上に寄与しています。

サポートエンジニアはIT製品やパソコン関連のトラブルを解決することで業務効率化を支えています。

また、問い合わせでよくある質問やトラブルシューティングの内容をまとめてWebサイトで公開することも重要な仕事です。

サポートエンジニアの平均年収


サポートエンジニアの平均年収は300万円~400万円で、比較的高収入といわれるIT業界では低い水準だと感じるかもしれません。

これはエンジニア業務がほとんど含まれていない職種が「サポートエンジニア」として募集されていることが原因です。

高度なITの知識・スキルが求められる求人では水準が上がり、500万円~600万円程度が平均です。企業によっては1,000万円以上の年収が提示される場合もあります。

サポートエンジニアに必要なスキル


サポートエンジニアはユーザーの問題を解決することが主な業務となるため、ITの基本的なスキル・知識が必要です。

その他にもユーザーにヒアリングを行うためのコミュニケーション能力も重要なスキルです。

サポートエンジニアとして働くうえで必要な3つのスキルについて、詳しくみていきましょう。

ITに関するスキル

サポートエンジニアとして働くためには基本的なITスキルや知識が必須です。

システム開発や運用には直接関わりませんが、システムの導入支援やトラブル対応の際にはユーザーの元に出向いて対応する場合もあり、高いレベルのITスキルが求められます。

また、ユーザーからの問い合わせを受ける際にはIT知識がほとんどない相手からソフトウェア・ハードウェアに関する状況をヒアリングすることもあります。

トラブルが起きている状況と自身の知識・経験を照らし合わせてトラブル解消に導くためにはITスキルが欠かせません。

コミュニケーションスキル


問い合わせ内容をヒアリングしながらトラブルの原因を探る必要があるため、サポートエンジニアには高度なコミュニケーションスキルが求められます。

メールや電話などを利用した遠隔でのサポート対応が多いため、どのような状況なのかを自分の目で直接確認できません。

また、IT知識が乏しいユーザーから問い合わせを受けた場合、「相手が何に困っていて、何を伝えようとしているのか」を根気よくヒアリングしなければなりません。

相手に理解しやすい言葉で説明しながらトラブルの発生原因をつきとめ、解決策についても説明する必要があります。

トラブル対応では自社製品の障害や不具合が原因の場合もあるため、より細やかな対応が必要です。

問題解決能力

ユーザーの問い合わせ内容から現在発生している問題の原因や解決方法を導き出すためには問題解決能力がとても重要です。

ヒアリングした情報を整理して状況を分析し、問題の本質がどこにあるかを把握します。

自分では手に負えない場合は周囲の協力を得て解決に導くなど、臨機応変な対応もしなければなりません。

このように、サポートエンジニアにはIT以外にも欠かせないスキルがたくさんありますが、取り扱う製品によって業務内容や求められるスキルが異なります。

自分の経験・スキルがどのようにいかせるか、現場で実際に働く社員の口コミをチェックしてみましょう。

GeeklyReviewではサポートエンジニアとして働いている社員のリアルな口コミが見られます。

下記のリンク先で気になる企業の実情をチェックしてください。

社員のリアルな声を見る

サポートエンジニアに向いている人の特徴


サポートエンジニアはITスキルだけでなく高度なコミュニケーション能力も必要になるため、人によって向き・不向きがあります。

どのような人がサポートエンジニアに向いているのか、特徴を解説します。

丁寧な仕事ができる

問い合わせ対応が主な仕事となるため、サポートエンジニアは顧客に対して分かりやすい説明を行い、問題点をヒアリングするなど丁寧な対応が求められます。

相手が伝えたい内容を上手く説明できなかったり、コミュニケーションがスムーズにとれなかったりする場合も、最後まであきらめずにヒアリングを続けなければなりません。

ヒアリングした内容から製品の品質向上につなげたり、クレーム対応から顧客満足度向上につなげたり、どのような状況にあっても丁寧な仕事ができる人が向いています。

相手の目線に立って物事を考えられる

問い合わせをしてきたユーザーの立場に立ち、相手の目線で考えながら仕事ができることも重要です。

IT知識に乏しいユーザーは的確に状況を伝えられません。相手が何を言いたいのか、どのような状況で困っているのかを想像しながらトラブル解決に導く必要があります。

常に相手の目線に立ち、冷静に状況を分析して仕事を進められる人がサポートエンジニアに向いています。

サポートエンジニアとして働いている人の声を聞いてみよう


サポートエンジニアとして働くためにはさまざまなスキルが必要です。

IT分野の知識は必須ですが、企業によってはPC・スマートフォン・オフィス系ソフトを扱うスキルが重視されることもあります。

事務職など他業種での経験がいかせる場合もあり、実際にどのようなスキルや経験が求められるかは企業によりさまざまです。

気になる企業ではどのようなスキルや経験が歓迎されるのか、実際に働いている社員の口コミを見ると参考になります。

GeeklyReviewではサポートエンジニアとして働く社員のリアルな口コミを見ることができます。下記のリンクからぜひチェックしてください。

サポートエンジニアの口コミはこちら

サポートエンジニアの需要は伸び続ける


サポートエンジニアは近年注目されている職種です。

GoogleやMicrosoftなど大手IT企業でもサポートエンジニアの人員強化をしており、日本でも今後サポートエンジニアの重要性が高まると考えられます。

2020年以降、リモートワークの環境整備に力を入れる企業が増加傾向にあることもサポートエンジニアの需要拡大に好影響をもたらしています。

IT技術の進化によって新たなサービスが生まれた場合はサポートの幅も広がるため、将来性がある職種だといえるでしょう。

サポートエンジニアが活躍している企業一覧

GeeklyReviewでは下記のような企業で活躍するサポートエンジニアの生の声を見ることができます。