1990年に最初のWebサイトが公開されたワールド・ワイド・ウェブ(WWW)は、その後大きな発展を遂げました。

今日では世界中のどこからでも簡単に情報を入手することができるシステムとして、Webは当たり前のような存在になっています。

Webをビジネスに利用する企業も多いです。

そのためにはサイトを立ち上げてサービスを提供する必要があり、デザイナー・エンジニアなどさまざまな仕事が存在しています。

ここではWebの世界で働くメリット・デメリット・将来性について解説すると共に、この業界で必要とされている仕事をご紹介します。

Web関係の仕事は需要が高い


Webは企業活動にもいろいろと利用されています。Googleに代表される検索システムはWebの活用に欠かせません。

またAmazonのようなネットショッピング・FacebookなどのSNSは、今日の生活に無くてはならない存在です。

もちろんWebはこのような巨大企業だけのものではありません。

Webの世界ではさまざまなベンチャー企業も活発に活動しており、明日のGoogleやYahoo!を目指しています。

今日の企業活動はWebと無縁では成り立ちません。当然Web関係のビジネスも多く、Web業界には多くの仕事の需要があります。

Web関係の仕事5選


ひとことでWebサイトの制作といっても、全てをひとりの技術者が担当できる小規模な案件は限られます。

ほとんどの場合、プロジェクトチームを作っての作業です。

Web業界にはさまざまな業務を担当している人がいて、必要な能力・知識も異なります。ここではそのうち最も代表的な5つの仕事を紹介します。

Webデザイナー


Web関係の仕事で最もよく知られているのがWebデザイナーで、Webサイトの配色やレイアウトなどのデザイン面を主に担当します。

UI(ユーザーインターフェース)デザイナーと呼ばれることもあります。

Webデザイナーはデザインの知識のほかに、Adobe PhotoshopやIllustratorなどグラフィックソフトの操作能力が必要です。

またコーディング不可能なデザインを納めるわけにはいかないので、Webサイトを作り上げるHTMLやCSSの知識もあった方が有利です。

Webデザイナーはただオシャレなサイトを作るだけではありません。

どんな人が訪れてもサイトの操作方法が直観的にわかるような、使いやすいサイトをデザインする力量が必要になります。

Webデザイナーには多くの知識が必要になるので、全く未経験の状態での転職は難しいかもしれません。

美術系の大学やWebデザイナーのための専門学校を卒業していることを採用の条件にしている会社も多いようです。

ただしこの業界は慢性的な人手不足に悩んでいます。そしてWebデザイナーになるのに特別な資格は必要ありません。

独学であっても十分な知識があることを証明できれば、未経験でも雇ってくれる会社があるはずです。

Webエンジニア


WebエンジニアはWebサイトの開発を行ったり、Webシステムの運用に不可欠なサーバーシステムの構築や保守を受け持ったりするエンジニアです。

前者をフロントエンドエンジニア・後者をバックエンドエンジニアといいます。

フロントエンドエンジニアはコーダーとも呼ばれます。

Webデザイナーが製作したデザインを実際に稼働するサイトになるようにプログラミングする技術者です。

プログラミングには、HTML・CSS・JavaScriptなどの言語を使います。

これに対してバックエンドエンジニアは、一般ユーザーの目に見えない部分の管理を行う技術者です。

バックエンドエンジニアはフロントエンドエンジニアより数が少ないですが、需要は同じようにあります。

バックエンドエンジニアの仕事は、サーバー機の運用・保守・データベースの整備などです。

バックエンドエンジニアはフロントエンドエンジニアの知識に加えて、サーバー機やデータベースに関する詳しい知識が必要になります。

セキュリティに関する知識や技術も忘れてはなりません。

バックエンドエンジニアがよく使うプログラミング言語には、PHP・Ruby・Pytonなどがあります。

全くの未経験者がWebエンジニアを目指すのなら、まずHTMLなどを身につけてフロントエンドエンジニアになることを目指しましょう。

バックエンドエンジニアを目指すなら、それに加えてハード寄りの知識も覚える必要があります。

情報処理技術者試験の「データベーススペシャリスト」や「ネットワークスペシャリスト」などに合格しておくと、役に立ちます。

Webディレクター


Webディレクターは、Webサイト制作のPM(プロジェクトマネージャー)です。Webの世界の現場監督といえます。

クライアントからの要望をもとに、計画を立てて仕様を決定してプロジェクトメンバーを選び、制作の指揮を取ります。

Webディレクターは制作現場の取りまとめ役のため、とても多忙な役職です。

クリエイティブな発想・企画力・プレゼン能力・コミュニケーション能力・スケジュール管理など必要な能力は多岐にわたります。

現場で直接作業をすることはほとんどない役職ですが、Webサイト制作に関する知識もひと通り必要です。

そうでないとクライアントに説得力のある提案をしたり、プロジェクトのメンバーを動かしたりすることができません。

Webディレクターは一般に、WebデザイナーやWebエンジニアの将来のキャリアと考えられています。

しかしマネージメントの能力と経験さえあれば、Web業界未経験でも挑戦は不可能ではありません。

例えば別の業界でプロジェクトマネージャーを経験した人が、Web制作の知識を身につけて転職するといったケースです。

Webプロデューサー


Webプロデューサーは、Webサイト制作プロジェクトの統括責任者です。

一見Webディレクターと似ていますが、Webディレクターよりさらに上の立場から、プロジェクト全体の取りまとめを行います。

クライアントの要望をもとにプロジェクトの立案・計画を行い、OKになったら現場サイドの責任者であるWebディレクターに任せます。

Webプロデューサーを務めるのに必要な能力・知識は、Webディレクターとほぼ同じです。

ただしそれに加えて、クライアントのビジネスを深く理解して適切な提案ができる、 経営者としての視点も必要になります。

Webマーケター

Webマーケターは、Webサイトのアクセス解析を行ったり、SEO対策を行ったりして、そのサイトのマーケティング強化に貢献します。

Webサイトのマーケティングは一般のマーケティングと異なり、あらゆる状況を数値化できるので、さまざまな解析ツールが使用可能です。

またWebページにSEO対策(検索エンジン最適化)を行えば、そのサイトが検索結果の上位に表示されてユーザーが訪問しやすくなります。

そのためWebマーケターはマーケティングに関する知識を持っているだけでなく、数学に強い人が適しています。

Web関係の仕事に興味があるなら実際の仕事事情を口コミでチェックしよう


Web業界に興味があるのなら、ご自分のスキルのことを考えると共に、Webの世界の仕事事情を調べておくことをおすすめします。

Web業界あるいはWebが関係するEC(電子商取引)やインターネット広告などの業界は、とても変化が速い世界です。

いつの間にか新しい形態のビジネスが生まれて活発に活動しているのも、この業界の特徴のひとつです。

Webの世界で、どのようにすれば生き残って長く仕事を続けることができるか心配な方は、たくさんの口コミをチェックしてください。

GeeklyReviewではWeb関係の口コミがいろいろ見られます。

興味のある仕事について経験者がどのように語っているか、チェックすることができます。

Web関係の会社の口コミを見てみよう

Web関係の仕事をするメリット


Webの世界で仕事をすることには、いろいろなメリットがあります。

ひとつはこの業界は慢性的な人手不足で、未経験者でも職につける可能性があることです。

もうひとつはWeb関係の仕事そのものが持っている魅力ややりがいです。

未経験でも採用してくれる企業が多い


Web業界は慢性的な人手不足の状態にあります。そのため会社によっては未経験者歓迎の求人を出しているところもあります。

単純な作業からスタートできる会社なら、未経験者でも応募可能なところがあるはずです。

未経験者OKの求人の場合、入社後のキャリアパスを調べておくようにしましょう。

そしてそれがご自分の希望に合致しているかどうかを確認する必要があります。

仕事をやり遂げた後の達成感がある

Webサイト作成のプロジェクトは、ひとつの「作品」を作り上げるプロセスです。

自分たちが関わった作品が完成して世に出るとき、メンバーのひとりひとりが言い表せないほどの達成感を感じます。

さらにそのWebサイトがリリース後に成果をあげると、その達成感はさらに大きなものになります。

サイト利用者からデザインをほめられたり、使い勝手が良かったりして、クライアントから好評だった場合です。

刺激を受けて仕事ができる


Web関係の仕事は技術のキャッチアップが大変です。

しかしこのことは同時に、常に新しい技術に触れられることを意味します。

しかも新しいプロジェクトに参加するたびに、金融・流通・教育・小売など新しい業界に関わることができ、新しい知見も広がります。

Web業界の仕事は専門性が高く、知的興味をさまざまな方向へ広げることのできる刺激的な仕事です。

Web関係の仕事をするデメリット


一方、Web関係の仕事にはデメリットもあります。

Web業界は技術の進歩のスピードが速いため、不安定で常に新情報のキャッチアップが必要なことです。

専門性のない業務は自動化の対象となりやすい


RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を利用して、パソコン操作を自動化しようという動きが広がりつつあります。

RPAはパソコン上の操作を記録してシナリオを作成し、任意の作業を再生させる仕組みです。

RPAが広まると、パソコンの操作であっても専門性の少ない単純な作業は、いずれ自動化の対象になってしまうはずです。

これにAI(人工知能)を組み合わせると、自動化できる業務の範囲はさらに広くなるでしょう。

Webの世界でも単純なWebデザインや単純なコーディングといった業務は、いずれ自動化されてしまうかもしれません。

これに対抗するためにはさらに高度な技術を身につけて、RPAやAIの一歩先を行く覚悟が常に必要です。

トレンドの入れ替わりが早い

Web業界は専門的で見慣れない横文字の用語が日々生み出され消えていく、変化の激しい世界です。

人間より成長速度が7倍速い犬を例にあげて「ドッグイヤー」と形容されています。

例えば今日では多くの人々が、パソコンではなくスマートフォンでWebサイトを見ています。

Webのデザインもテキストの配列も、パソコンとスマートフォンの両方に配慮しなければなりません。

しかしこの現状が5年後・10年後にはどうなっているかわかりません。

ただはっきりわかっていることは、10年後にもWebは世界を結びつけていることです。

Web業界に向いている人は?


変化の激しいWeb業界で、長く活躍を続けるには、どのような特性が必要でしょうか?

一番大切な特性は、好奇心と向上心です。Webの世界は技術の発展のスピードや、トレンドの入れ替わりのペースが極端に速い世界です。

知識と技術に遅れないためにも、新しい技術に対する好奇心と常に勉強を怠らない向上心が不可欠になります。

さらに、多かれ少なかれコンピュータープログラムを理解する必要のある世界ですから、論理的思考力も必要です。

細かい作業を長時間続けるための、集中力や持久力も大切です。そしてコミュニケーション能力も、忘れてはいけません。

デザイナーでもエンジニアでも、クライアントの意見を取り入れるためにミーティングをしたり、同僚と意見交換をしたりする時間は想像以上に多いです。

Web業界で活躍している人の声を見よう


Web業界に関しては、良い話も悪い話も聞こえてきます。良い話はやりがいがある職業であるという話です。

悪い話は勤労条件の悪いブラック企業に気を付けるように、というものです。職種によっては将来性が問題になったりします。

まずはWeb業界で働く人々の口コミを調べてみましょう。複数のWeb業界関係者の意見を聞けば、より確実な判断ができます。

GeeklyReviewにもたくさんの口コミが載っています。

勤労条件が良いホワイト企業にはどんな会社があるか、GeeklyReviewを利用して確認してください。

Web企業の口コミをチェックする

Web関係の仕事の将来性


Web関係の仕事は、今後増えることがあっても減ることはないと考えられます。Web業界の人材不足は深刻です。

そのうえ今後私たちに提供されるサービスのほとんどは、Webアプリをベースに作られると予想されます。

それを可能にするWebエンジニアの必要性はますます高くなるはずです。

ただし変化の激しいWeb業界なので、その後どのような技術の需要が高まるかの正確な予想はできません。

今後どのような分野が成長するかを見極め、新しい技術を学習するといった技術のキャッチアップが苦にならない限り、Webエンジニアの未来は明るいです。

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