就職活動をするときに目にする「求人票」ですが、あなたは正しい見方を知っているでしょうか。
多くの人が、「求人票のどこを見たらいいのか分からない」と悩んでいます。
求人票の正しい見方を知ることで、その企業が自分に合っているのかを知ることができます。また、ホワイト企業かどうかを見極めることも可能です。
この記事では、求人票の見方を詳しく解説しています。求人票の見方に悩んでいるのなら、ぜひ参考にしてください。
求人票は企業を知る重要な手がかり
求人票には業務内容や、どんな人物を求めているのかなどの情報が書かれています。それらの情報は、企業を知るための重要な手がかりです。
就職後、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人もいます。それは、求人票に書かれた情報をしっかりと確認していなかったから起きたミスです。
求人票に書かれた情報をしっかりと把握することで、そういったトラブルを防ぐことができます。
自分が求めている企業なのかを把握するためにも、求人票に書かれた内容はしっかりと確認するようにしましょう。
求人票に書かれている一般的な項目
求人票には以下の8つが書かれています。
- 職種・仕事内容
- 雇用形態・雇用期間
- 求めるスキル
- 給与・諸手当
- 就業時間・残業時間
- 休日
- 保険・年金
- 会社情報
これら項目の中で特に注意が必要なのが職種でしょう。同じ職種であっても企業によって呼称が違うためです。
営業職の場合、「営業アシスタント」もしくは「営業事務」と呼ばれています。
例えば「営業アシスタント」という呼称を知らないと、営業職と同じだと分かりません。
その結果、自分がやりたい仕事がないと判断してしまうことになります。このため、職種だけでなく仕事内容もしっかりと確認するようにしてください。
仕事内容を見れば、同じ職種だと気付くことができます。
求人票の見方
求人票の見方を詳しく解説していきます。求人票を見るときは、まず始めに労働条件を確認してください。
次に、どんな会社なのかを確認します。以下で詳細を説明していますので、ぜひ参考にしてください。
まず労働条件をチェック
求人票を見るとき、最初に確認するのは労働条件です。
- 給料はどれくらいか
- 手当はあるのか
- 昇給・賞与はあるのか
- 労働時間はどれくらいか
- 休日はどれくらい貰えるのか
- 保険などはどうなっているのか
これら6つのポイントを確認してください。自分が希望する働き方と労働条件が合っているかを確認するのは、とても大事なことです。
例えばあなたが「残業無しで30万円を稼ぎたい」と考えていた場合、給与だけでなく労働時間も確認する必要があります。
企業によっては「残業込みで30万円」というところもあります。このため、労働時間を確認しないと「どうして残業があるんだ」となってしまうのです。
そういった相違を防ぐためにも、労働条件の確認は最初にしておくことをおすすめします。
会社概要の確認も大切
会社の情報を知るためには、会社概要の確認も欠かせません。従業員の数などの基本的な情報以外にも、下記のようなことが書かれています。
- 育児休業・介護休業の取得実績
- Uターン・Iターンの歓迎
他にも制服の貸出はあるのかや、車での通勤ができるかなどの情報が書かれています。
労働条件が良くても、これらが自分に合っていないと後悔することも考えられます。特に育児休業・介護休業の取得実績は大事です。
実績が低い企業は、育児休業・介護休業の取得が難しいのかもしれません。場合によっては会社を辞めなくてはいけなくなることも考えられます。
自分のライフスタイルに合っているかどうかを知る基準にもなります。労働条件を確認したら、会社概要も忘れずに見てください。
企業ホームページも併せてチェック
労働条件や会社概要と併せて、企業ホームページも確認しましょう。紙面だけでは分からない情報を得ることができます。
仕事内容は求人票からも確認できます。しかしそこからどんな仕事をするのかを想像するのは、限界があります。
仕事内容や会社概要だけでは職場の雰囲気も分かりません。このため、企業ホームページの確認がおすすめなのです。
企業によってはブログ形式でその日の業務内容を記載しているところもあるので、より詳しく仕事内容を知ることができます。
企業について知りたいなら口コミサイトの活用もおすすめ
企業について知りたいなら、口コミサイトもおすすめです。口コミサイトでは実際に働いている人の声を聞くことができます。
ホームページなどでは良い面だけを取り上げている場合がほとんどです。しかし口コミサイトなら、悪い面も確認できます。
良い面と悪い面の両方を知ることができ、どんな企業なのかを具体的に把握することができるはずです。
GeeklyReviewでもさまざまな口コミを見ることができます。入社前後のギャップが少ない企業を知ることもできます。
「求人票に書かれていた条件と違う」と、入社前後にギャップを感じる人は多いです。
このため、そうならないように入社前後のギャップが少ない企業を知ることも大事です。
求人票でホワイト企業を見極めるポイント
求人票から、その企業がホワイト企業かどうかを見極めることができます。そのポイントは次の4つです。
- 手取り金額や給与形態について
- 平均残業時間や残業代について
- 年間の休日数について
- 各種保険について
それぞれのポイントについて下記で詳しく解説していきます。
手取り金額と給与形態
給与において確認したいのは、下記の2点です。
- 手取り金額は?
- 給与形態は?
求人票に書かれた給与額は「額面給与」と呼ばれ、全額が貰えるわけではありません。そこから税金や保険料などが差し引かれます。
それらが差し引かれた金額が「手取り金額」です。そのため、実際に貰える給与は求人票に書かれた金額よりも数万程少なくなります。
目安としては求人票に書かれた給与額の約8割が、手取り金額になるといわれています。
例えば求人票に「30万円」と書かれていた場合、手取り金額はおおよそ「24万円」です。給与形態は大きく分けて次の3種類があります。
- 固定給制
- 歩合給制
- 完全歩合給制
固定給制は毎月一定の収入を手にしたい方向けです。歩合給制・完全歩合給制はノルマによって収入が変わるため、収入を重視したい方におすすめです。
平均残業時間と残業代
ブラック企業で多いのが、残業代の未払いなど残業に関するトラブルです。ブラック企業の場合、平均残業時間をうまくごまかしています。
求人票に書かれた残業時間は、会社全体の平均値である可能性があります。このため、特定の職種だけ残業時間が他の職種よりも長いこともあります。
残業時間によるトラブルを防ぐためには、面接の時にしっかりと質問するのがおすすめです。
残業時間は、「1ヶ月で45時間、年間で360時間」と法律で定められています。
上限ギリギリもしくは超えている場合は、ブラック企業の可能性が高いです。残業代についても詳しく解説していきます。
多くの人が、「残業代=残業時間に合わせて貰えるもの」と思っています。しかし残業代には次の3つの制度があるのです。
- みなし残業代
- 固定残業代
- 裁量労働制
いずれも残業代を定額で支払う制度です。金額が一定のため、これらの制度を知らないと「残業したのに支払われていない」と誤解することになります。
こういったトラブルを防ぐためには、残業代制度の確認も大事です。
年間休日数
求人票を見るとき、「週に何回休めるのか」に注目して見る人も多いのではないでしょうか。しかし休日で大事なのは、「年間休日数」です。
週休2日制であったとしても、祝日や年末年始は休めない企業もあります。その場合、年間休日数でみると極端に少ないということもあるでしょう。
労働基準法では、年間休日の最低日数を105日と定めています。これより少ない場合は労働基準法に違反していることになります。
また厚生労働省が平成31年度に行った調査では、年間休日数の平均は「114. 7日」でした。
このため、年間休日数が114日以上ならホワイト企業と考えることができます。
保険
例えばハローワークの求人票を見ると、9つの項目が書かれています。しかし確認しないといけないのは、「社会保険」です。
社会保険は原則として全ての企業が用意しないといけません。試用期間中であっても、働いている人は加入することになっています。
「試用期間中は社会保険に加入しません」というのは法律違反なので、気を付けてください。ただし、一部例外もあります。
企業の規模や雇用形態によっては、加入が免除される場合もあります。正社員は全て加入になりますが、契約社員・パート・アルバイトは条件付きです。
求人票を見るときに気をつけることは?
求人票を見る際、気を付けないといけないポイントがいくつかあります。下記ではそれぞれのポイントについて詳しく解説しています。
同じ職種でも企業によって業務範囲が違う
職種が同じでも、企業によって業務範囲が異なります。例えばIT系の場合、システムエンジニアに全てを任せる企業もあります。
システムエンジニアの仕事は、システムの開発です。しかし企画の初期段階から携わることを求められ、実装も任される場合があります。
このように、同じ職種であっても企業によって任される仕事が変わるため、入社後にギャップを感じることもあるでしょう。
職種だけで判断せず、しっかりと仕事内容も確認することをおすすめします。
給与はだいたい20%差し引かれた金額になる
ホワイト企業の見極め方の所でも触れましたが、求人票に書かれた給与が全て貰えるわけではありません。
求人票に書かれた給与から社会保険料などが引かれた額が、給与として振り込まれます。だいたい20%引かれた金額が受け取ることができる金額です。
30万円と書かれていたら、受け取ることができるのは24万円です。企業によっては社内預金などを引く場合もあります。
そうなるとさらに金額がマイナスになるので、面接の時に何が引かれるのかしっかりと確認するようにしてください。
給与形態に様々な種類がある
給与形態はさまざまで、次のような種類があります。
- 固定給
- 日給月給制
- 基本給
- 年俸制
毎月決められた金額で払われる給与が「固定給」です。各種手当も含まれており、変動がありません。
「日給月給制」は1日単位で給料が決まり、月に1回まとめて払われます。
欠勤・遅刻・早退による賃金控除があるので、欠勤した日の分の給料は貰えません。給与のベースとなる金額を「基本給」といいます。
そこへ各種手当が反映され、給与が振り込まれます。このため、実際に貰える給与は基本給よりも高くなる場合が多いです。
「年俸制」は1年単位で給与を決めます。給与は1年単位で決まりますが、支払いは毎月です。
労働基準法で、「毎月1回以上の支払いの原則」が定められているためです。月給制と似ていますが、給与の変動があるかどうかの違いがあります。
月給制では給与の変動がありますが、年俸制は1年間の支払額が決まっているので変動がありません。
実情は現場の声を確認することが大切
求人票からさまざまな情報を得ることができます。しかしそれだけでは十分とはいえません。企業としては求職者に好印象を持ってもらう必要があります。
ですので、ごまかして記載している場合もあります。逆に求人票の内容はイマイチでも、職場環境が良い企業もあるでしょう。
これらは、入社後にギャップとして現れます。「求人票の案内は魅力的だったのに、実際は違った」と後悔することもあります。
そういった入社前後のギャップを無くすためには、現場の声を確認することが大切です。現場の声は、口コミサイトから見ることができます。
GeeklyReviewにもさまざまな声が寄せられているので、現場の声を知ることができます。
求人票の見方を覚えて転職を成功させよう
転職を成功させるためのコツはさまざまですが、求人票をしっかりと確認することもその1つです。
求人票にはあなたが求めている情報が全て書かれていると言ってもいいです。この記事で紹介したことも参考に、ぜひ求人票の見方を覚えてください。
入社前後のギャップが少ない企業一覧
入社前後のギャップが少ない企業には以下のような企業があります。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。