WebサイトあるいはWebアプリケーションに携わるエンジニアは、フロントエンドとバックエンドに大別され業務内容が異なります。

必要となるスキルも違うので、自分の適性も踏まえて専門分野を選ぶことが肝要です。

中でもバックエンドエンジニアとはどのような仕事かについて、必要なスキルや適性がある人も含めて解説します。

バックエンドエンジニアの仕事内容


プログラムの開発から環境整備までを担当するバックエンドエンジニアの主な仕事内容は、以下の通りです。

  • サーバーの構築
  • データベースの構築
  • システムの運用や開発

バックエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションを利用するユーザーが直接目にすることのないシステムに関わります。

ここでは、バックエンドエンジニアの仕事内容を具体的に説明します。

■サーバーの構築

バックエンドエンジニアはシステムに必要なサーバーを構築するため、以下の業務を担います。

  • ハードウェアの選定と導入
  • サーバーソフトウェアのインストール
  • 要件定義
  • サーバーの設計
  • サーバーの構築

サーバーの設計と構築には、WebサーバーやDB(データベース)サーバー・メールサーバーも含まれます。

バックエンドエンジニアの業務範囲は広く、近年はサーバーサイドエンジニアやインフラエンジニアが業務の一部を分担するケースも増えているようです。

■データベースの構築


データベースの構築とは、Webサイトを運用するにあたって、必要なデータをスムーズに出入力できるよう保存や呼び出しの処理を実装することです。

Webサイトの運用はWebサーバーとプログラムだけでもできますが、顧客名簿や電話番号など利用者が必要とする情報をデータベースで管理すると引き出しやすくなります。

WebサイトやWebアプリケーションの運用に関わる膨大なデータを呼び出しやすくまとめるとともに、セキュリティーにも配慮されたデータベースを構築します。

■システムの運用や開発

バックエンドエンジニアは、案件に合うプログラミング言語を用いてシステム構築を行うだけでなく、不具合やエラーの監視並びに障害対応などの運用も担当します。

構築したシステムを運用し問題点がないかをチェックするとともに、必要に応じてプログラムを改善することも大事な仕事の1つです。

またシステムのリリース後にバックアップの作成やアクセスログの監視・オペレーションシステムのアップデートを行うケースも少なくありません。

フロントエンドエンジニアとの違い


バックエンドエンジニアとの違いを説明するうえで、フロントエンドエンジニアの仕事内容を知っておく必要があります。

フロントエンドエンジニアとはWebサイトやWebアプリケーションを制作するにあたって、実際にユーザーの目に触れる部分を担当する業務です。

具体的にはユーザーの文字入力画面やクリックするボタンなど、バックエンドにあるソフトウェアとやり取りするために必要な部分をWebブラウザ上でプログラミングします。

フロントエンドエンジニアに必要とされる言語は、HTMLやCSS・JavaScript・TypeScriptなどが主流です。

前述したように、バックエンドエンジニアはユーザーの入力内容に即したデータ処理やデータベースへの保存・検索結果の出力などを行います。

ユーザーの目には触れないシステムを構築している点がフロントエンドエンジニアとは違います。

バックエンドエンジニアの平均年収


企業に勤めるバックエンドエンジニアの平均年収は約430万円といわれている一方で、フリーランスの中でも企業と契約し常駐するケースの平均は約700万円に上ります。

プロジェクト単位で発注を請け負うフリーランスでも、在宅型のバックエンドエンジニアは約600万円が平均年収の目安です。

今後バックエンドエンジニアを目指す際には、年収とともに働き方も検討する必要があります。

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バックエンドエンジニアに必要なスキル


バックエンドエンジニアとして活躍するためには、以下のようなスキルが必要です。

  • 言語スキル
  • フレームワーク・ライブラリ
  • ミドルウェアの知識

バックエンドエンジニアは求められるWebサービス並びにアプリケーションを開発するうえで、必要なプログラミング言語のスキルが求められます。

さらにシステムの実装にあたっては、他にも不可欠なスキルがあるのです。ここではバックエンドエンジニアに必要なスキルについて、詳しく説明します。

■言語スキル

バックエンドエンジニアに必要とされるプログラミング言語は、以下の通りです。

  • PHP
  • Java
  • Python

PHPはWebページを動的に生成するうえで欠かせない、サーバーサイドのプログラミング言語をさします。他のプログラミング言語より仕様や文法が簡単で、習得しやすいです。

JavaはGoogleの三大言語に名を連ねるプログラミング言語でOSに関わらずに動き、処理速度が高いのが特徴です。

Pythonは組み込みの開発や、Webまたはデスクトップのアプリケーションに用いられています。近年は人工知能や機械学習の分野で使われるケースも多いです。

言語仕様が簡潔でソースコードを少ない桁数で欠ける点が人気で、教育言語としても利用されています。

上記3つのうち、どれか1つはマスターしておくのが基本です。

■フレームワーク・ライブラリ

WebサイトやWebアプリケーションのコンテンツを制作するにあたり、フレームワークとライブラリはバックエンドエンジニアに不可欠なツールの1つです。

フレームワークはテンプレートと呼ばれることもある、アプリケーション開発に使用する仕組みが揃ったツールをさします。

一方のライブラリは開発の際に使用頻度の高いツールがまとめられた道具箱のようなイメージで、コードを打つ手間や動作確認の工程を省略してくれるのです。

バックエンドエンジニアが習得すべきフレームワーク・ライブラリは、以下の通りです。

  • Git/GitHub
  • Django
  • Express
  • Ruby on Rails
  • Flask
  • Laravel
  • CakePHP

上記のようなフレームワーク・ライブラリを駆使できるバックエンドエンジニアは、業務効率がよくなるので重宝されます。

■ミドルウェアの知識

ミドルウェアとはOSとアプリケーションの中間に位置し、OSだけでは手間のかかる作業をサポートしてくれるもので、バックエンドエンジニアには欠かせない知識です。

基本的な性能しか持たないOSにアプリケーションを追加することでさまざまな処理が行えるようになりますが、ミドルウェアはサーバーやデータベースとのやりとりに欠かせません。

そのためバックエンドエンジニアには、以下のようなミドルウェアの知識が必要です。

  • Webサーバー
  • アプリケーションサーバー
  • データベース管理サーバー

Webサーバーはブラウザからのリクエストに応じて、静的あるいは動的なWebページを送信する際に必要なミドルウェアをさします。

アプリケーションサーバーはWebサーバーからのリクエストに応じて、JavaやPHPなどのプログラム言語で作成されたアプリケーションにより動的コンテンツを生成するミドルウェアです。

データベース管理サーバーはストレージから必要情報を取り出す、あるいは書き込むなどデータベース管理システムを作動させるためのミドルウェアを意味します。

この3つのサーバーからなる構造は「3階層システム」あるいは「Web3層構造」と呼ばれ、広く大規模なシステムに採用されているのです。

年収アップに役立つスキル


急激な成長を遂げているIT業界において、バックエンドエンジニアは人手不足のため売り手市場になっています。

しかし年収アップを望む場合は基本的なスキルに加えて、身につけておいた方がよい知識があるのです。

ここではバックエンドエンジニアの年収アップに役立つ、3つのスキルについて説明します。

■プログラミングの対応できる言語を増やす

バックエンドエンジニアが使用するプログラミング言語は複数ありますが、対応できるものを増やしておくと年収アップにつながりやすいです。

バックエンドエンジニアがシステム開発する際に用いられることが多いプログラミング言語としてPHP・Ruby・Perlがあげられます。

しかし大規模なWeb開発の際にはJavaやC++が使われることもあるので、いくつかに対応できるよう学んでおくことがおすすめです。

■フロントエンド開発に関する知識


WebサイトやWebアプリケーションは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが連携することで1つのサービスを提供しています。

フロントエンド開発に関する知識を持っていると、ユーザーインターフェース(UI)やSEO対策を念頭においた設計に対し、適したプログラミング言語を用いた構築が可能です。

フロントエンドエンジニアが使うHTMLや CSS・PHP・Javaなどのプログラミング言語を学んでおくと、マルチエンジニアへのキャリアアップも目指せます。

■サーバーやデータベースの知識・スキル

サーバーやデータベースの知識やスキルのあるバックエンドエンジニアは、キャリアアップしやすいのでおすすめです。

バックエンドエンジニアは目的に合わせてWebサーバーやデータベース管理サーバーを設計・構築する役割も担うからです。

データベースには階層型やリレーショナルなどいくつかの種類があり、目的に合わせて選ぶ必要があります。

バックエンドエンジニアが向いている人の特徴


バックエンドエンジニアが向いている人の特徴は、以下の通りです。

  • 計画性がある
  • 保守・管理に関する仕事に興味がある
  • 作業に打ち込むことが好き

上記の特徴を持つ人は、バックエンドエンジニアとして長く活躍できるといわれています。ここではバックエンドエンジニアが向いている人の特徴を、具体的に説明します。

■計画性がある

バックエンドエンジニアはフロントエンドエンジニアとも協働しながら、WebサイトやWebアプリケーションを制作するため計画的に作業を進めることが不可欠です。

効率よく仕事を進めるだけでなく、リスクヘッジを考慮した計画を立てられるスキルがあると、バックエンドエンジニアとして活躍できます。

■保守・管理に関する仕事に興味がある

自分のアイデアを形にしたWebサイトやWebアプリケーションを構築するより、保守・管理に関する仕事に興味がある人もバックエンドエンジニアに向いています。

バックエンドエンジニアはコツコツとサーバーや構築したシステムが運用された後も、エラーの点検やトラブル時の復旧作業に携わるからです。

また構築したシステムに障害が起きた際に迅速に対応できるよう、知識を日々アップデートする姿勢も必要です。

■作業に打ち込むことが好き

人とコミュニケーションを図りながら仕事をするより、作業に打ち込む方が好きな人もバックエンドエンジニアに適性があります。

バックエンドエンジニアがプログラミングする際には、黙々と作業を進める必要があるからです。

クライアントとの打ち合わせなどが必要なフロントエンドエンジニアとは違い、裏方として作業を続ける根気が不可欠といえるでしょう。

バックエンドエンジニアに興味があるなら口コミサイトで現場の声を調べてみよう


バックエンドエンジニアとして経験を積み、スキルを増やすことでプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャにキャリアアップすることができます。

またバックエンドエンジニアから、ITエンジニアやセキュリティーエンジニアにキャリアチェンジする人も少なくありません。

未経験者でも必要なスキルを身につければ参入が可能で、将来性がある職種でもあります。

バックエンドエンジニアに興味があるなら、GeeklyReviewで現場の声を調べてみましょう。

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バックエンドエンジニアの需要は高まっている


2010年にiPhoneが登場してから、Webアプリケーションの種類やコンテンツ数は増加の一途をたどっています。

Webサービスを開発するうえでバックエンドエンジニアの存在は欠かすことができないため、今後も需要が増え続けると予想されます。

またバックエンドエンジニアはサーバーやデータベースの構築・システムの運用と開発など業務範囲が幅広いことも、需要が高まり続ける理由です。

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