企業風土はその企業と社員が共有する独特な風習や性質をいいますが、詳しい内容は分からないという人も多いです。

企業風土が転職などに大きく影響するのは何故なのか、何故見極めが大切なのかなど、こちらでは企業風土について解説しています。

自分に合った企業風土かどうかを見極めるポイントや、転職の際の注意点も含めて解説しているので参考にしてください。

そもそも企業風土とは?


企業風土とは企業の持つ環境や性質をいうのですが、もう少し詳しく解説しましょう。

特に歴史ある企業にはそれぞれその企業独特な雰囲気があり、社員にも独特な性質が伝わって引き継がれている場合があります。

そのように知らず知らずのうちに企業に根付いた、企業全体の共通意識に基づく慣習や性質を企業風土と呼びます。

暗黙のルールとなっているようなものも、企業風土の一端といえるでしょう。

もちろんそのすべてが間違っている訳ではありませんが、働き方改革など新しい会社の在り方を考えた時、企業風土が壁となる場合もあるのです。

企業風土の構成要素


企業風土はどのような要素で作られているのでしょうか。大まかにいえば二つの要素から作られていると考えられます。

それがハード的要素とソフト的要素です。ハード的要素とソフト的要素は互いに影響し合います。それぞれについて詳しく解説しましょう。

ハード的要素


ハード的要素とは、会社トップや経営者が直接構成する組織の制度などにより作られるもので、経営者などにより変化することが可能な風土です。

例えば経営理念・人事制度・組織体系などがハード的要素といえます。これらは会社トップや経営者が動くことで、変化させることのできる要素です。

またハード的要素の経営理念などは社員に共有することで一丸となって1つの方向に向うことができるでしょう。

良い企業風土を作り出すことは働きやすい環境を作ることです。それは社員のモチベーションを高めることにつながります。

ソフト的要素

企業風土のもう1つの構成はソフト的要素です。ソフト的要素とは、その企業で働く人たちの中で培われ定着した風土・風習を指します。

例えば社員間の人間関係・価値観・暗黙のルールなど目に見えない要素で成り立っているため、定着してしまうとなかなか変えにくい風土です。

結果的に人間関係の悪化を招き、エンゲージメントが下がる原因にもなってしまいます。企業風土が及ぼす影響は大きいのです。

企業を調査する上で大切なことの1つに企業風土が挙げられるのも、そういった影響を考えてのことでしょう。

企業風土が合わずに転職を考える人は多い


最初に企業風土のことをしっかりと調べておかなかったために、せっかく入社したのにどうしても合わなくて転職を考える人は多いのです。

企業の風土など考えないで就職してしまったのが原因です。最初にそのことを知っていたなら、と後悔することもあるでしょう。

後悔のないように、応募の企業にそのような共通認識に基づいた風土と呼ばれるものがないか確認が必要です。

企業風土のミスマッチが及ぼす影響


それでは実際に企業風土の根強い企業に入社した場合、その風土が自分とマッチできない時にどのような影響を受けるのか解説します。

まず企業風土の及ぼす影響について、どのようなものがあるのか挙げてみます。

  • 成績を競うことが主体
  • 従業員の上下関係
  • 年功序列で若い人の実力が評価されない
  • トップの意見が強く現場の声が届かない

成績ばかりを重視する企業では長い年月のうちにそれだけが主体となり、社員はただ成績を上げることのみに専念してしまいます。

社員同士が競い合うことで切磋琢磨するという風土ならよいのですが、足を引っ張り合いギスギスした関係に陥ります。

先輩後輩という縦の関係が強い場合、従業員同士の人間関係で悩む人が多くなるのも企業風土の及ぼす影響です。

年功序列の風習が強い場合、若い人が実力を発揮できないことが多くなります。評価されないことでモチベーションも下がります。

現場がどれだけ声を上げても、トップの意見のみが取り上げられる企業風土においては現場の人たちはストレスがたまるばかりです。

モチベーションが下がる

企業風土とのミスマッチは、一気に社員のモチベーションを下げる結果を招きます。

提案したり協力しあったりして、大きな仕事を成し遂げたいと入社したのに、上司がとにかく成績ばかりを重視する企業風土ではミスマッチです。

年功序列の企業風土も正確な評価とならない可能性が高く、意欲的な若い社員のモチベーションを下げる結果につながります。

ストレスが溜まってしまう

トップの顔色をうかがい逆らえない企業では、少しでも良くしようと現場からさまざまな声を上げてもまったく意味がありません。

そういう状況が続くと、ストレスが溜まって仕事をする気力さえ失せてしまいます。これも企業風土とのミスマッチの例でしょう。

堅苦しい企業風土は伸び伸びとした社員の良い面を伸ばせず、萎縮した社員はストレスをどんどん溜める結果となってしまいます。

企業風土が合わない会社に就職してしまう原因


企業にとって社員との共有した意識は大切なことですが、暗黙のうちに根付いたルールには不要なことがあるのも事実です。

そういった不要なルールに馴染めない人は退職してしまうのですが、これは就職前には分からないことなのでしょうか。

企業について調べたにもかかわらず、企業風土が合わない会社に就職してしまうのは何故なのか・どのような原因があるのかを解説します。

焦って就職してしまう

その企業のことを充分把握していないまま、焦って就職したことが挙げられます。

就職先の企業の仕事内容や待遇は調査しますが、企業風土についてはなかなか把握しにくいものです。

特になかなか就職が決まらなくて焦っている場合は、なおさら企業について深く調査することなく入社を決めることが多いです。

入社してはじめて企業に根付いた風習を感じて、馴染めないで悩むこともあるでしょう。

企業・業界のリサーチが不十分

就職しようとする企業のリサーチ不足も企業風土の合わない会社へ就職してしまう原因です。

特に歴史のある企業や業界の場合にはよりしっかりとリサーチをする必要があります。

自分に合った会社かどうか、企業風土はその会社に長く勤めるためにも見極めが大切な企業の特徴です。

ただ企業文化と企業風土の違いを明確にしないまま入社を決めてしまい、入社後企業風土が納得できないと悩む人もいます。

同じように企業と社員共有の意識であっても、企業文化は経営陣のピジョンに基づく価値観や行動です。

古くから暗黙のうちに守られているルールである企業風土については、企業文化とは切り離してリサーチする必要があるので注意してください。

自分に合った企業風土かを見極めるポイント


就職先の企業風土が自分に合っているかを見極めるためには何が必要なのかを解説します。

見極めるためにはポイントを押さえて調査する必要があります。

お伝えしたように企業風土はもとからある暗黙のうちに企業に広まる習慣やルールで、企業経営陣がピジョンとして掲げた企業文化とは違います。

混同しないように注意が必要です。自然に企業内に広まって行ったルールもあるのだと知った上での見極めが必要なのです。

企業のインタビュー・サイトに目を通す

企業についてのインタビュー・サイトを確認することで、おおよその企業風土が見えてくることがあります。

企業風土とともに企業文化や組織文化といった、社員との共有意識によって作り上げている社風も感じることができるのです。

企業トップの考え方や企業自体の体質が分かる場合もあるので、ホームページで確認するだけでなく、積極的にリサーチしましょう。

面接・面談で質問する

面接の逆質問や面談で質問することで企業風土を確認することもある程度可能です。

「御社では社員は一日のスケジュールをどのように立てていますか」「配属予定の部署はどのような雰囲気ですか」などと質問します。

出社時間・残業・人間関係・などその企業の持つ風土が回答から分かる場合もあります。

企業の口コミを参考にする


信頼できる口コミサイトで、口コミを確認することも企業を見極めるポイントの1つです。

実際にその企業に勤務している人や経験者の口コミは企業風土を確認する上で大いに参考になります。

口コミ情報の中に企業風土と思える社風が見えてくる場合があるため、より多くの口コミ情報を見て企業の実態を見極めることが大切です。

転職エージェントで情報を得る

さまざまな企業を知る転職エージェントで、その企業についての情報を得ることも方法の1つです。

求人情報や企業サイトでは見えない企業風土についてもアドバイスが期待できます。

口コミ情報で企業風土を見極められることもあるのです。GeeklyReviewでは口コミ閲覧とともにさまざまな企業一覧を見ることができます。

働く環境ランキングを確認する

企業の社風を知りたいなら経験者の口コミをチェック


口コミ情報からは企業のホームページなどでは確認できない企業の風土や社風が見えてくる場合があります。

中にはネガティブな口コミもあり、もちろんそれは必ずしも絶対的なものでない場合もありますが、社風を知る目安になります。

企業風土は長い歴史の中で、社員達に共通意識として広まり定着した風習のようなものです。

社風はその企業の全体的な雰囲気のため企業風土とは違うのですが、口コミの場合にはその社風からも企業風土を感じることができます。

口コミ情報で企業風土について見えてくるのはどのようなことなのか例を挙げてみましょう。

  • 毎朝朝礼時にラジオ体操を行う
  • 新入社員は誰よりも早く出社すべき
  • 残業30分はサービス

毎朝朝礼があり、その後ラジオ体操をするというのは決して悪いことではありません。しかし、そういう風習には耐えられないと考える人がいるのも事実です。

新入社員は誰よりも早く出社する・女子社員は朝お茶を淹れる・少しの時間はサービス残業なども古くからの企業にはありがちな風習です。

あたり前と考える人もいれば、受け入れられない人もいるでしょう。社風としては歴史を感じられる老舗的と好意的に感じる人もいるのです。

ただ、口コミ情報でこういった企業体質だと事前に分かれば、参考になるのではないでしょうか。

GeeklyReviewでは企業風土を事前にチェックすることのできる口コミ情報を数多く閲覧できます。

企業風土などのチェックが可能な企業一覧も併せて確認することができます。

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企業風土は就職・転職で重要な要素


お伝えしてきたように、企業風土は就職・転職には重要な要素といえます。

ある人には何でもないあたり前の風土が、ある人にとってはどうしても馴染めず退職のもとになってしまう場合もあります。

就職・転職時は企業風土についてもしっかりとリサーチして把握しておくことが大切です。

入社前後のギャップが少ない企業一覧

GeeklyReviewでは入社前後のギャップが少ない次のような企業一覧を確認でき、口コミ閲覧では社風など企業情報も見られます。