エドテックは、教育分野でITを活用したものであり、近年注目を集める活用方法です。
IT業界に興味があり、エンジニアを目指している人などは、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、具体的な意味や注目される理由、代表的なサービスなど詳しく知らない人は多いかもしれません。
そこで本記事では、エドテックの注目される理由や代表的なサービスをご紹介します。有名企業もご紹介するので、転職を検討されている方は参考にしてください。
エドテックとは
エドテックとは、教育部門にテクノロジーを組み合わせた造語です。正式にはEducationとTechnologyの組み合わせたEdTechという言葉になります。
エドテックとは、学校や塾などの教育現場に使用するサービスやアプリなど配信サービス全般です。
例えば、オンライン学習サービスなどが一例として挙げられます。自宅や外出先など、場所を問わずいつでも授業が受けられるサービスです。
また、生徒の学習状況を管理するツールなどもエドテックの一例となります。
エドテックが注目されている理由
教育の現場にITを活用しさまざまなサービスを提供するエドテックですが、近年注目が集まっているのはなぜでしょうか。
ここでは、エドテックが注目されている理由について解説します。
教員の過酷な労働環境
1つ目の理由は、教員の過酷な労働環境です。業務負荷が大きく、教員には長時間労働など非常に大きな負担がかかっている状況といえます。
これは、教育の分野にITツールが未導入であったことや、非効率的な仕組みで行われていたなどさまざまな原因によるものでした。
そのため、教育現場の働き方を改善しようと考えられはじめ、エドテックが注目されたのです。
エドテックを上手く活用できれば、以下のような管理や作業を実現できます。
- 生徒の課題の進捗管理
- データ上での問題集作成
- オンライン授業
これらの作業の効率化が図れるため、教員の負担も軽減できるでしょう。労働環境改善が見込まれるのでエドテックは大きく注目されているのです。
ライフスタイルの変化
2つ目の理由には、IT化やテクノロジーの進化によるライフスタイルの変化が挙げられます。
近年、IT化が進みテクノロジーが進化したことで、AIがさまざまなサービスに取り入れられるようになりました。
また、SNSにより誰でも簡単につながることができ、それらを利用するデバイスも進化を続けています。
そのため、技術の進化によりライフスタイルも大きく変化し始めたのです。この流れから、これまでアナログだった教育現場にもテクノロジーを取り入れようとする動きが加速しました。
ライフスタイルの変化を起こすほどのテクノロジーの進化は、第4次産業革命ともいわれており、この革命が教育分野にも影響し始めたのです。
小学校でのプログラミング教育の推進
小学校でのプログラミング教育の推進が行われていることも、エドテックが注目される理由に挙げられます。
プログラミング教育は2020年から必修教育となりました。これは、プログラミングの授業として独立しているわけではありません。
各授業にプログラミング的な論理的思考を取り入れ、能力を伸ばす工夫がされた教育となります。
この教育を行う上で、エドテックは欠かせません。コンピュータやAIの構造などを学ぶためです。
パソコンやタブレットを使って授業を行うこともエドテックの一環となります。このような教育内容にも変化があったことで、エドテックは注目されるようになりました。
エドテックの市場規模
エドテックの市場規模は日本だけの話ではありません。世界規模でエドテックは注目されているのです。
ここでは、エドテックの市場規模について、世界と日本に分けて解説します。
世界的に注目されている
エドテックは世界的にも注目される状況です。国内に限らず世界のIT企業が相次いで教育分野に参入し、さまざまなサービスを提供しています。
特にエドテックが生まれたアメリカでは、数多くのサービスが取り入れられ、教育環境が進化を遂げているのです。
また、現在は中国などでもさまざまな企業がエドテックに力を入れています。このように、多くの国でエドテックは注目されており、世界的に市場規模を拡大させているのです。
国内でもさらに拡大していく
日本においても、政府の後押しもありエドテックの市場規模はさらに拡大していくと考えられています。
経済産業省は2018年に「未来の教室とEdTech研究会」を立ち上げました。エドテックを推進するためのものです。
一方、現在は発展途上の段階となります。これは、学校や自治体によってエドテックの導入の進み具合に違いがあるためです。
最新技術やデバイスに対応できる教員が多くない現状もあり、全ての教育現場にすぐに導入は難しいでしょう。
しかし、デバイスや最新技術に対応できる教員の導入・育成なども積極的に力を入れられており、エドテックの市場規模はさらに拡大していくと考えられます。
また、エドテックの市場規模は、企業情報からも知ることができるので、GeeklyReviewに掲載されている企業の仕事内容や口コミなども参考にしましょう。
エドテック企業は社会的貢献度も大きい
エドテックの効果は教育だけではありません。エドテック企業は経済格差による教育レベルの差や収入格差による学習機会の差を埋めることにも有効であり、社会的貢献度も大きいといわれています。
これは、オンライン授業などにより、誰でも時間や場所を問わず学べる環境になるためです。
企業が提供するサービスなので有料のサービスもありますが、無料で受けられる講習も存在します。
そのため、高校や大学に通っていない人も通っている人と同様の学習を、いつでも学べるようになるのです。
教育を受けることで格差を埋めることができるので、社会的貢献度は非常に高いと考えられます。
エドテックが実現した代表的なサービス
エドテックの社会的な貢献度や注目される背景を把握できたことで、将来性のある分野であることがわかりました。
それでは、具体的なサービスはどういったものがあるのでしょうか。ここでは、エドテックが実現した代表的なサービスをご紹介します。
オンライン学習
最も身近なサービスとして定着し始めているものがオンライン学習です。インターネットを通じてどこからでも、さまざまな講義を受けられる方法となります。
日本オープンオンライン教育推進協議会が設立し、幅広い講義内容の配信が行われることで色々な学習を受けられるようになりました。
また、オンライン学習の中には、英会話やプログラミングなどの学習ができるサービスなども登場しています。
アダプティブラーニング
アダプティブラーニングとは、個人に最も効果的な学習方法を提案する方法です。
各生徒の学習状況や回答などのデータを蓄積・分析を行い、生徒の弱点や思考の癖を考慮したうえで最適な学習方法を示します。
学習内容・レベル・進度などを各生徒ごとで提案するので、その生徒にとって最も効率の良い勉強方法となるのです。
パソコンやタブレットの普及
パソコンやタブレットの普及も代表的なサービスのひとつといえます。
パソコンやタブレットは、それ自体で学習のツールとして使用できますが、活躍の場はそれだけではありません。
学習アプリなどのさまざまなサービスに対応し、いつでも利用可能な環境になりました。
学校では、パソコンやタブレットを使用する授業も増え始めているので、効率的な授業が行えます。
また、グローバル化に対応できる人材育成のためには、早くからパソコンやタブレットなどのツールに触れることは大きく役立つでしょう。
これらのことから、パソコンやタブレットの普及は、エドテックの代表的なサービス事例だと考えられます。
国内のエドテック有名企業3選
エドテックの代表的サービスを把握できましたが、それらのサービスを展開する企業について知ることも大切です。
ここでは、国内のエドテック有名企業をご紹介します。IT業界に興味がある方や、転職に向けて企業研究をしている方は参考にしてください。
株式会社ベネッセコーポレーション
1つ目の企業は、進研ゼミシリーズを展開する株式会社ベネッセコーポレーションです。0歳〜18歳まで、多彩な学習教材を展開しています。
学習教材の中には、各種デバイスを利用した英語学習サービスや24時間体制のWebページの運営をしており、いつでも質問ができる環境を整えている点が特徴です。
また、子供の苦手分野を把握するため、定期的な診断や定期テストのデータを蓄積・分析することで対策教材を提供しています。
スタディプラス株式会社
スタディサプリと呼ばれるオンライン学習サービスを提供する企業です。
スタディサプリの特徴は、有名予備校出身講師の講義動画をいつでも繰り返し見れる点が挙げられます。
また、月額980円という低価格でこれらのサービスを受けられる点も魅力です。4万本以上の講義動画を、いつでもこの価格で視聴できます。
さらに、各生徒の学習目的に合わせて、定期テスト対策・受験対策といったコースが用意されていることも特徴です。
ユームテクノロジー株式会社
UMUと呼ばれるオンライン学習プラットフォームを販売するエドテックのベンチャー企業となります。
UMUでは、単純に学習を行うツールとしてだけでなく、AIを活用したトレーニングや手軽なコンテンツ作りにも対応しているのです。
例えば、学習者からの提出物をもとにAIが分析し、即座にフィードバックすることでスムーズに自主学習を促します。
このように、誰でも学習者にも指導者にもなれるプラットフォームである点が特徴です。
人気のエドテック企業の口コミを見てみよう
エドテック企業は、先述した企業の他にも多数あります。オンライン学習サービスといっても、そのサービス内容はさまざまです。
そのため、具体的なサービス内容や仕事内容を知るには、企業情報だけでなく実際に働く人の声を参考にするといいでしょう。
GeeklyReviewでは、さまざまなエドテック企業の情報を掲載しています。人気の高いエドテック企業も多数掲載しているので、仕事内容だけでなく口コミなども参考にしてください。
IT業界の中でもエドテックの将来性は高い
エドテックは教育とテクノロジーをかけ合わせたもので、これまでの教育現場を新しく変えてくれるものです。
そのため、IT業界の中でも将来性が高い分野といわれています。IT業界の仕事を探している人も興味を持つ人は多いのではないでしょうか。
これから転職を考える人は、エドテック企業やその仕事内容などチェックする情報が沢山あります。
GeeklyReviewでは、企業のさまざまな情報を掲載しており、実際に働く方の口コミなども見ることができるので、ぜひご利用ください。
エドテックを扱う企業一覧
GeeklyReviewでは、下記のようなエドテックを扱う企業を確認することができます。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。