IT業界の規模は年々拡大しています。そして今後もエンジニアの不足は続くでしょう。

2019年3月に経済産業省が公表した調査によると、2030年にはエンジニアの不足数が、最大で79万人に上るという試算があるほどです。

そんなエンジニアですがどのくらいの年収なのでしょうか?年代別平均年収や、エンジニアの中でも年収が高い職種について、知りたいところです。

そこでこの記事ではそれらについての解説と、年収をアップさせるコツについて公開しています。

現在、エンジニアとして働いている方や、これからエンジニアを目指す方は、ぜひ参考になさってください。

エンジニアは高収入のイメージが強い


一般にエンジニアの収入は高いとイメージされています。じつはイメージだけではなく、実際に他の職種よりも高収入であることが普通です。

ただし一口にエンジニアといっても様々で、年収に大きな開きがあるのも特徴となっています。

さらに経験年数やスキル、企業規模にも左右されるので、他の職種よりも高収入ではあるものの、エンジニア同士で比較すると差が出るのです。

エンジニアの年代別平均年収


それでは実際にエンジニアの年収をチェックしましょう。まず2020年の平均年収ですが452万円です。これは全職種平均の409万円を大きく上回っています。

年代別平均年収は20代が372万円、30代が511万円、40代が615万円、50代以上が691万円です。

年代が上がるにつれ年収も上がっていますが、35歳前後までは技術レベルの高さや実務能力で評価され、30代後半からはマネジメント能力で評価されるためです。

エンジニアの中で年収が高い職種は?


エンジニアも職種によって年収は違います。次のエンジニアについて、その平均年収をみていきましょう。

・システムアナリスト

・UI/UXデザイナー

・ITアーキテクト

・ITコンサルタント

・フロントエンドエンジニア

仕事についての簡単な解説もしていきましょう。

システムアナリスト

システムアナリストとは情報システムの分析や評価・提案を行う職種です。 システムデザイナー、もしくはシステムプランナーとも呼ばれます。

具体的にはクライアントの情報システムの管理について、現在の状況はどうなのか詳細にヒアリングを行うことが第一歩です。そして問題点や改善点を把握します。

そのうえで、クライアントのニーズに沿って問題を解決し、情報システムの改善を行うのです。

システムアナリストの平均年収は1,609万円と高収入になります。

UI/UXデザイナー

UIデザイナーとはユーザーにとって使いやすいデザインを実現させる職種です。具体的にはターゲットの年齢層に合わせてデザインを行います。

例えば文字が読みやすいか、クリックがしやすいかなど、使いやすい画面に仕上げることが目的です。

それに対しUXデザイナーはユーザーにとって楽しく心地よいデザインを体感してもらう職種となります。

具体的にはビジネスの戦略を具体的な形に、落とし込む方法を考える仕事ということです。

いずれもユーザーを対象にしたデザイナーなので年収は変わりません。UI/UXデザイナーの平均年収は1,000万円です。

ITアーキテクト

ITアーキテクトはシステム開発での共通仕様や要件定義、システムのあり方を検討して提案し、システム全体の方向性や仕組みから実際の運用や保守まで提示するエンジニアです。

求められることはITに関する幅広い知識と、経営戦略への深い理解であり、システムの最終的な仕上がりを任されることになります。

ですから平均年収は975万円と高給です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントとは顧客の業務内容を分析し、経営戦略や問題解決のための情報システムを構築するエンジニアです。

ITコンサルタントはクライアントが抱える経営課題や、業務課題を解決することが目的となります。

クライアントの現状と課題を理解した上で、IT組織の変革が必要なのかどうかの判断や、その課題を解決するためにIT活用が妥当な策なのかを検討します。

ITコンサルタントの平均年収は584万円です。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアとはWebサイトやWebサービスの「フロントエンド」を設計し構築するエンジニアです。

具体的にはWebデザイナーのデザインをもとに、HTML・CSS・JavaScript(jQuery)・PHPの設計や実装、WordPressなどのCMS構築や、カスタマイズを担当します。

フロントエンドエンジニアの平均年収は809万円です。

エンジニアの年収をアップさせるコツ


エンジニアの年収をアップさせるコツは、生涯を通した年収のアップを心がけることです。

仮に転職した際に年収が下がったとしても、入社後に経験を積んだりスキルアップをすることで、年収を上げていくことは可能でしょう。

次の3つのコツで年収アップを目指してください。

・専門知識やスキルの習得

・実務経験を積む

・人脈づくりも大切

それぞれ解説していきます。

専門知識やスキルの習得


エンジニアに要求される専門知識やスキルは、日々変化しているといっていいでしょう。

例えば様々な分野での、システム構築需要の高まりや、外国人技術者の受け入れの増加、既存サービスのIT化などです。

これらの要求に応えるためには、担当業務に関連した別分野の知識の習得や、外国人とのコミュニケーション能力、IT業界以外の業界の知識が必要になります。

また希少性の高いスキルを磨くことも大切です。例えばビッグデータやAIの分野では、機械学習やディープラーニングの活用実績を持つ人材は、まだまだ十分とはいえません。

つまり狙い目のスキルということになります。

また専門性の高いスキルを磨くこともおすすめです。例えばクラウドやセキュリティの分野がおすすめです。

専門知識やスキルの習得により会社から評価されれば年収はアップします。

実務経験を積む


システムの設計や要件定義など、少しでも上流の工程を経験しておくことは大切です。

開発の全体像を見渡すことで、プロジェクトリーダーへの道が拓けます。

プロジェクトリーダーの経験があれば、転職の際にも有利に働くでしょう。

なお実務経験を積む上で心がけたいことは、職務経歴書に書くつもりで仕事に当たることです。

職務経歴書には実務の具体的な内容を記載しなければなりません。

ですから、どんな仕事をどのように行ったのか、把握することに繋がります。

人脈づくりも大切

エンジニアは1人でコツコツ仕事をすると、思っている方もいるかも知れませんが、それは間違いです。

プロジェクトを完成させるには、様々な打ち合わせが行われ協力しながら進めます。

そこで必要になるのはコミュニケーション能力です。コミュニケーション能力に長けたエンジニアなら、人脈づくりも苦にならないでしょう。

社の内外を問わず人脈を広げるように心がけてください。

現職エンジニアの口コミも年収アップのヒントに


ネット上で見ることができる現職エンジニアの口コミも、年収アップのヒントになります。社内での教育制度が整っているのかどうかや実際の残業時間。

年収についてもリアルな情報が得られるでしょう。特に同じ分野のエンジニアの口コミは貴重です。

気になる企業があるのならGeeklyReviewで調べてみてはいかがでしょう。

GeeklyReviewでは数多くの企業情報を口コミ形式で紹介しています。エンジニアの口コミも掲載されているので、転職対策にぜひご活用ください。

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年収以外で企業を選ぶポイント


年収以外にも企業を選ぶポイントはあります。まずは福利厚生などの待遇です。待遇の悪い企業は人を大切にしません。

いわゆるブラック企業がその代表ですが、入社前にしっかり調べておく必要があります。

また人事考課の際の評価基準についても、つかんでおきたいところです。それぞれ解説しましょう。

待遇

待遇面では福利厚生が整っているのか確認しましょう。また介護や出産に関する、休暇制度が充実しているのかもポイントです。

これからの時代は男性も育児にかかわることが普通になります。男性の育児休暇についてもチェックしましょう。

交通費も大切です。通常は全額会社負担ですが、会社によっては上限を定めていることがあります。

実際の交通費との差額が大きいと、最初はよくても徐々に負担が大きくなります。

評価基準

人事考課の際の評価基準も事前に押さえておきたいポイントです。どのような基準で評価されるのかは、サラリーマンにとっては大きな関心事でしょう。

また社内で経験を積み、スキルアップをしたときには、それが評価されるかどうかも重要です。

通常、企業は人事考課の評価基準を、外部には明らかにしないものですが、面接などの際にはきちんと確認しておいてください。

入社後に「こんなはずではなかった」では遅いのです。職能給や職務給などの評価基準が明確で、仕事の成果が年収に反映される企業を選びましょう。

高収入エンジニアを目指すなら業界や企業研究も重要


高収入エンジニアを目指すのであれば、業界や企業研究も重要になります。業界にとって今何が問題なのか、その企業にとって必要なことは何かなど、できる限り調べることです。

そして自分なりの解決策を見つけ出しましょう。これを繰り返すことで、業界や企業についての理解が深まります。

常に問題意識を持って仕事に取り組むことも大切ですが、業界の動向について理解していれば、結果はさらに良いものとなるはずです。

なお企業研究には口コミも重要な情報となります。GeeklyReviewで口コミをチェックするのもおすすめです。

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エンジニアの将来性は高い


冒頭にもお話しましたが2019年3月に、経済産業省が公表した調査によると、2030年にはエンジニアの不足数が、最大で79万人に上るという試算が出ています。今でもエンジニアは人材不足ですが、将来はさらに不足するわけです。

またビッグデータやAIの分野では、機械学習やディープラーニングの活用実績のあるエンジニアが、さらに求められるようになります。

ですからエンジニアの将来性は高いといえるのです。

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