ゲーム業界の市場規模は年々拡大し続けています。そしてそれを背景にゲームクリエイターを目指す人も増加中です。
そこでこの記事では、ゲームクリエイターになるまでの流れを徹底解説しました。併せてゲームクリエイターに必要なスキルや、向いている人の特徴も紹介しています。
ゲームクリエイターを考えている方や、興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。
ゲームクリエイターを目指す人は増えている
昨今では従来からのゲーム専用機に加えて、パソコンやスマホなどゲームのプラットフォームが多様化しています。
またeスポーツの世界的な人気から、ゲーム業界の人気は高いものとなっています。
角川アスキー総合研究所が2020年11月5日に公開した、世界のゲーム市場に関する調査報告「グローバルゲームマーケットレポート2020」によると、2020年の世界ゲーム市場は前年比19.6%増となる、1,749億ドル(約18兆3,758億円)に達しました。
中でもスマホやタブレットのモバイルゲームの伸びは大きく、前年比25.6%増の863億ドル(約9兆664億円)となっています。
そんな好調なゲーム業界は注目を集めており、ゲームクリエイターを目指す人が増えているのです。
ゲームクリエイターの主な職種と仕事内容
ゲーム制作はアニメや映画と同様に役割を分担して行います。ですから一口にゲームクリエイターといっても、職種によって仕事の内容は異なります。
ここではゲームクリエイターの主な職種と、仕事の内容について解説しましょう。解説するのは次の5つの職種です。
- プロデューサー
- プログラマー
- ディレクター
- グラフィックデザイナー
- プランナー
プロデューサー
ゲームの企画から開発・販売にいたるまですべてを統括する総責任者です。予算についても仕切りますから、映画のプロデューサーと立場は変わりません。
必要な人員の確保やスケジュールの調整・声優の選定やプロモーション・広告宣伝活動まで行うので、ゲーム開発の川上から川下まで携わるキーパーソンといえます。
ゲームの制作について深い知識と理解がないと務まらないので、ディレクターを数年経験したあとにステップアップするという流れが一般的です。
プログラマー
ゲームの開発指示書(企画書)に従い、プログラミング言語を用いて、ゲームのプログラムを行います。
プレイヤーの操作でキャラクターが自在に動き回るのは、ゲームプログラミングのおかげといえます。
複雑なRPG(ロールプレイング・ゲーム)などは、手間も時間もかかるので、苦労の多い裏方かも知れません。
なおゲームの制作会社やゲームの種類によって使用するプログラミング言語は異なります。
またゲーム業界は常に変化が激しいので、自身のスキルを磨き続ける必要もあるでしょう。
ディレクター
ゲーム開発の現場のリーダーがディレクターです。CGデザイナーやプログラマーの進行管理を行い現場をまとめます。
ですからそれぞれの職種について、熟知していなければなりません。場合によってはディレクターがサポートに回ることもあります。
ゲーム開発全体を把握している必要があるので、高いスキルが要求される職種です。ディレクターを何年か経験すると、プロデューサーへのステップアップが可能となります。
グラフィックデザイナー
主にCGを用いてゲームの背景やキャラクター、小道具類などをデザインする職種です。
ゲーム世界を実際に描くことになるので、高い画力やセンスが求められます。
CGも2Dに加えて3Dも多用することになるので、ソフトの扱いに慣れていなければなりません。
近年では優秀なソフトが開発されているので、以前に比べれば作業量は減っているようです。
なお、デザイナーは工程ごとに細かく職種が別れています。
- モデリングデザイナー:キャラクターやゲーム内の建物などを3D化する
- モーションデザイナー:キャラクターに動きをつける
- 背景デザイナー:ゲームの背景をデザインする
- エフェクトデザイナー:炎や爆発などを演出する
実際の制作現場ではこれらの職種を兼務することもあります。
プランナー
ゲームの企画立案を行う職種です。トレンドを調査しゲームのテーマを策定して、システム全体のプレゼンテーションを行います。
ゲームの企画立案や仕様書の作成、進行管理やテストプレイ、集計・分析・解析まで携わります。
ときにはゲームのシナリオ作りに参加したり、プログラマーに指示を出したりなど、業務の範囲が幅広いのが特徴です。
業務の範囲が広いので、必然的に多忙になりますが、ゲーム好きにはたまらない職種といえます。
トレンドの調査から業務が始まるので、マーケティングの基礎知識があった方がよいでしょう。
ゲームクリエイターの年収はどのくらい?
ゲームクリエイターの平均年収は、2021年1月の調査では正社員で約497万円となっています。
職種別ではプロデューサーの平均年収は正社員で約546万円です。プログラマーの平均年収は正社員で約498万円となります。
ディレクターの平均年収は正社員で約520万円です。グラフィックデザイナーの平均年収は正社員で約496万円となっています。
プランナーの平均年収は正社員で約500万円といったところです。プロデューサーの中には年収が1,000万円を超える高所得者もいます。
ゲームクリエイターになるには?
ゲームクリエイターになるには大きく2つの道があります。まずは専門学校や大学で学んで就職をする方法です。最も一般的といってよいでしょう。
もう1つは独学で学んで能力を身につける方法です。それぞれ解説しましょう。
専門学校や大学で学ぶ
かつてはゲーム開発に関する知識を学ぶには、専門学校に通うしかありませんでした。しかし現在では多くの大学にゲームコースが設置されています。
国立大学である東京藝術大学にも、2019年から大学院映像研究科内にゲームコースが設置されました。
ゲームの制作には必ずしも学歴は必要ではありませんが、制作会社の多くは専門学校卒以上や大卒以上といった規定を設けています。
特に将来的には企画職であるプランナーや、プロデューサーを目指すのなら、大学を卒業しておいた方が有利です。
独学で学ぶ
ゲームのプログラミングを独学で学ぶ方法です。具体的にはゲームの制作会社が開催するコンテストに応募して、何らかの賞を受賞することで注目を集めます。
ほかには自分が作ったゲームを制作会社に持ち込んで、売り込みを図るという方法もあるようです。
そのゲームがユニークで面白いものなら、制作会社のクリエイターの目に留まりますが、その確率はなんともいえません。専門学校や大学で学んだ方が早道でしょう。
またゲームクリエイターにとって、就職先でスキルアップできるのかどうかも、大切な要素となります。
GeeklyReviewではゲーム業界の企業の口コミを多数掲載しています。
その職種で働いている人・その企業にいる人の実際の声を聞いてみるのも大事なことです。ぜひ参考にしてください。
ゲームクリエイターに必要なスキル
ゲームクリエイターに必要なスキルはいくつかあります。プログラミングスキルやデザインソフトを使いこなす技術・分析力や企画力・そしてコミュニケーション能力です。
ここではもっとも大事なプログラミングスキルと、コミュニケーション能力について解説します。
プログラミングスキル
ゲームクリエイターにまず必要なスキルはプログラミングです。C言語・Java・Python・PHPなど、制作会社やゲームによって使われるプログラミング言語は異なります。
プログラマーを目指すのであれば、これらのプログラミング言語を網羅的に学習することが必要です。
デザイナーやプランナーなどを目指す方は、必ずしも精通している必要はありません。
しかしプログラミング言語の成り立ちやその仕組みを理解しておくことは、制作工程におけるコミュニケーションの取り方にも関わることなので、押さえておくべきでしょう。
コミュニケーション能力
ゲームの制作にはさまざまな職種の人が数多く携わります。制作工程も多いのでその都度、打ち合わせが行われることになります。
ここで求められるのはコミュニケーション能力です。多くの人の共同作業で制作が進められるので、意思の疎通は非常に大切になります。
ときにはプログラミングにまで話が及ぶため、プログラマーでなくても最低限のプログラミング言語の知識は必要です。
コミュニケーション能力が高ければ、自身の考えを正確に伝えることにより、相手を的確に動かすことができます。
またその逆に相手の考えを正確に理解できれば、相手が期待することに応えられるでしょう。
ゲーム制作は共同作業だということを忘れないでください。
ゲームクリエイターに向いている人の特徴
ゲームクリエイターに向いている人には、ある共通の特徴があります。それは企画力があり発想が豊かなことです。
物事を論理的に考えることができることや、さまざまなゲームに興味があることも大切です。それぞれ解説しましょう。
企画力・発想力がある
ゲームクリエイターは自分たちが制作したゲームを、プレイヤーに面白いと思ってもらわなければなりません。
そのためにはゲームの世界観の構築や、独自のシステムなどを提供する必要があります。想像力を膨らませて、ほかにはない企画を生み出すことが、とても重要です。
何かを思いついたら忘れないうちにメモしておく癖をつけましょう。
論理的に物事を考えられる
そのゲーム独自の世界を作り上げるためには、論理的に考えることが必要になります。理詰めで世界を構築していかないと、ほころびが生じて破綻してしまいます。
そうなるとプレイヤーはゲームを進めようとは思わないでしょう。起承転結といった物語性も大切ですが、そのベースとなる世界観の確立はもっとも重要といえます。
さまざまなゲームに興味がある
これはそもそも論ですがゲームクリエイターは、さまざまなゲームに興味がないと務まらない職業です。
さらにゲーム以外のアニメや映画、小説やテーマパークなど広く興味を持つことも大切になります。
なぜならその中に次のゲームのヒントが隠されているかも知れないからです。特に深く追求することはありません。
広く浅く何でも興味を持つという姿勢が大事なのです。
ゲームクリエイターに興味があるなら実際に働いている人の声を聞いてみよう
ゲームクリエイターに興味があるなら実際に働いている人の声を聞いてみましょう。ゲーム業界や企業をよく研究することが大切です。
ただしネットで収集できる情報は日々変化するものです。特にゲーム業界は変化が激しいので、まめにチェックする必要があります。
また自分がゲームクリエイターに向いているのかどうかも、再確認しておいた方がいいかも知れません。
GeeklyReviewで、その企業にいる人・その職種で働いている人の実際の声を聞いてみましょう。
ゲーム業界の発展はまだまだ続く
冒頭でもご紹介しましたが、ゲーム業界の市場は年々拡大しています。
ゲーム専用機も人気ですが、スマホやタブレットといったプラットフォームは、これからますます重要になるでしょう。
さらにeスポーツは将来的にはオリンピックの種目になるのではという見方さえあります。
IT業界ではAIの発達により、消滅する職種があるといわれていますが、ゲームは人間の想像力が源です。ゲーム業界の発展はまだまだ続くでしょう。
ゲームクリエイターが活躍している企業一覧
GeeklyReviewでは、ゲームクリエーターが活躍する企業の口コミをご覧いただけます。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。