2018年の働き方改革関連法案可決後、同一労働同一賃金のガイドラインが策定されたり、時間外労働の上限を設けたり、働く環境の見直しが大々的に行われてきました。

働き方改革が進められる中、労働環境改善に関する独自の取り組みを行う企業も増えています。

今回は、働きやすい会社のランキングをご紹介し、ホワイト企業といわれる企業の特徴や認定制度などを詳しくご紹介していきます。

働きやすい会社とは?


働きやすさや働きがいに関して、厚生労働省は2014年に「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」を作成しました。

その中で、人材育成策業務管理・組織管理策が影響していると指摘しています。

自分の能力を高めてくれるかどうかが、働きやすい会社を見極める大きなポイントとなっているのです。

ここからは、働きやすい会社ランキングトップ3から、各企業の取り組みを詳しくご紹介します。

働きやすい会社ランキング


労働時間の短縮や福利厚生の充実など、働きやすいといわれる企業では様々な取り組みが行われています。

ランクインした3つの企業は、従業員の負担を軽減しつつも業績を向上させる工夫がなされているのです。

選出企業の働きやすさへの取り組み>を詳しく見ていきます。

サントリーホールディングス

https://geeklyreview.com/company/company-14328

1位はサントリーホールディングス。この企業は、厚生労働省の「キャリア支援企業表彰2013好事例集」にも選出された優良企業です。

評価ポイントは「従業員一人ひとりの成長とキャリア自律を支援」している点。

フレックス制度やテレワークの拡大など、長時間労働削減の取り組みも進められています。

味の素

https://geeklyreview.com/company/company-24608

2位の味の素は、厚生労働省による第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」において、奨励賞を受賞している企業です。

評価ポイントは、「労働時間短縮と生産性向上を実現」していることです。

「研究職の裁量労働制」や「No残業デーの実施」など、長時間労働の要因への対策を講じるとともに、ICTを活用したテレワーク導入で生産性の向上も実現しています。

トヨタ自動車

https://geeklyreview.com/company/company-20364

3位のトヨタ自動車では、「一人ひとりが生産性高く、能力を最大発揮し、いきいきと働ける職場を実現」する「柔軟な働き方への変革」に取り組んでいます。

在宅勤務制度の導入はもちろんのこと、年次有給休暇の取得促進にも力を入れています。

また従業員の健康への意識も高く、心理学専門スタッフによる若手社員のメンタルケア体制も充実しているのです。

働きやすい会社の特徴とは?


厚生労働省も推奨する働きやすい会社の取り組みを見てみると、共通するポイントがあることがわかります。

ここからは、働きやすい会社と評価される企業に多い特徴をご紹介していきましょう。

GeeklyReviewでは、企業の口コミを閲覧でき、働きやすさの実情なども把握できます。

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離職率が低い

従業員が働きやすい、居心地が良いと感じる会社は、自然と離職率も低くなるという特徴があります。

いわゆるブラック企業といわれる労働環境では、働けど働けど成果が出ない、実績も認めてもらえないという悪循環に陥り、従業員の仕事に対するモチベーションが維持できません。

従業員のモチベーションを維持するために大切なことは、頑張った分だけきちんと成果が実感できる体制であることです。

従業員の努力が日の目を見るような仕組みづくりが大切になってきます。

働きやすい会社では、技術支援など個人の能力向上のサポート体制も整っているところが多数です。

自分の成長を実感することができることも大きな特徴といえるでしょう。

福利厚生が整っている


働きやすい会社では、休暇制度や近年拡大している在宅勤務の手当など、福利厚生が充実している傾向にあります。

国が重要施策として取り組む「女性活躍推進」の影響もあり、育児・介護休暇という女性が働きやすくなる制度に取り組む企業も増えているのです。

プライベートを犠牲にせず、心地よく働き続けられることが大きなポイントとなっているのです。

また、テレワーク推進の影響から、在宅勤務に必要な手当や支援に取り組む企業もあります。

こうした企業は、一斉に出社し仕事をこなすという従来の働く形から、さまざまな場所で勤務する形へ、多様化する働くスタイルに柔軟に対応できている企業ともいえるでしょう。

平均より給与が高い


働いた分に見合った報酬が支払われることは、基本的なことですが実は非常に重要視されるポイントです。

働きやすい会社の多くは、他社と比べて平均的な給与が高い傾向にあります。

転職するにしても、今勤めている会社より給与が低ければ、会社を移るメリットがありません。

給与を高めに設定していることは、従業員の労働価値を大切にしている企業理念の現れといえるでしょう。

残業や長時間労働が削減されている


ブラック企業で問題視されていることのひとつに「長時間労働」があります。残業代も出ないのに、業務が終わっていないという理由で残業をさせる会社は、働きやすいとはいえません。

働きやすいと評価される会社は、従業員の勤務時間の管理が徹底している傾向にあります。限られた時間内でいかに生産性を高めるかといった支援に力を入れる企業も多いのが特徴です。

従業員個人の能力を向上させる取り組みを行っている企業もあります。

自分の成長を実感できモチベーションアップにもつながる環境は、働きやすい、働きがいがあると感じ従業員の満足度が高まるのです。

有給休暇の取得率が高い

会社の業務を優先させるがゆえに、有給休暇を取りにくいと感じている方は少なくありません。

働きやすい会社では、休みが取りやすい労働環境であるところが多く、プライベートも充実させられる傾向にあります。

休息も大切と考える企業が、働きやすいと評価されるのです。

社内の風潮としても休みがとりやすい環境が整えられていることが多いので、気兼ねなく有給申請できることが取得率が高い理由といえます。

福利厚生の充実度が働きやすさにつながる


福利厚生は企業が人材を確保するために取り組む大きな柱です。

こうした福利厚生が働く従業員のニーズに適していると、離職率も低く抑えられる傾向にあります。

多様な働き方が求められる昨今、会社の伝統的なやり方にとらわれず、従業員の能力が最大限発揮できるような労働環境について企業は試行錯誤しなければならなくなりました。

企業側が提示する福利厚生の充実度は、従業員の働く環境改善についていかに真摯に取り組んでいるかを判断する材料となりえます。

働きやすい会社の認定制度ホワイトマークとは?


ホワイトマークとは、厚生労働省が2015年に制定した制度のことです。労働安全衛生へ積極的に取り組んでいる企業を認定、企業名を公にします。

この制度で認定された企業は、厚生労働省が認める「ホワイト企業としてホワイトマークを付けてアピールすることができるのです。

ホワイトマークを取得する方法は、まず厚生労働省のホームページにて自己診断をしたのちに、基準を満たす場合、都道府県労働局へ申請書を提出します。

審査・ヒアリング調査ののち認定されれば認定書の郵送とともに厚生労働省のホームページにも掲載されます。

企業側にとっては、求人で良い人材を確保する一助になりますし、求職者側は労働条件の基準がクリアしている企業という安心感が生まれます。

就職・転職先として選びやすくなるメリットがあるのです。

GeeklyReviewでは、企業の口コミが閲覧でき、働きやすさを見極めることもできます。

働きやすい企業ランキングはこちら

働きやすい会社の見つけ方とは?


ここまで働きやすい会社の特徴などを見てきましたが、働きやすい会社を見つけるポイントがあります。

ここからは、働きやすい会社を見つけるために重要なポイントをご紹介していきましょう。

成長している企業を探す


業績が上がっている企業は、生産性向上に成功している企業といえるでしょう。

ただ長時間労働を強いるだけでは、業績は上がりません。従業員のモチベーションも下がる一方です。

しかし、業績が着実にアップしている企業は生産性を上げるために確実に対策を講じています。

こうした企業では仕事へのモチベーションがアップする可能性があります。

入社1・2年目の社員の話を聞く

求職している場合、働きやすさについて実際にその会社で働いている社員に話を聞く方法があります。

表向きは優良企業のように見えても、実はブラックな側面があるという企業は案外多いものです。

企業との相性などもありますから、実際に働いている社員で、企業文化に染まり切っていない入社1・2年目の社員に、客観的な話を聞くことをおすすめします。

自分の中でのストレスの条件を把握する

日常生活の中で自分なりに優先したいことというのは、人それぞれです。

仕事はするが趣味の時間を削りたくない、または、子どもと一緒に過ごす時間を確保したいから育児面でのサポートが充実していてほしいなど様々な条件があります。

こうした優先順位の高いものが仕事によって影響を受けてしまうと、ストレスとなってしまいます。

こうしたストレスが蓄積すると、会社への不満につながり心地よく働くことができませんから、自分が譲れない条件を把握し、企業を選ぶことも大切です。

企業の評判が気になるなら口コミサイトを活用しよう


働きやすい会社を見つける方法に、実際に勤めている社員に話を聞くことが有効とご紹介しましたが、そういった社員に出会うことはなかなか難しいのが実状です。

そこで活用したいのが、口コミサイトです。

こういった口コミサイトに投稿している人は、企業の社員、もしくは元社員が多数ですから、働きやすいかどうかを見極めるひとつの指針となります。

自分に合った働き方ができる会社を探そう


働きやすさのポイントは、人それぞれ異なります。

日常生活での優先ポイントをきちんと把握し、その条件に見合う労働条件の企業を探すと、就職・転職に失敗しにくくなります。

企業が出している求人の労働条件を確認するだけでなく、実際にその会社で働いた人の声を取り入れることも、企業選びでは大切です。

働き方改革が浸透する昨今、各企業さまざまな取り組みを行っています。

その取り組みが本当に実現できているのか、口コミサイトなどを利用しよく吟味し、自分に合った働き方の企業を探してみてください。

働きやすい会社一覧

働く環境改善に取り組む優良企業は、他にもあります。自分に合った働き方ができる企業があるかもしれませんので、チェックしてみてください。