就職先として人気の企業といえば、有名大手企業です。しかし、最近はあえてベンチャー企業を就職先の候補として挙げる人が増えています。

特にITベンチャー企業はメガベンチャーを中心に人気が高くなっています。

「やりがいがあり、高収入が見込める」というのが理由ですが、実際のITベンチャー企業の内情は厳しいようです。

ここでは、ITベンチャー企業への就職が向いている人の特徴を紹介します。あえて小規模のベンチャー企業へ入社するメリットとデメリットについても考えていきましょう。

ベンチャー企業の中で最も多いITベンチャー企業


ベンチャー企業に決まった定義や基準はありません。一般的には、革新的な新しいビジネスを展開する成長途上の企業と考えられています。

将来的に大きく成長する可能性を持つ企業で、仕事にやりがいを求める方が集まる傾向があります。ベンチャー企業の中でも最も多いのがITベンチャー企業です。

IT技術の進化や規制緩和もあり、2000年以降は着実にITベンチャー企業は増え続けています。

スタートして数年で上場を果たし、大きく成長するITベンチャー企業も少なくありません。

誰もが知っている楽天・メルカリ・LINEなども元はITベンチャー企業ですが、大きく成長しメガベンチャーと呼ばれるようになりました。

ITベンチャー企業の平均年収と待遇は?


「ベンチャー企業は高収入」ともいわれますが、それは大企業となったメガベンチャーのことです。

設立から5年以内の若いITベンチャー企業の場合は、転職しても年収は下がることが多くあります。

しかし、若くして年収1,000万円が狙えるのもITベンチャー企業です。ITベンチャー企業の初年度平均年収は370万円程度と報告されています。

この数字は、一般的な上場企業と比べると高い水準になります。しかし、大手企業の場合は福利厚生が充実しており、一概に数字だけでは比べられません。

ほとんどのベンチャー企業は、大手企業ほどの福利厚生を提供できないからです。

ITベンチャー企業に入社するメリット


ここでは、ITベンチャー企業に入社するメリットを紹介します。

ベンチャー企業は成長途上であるため、やりがいを求めている方やチャレンジ精神のある方には向いているかもしれません。メリットと自分の向き不向きを考えてみましょう。

企業の意思決定のスピードが速い

大企業の場合だと、業務を進めるにあたって責任者の承認・決済などが必要になり、時間ロスが生じる可能性があります。

しかし、ベンチャー企業は小規模で、社員数も少なめです。そのため、企業の意思決定のスピードは速くなります。

また、ITベンチャー企業が提供しているのは最先端のサービスです。仕事全体をスピード感をもって進めることが大切になります。

ごく少人数のベンチャー企業なら、直接社長と交渉ということも可能です。

自分のアイディアを社長に提案して実行に移せるフットワークの軽さが、ITベンチャー企業の魅力であり強みでもあります。

若い年齢でも重要な仕事を任せてもらえる


大企業では、まだまだ年功序列の風潮が残っている企業も少なくありません。対して、ベンチャー企業では年齢や社歴に関係なく能力重視の評価が期待できます。

実力が認められれば、若い年齢でも重要な仕事を任せてもらうことが可能です。実績次第では若くして、昇進や昇給のチャンスもあります。

自分の実力を正当に評価されたいと感じている人にとっては、実力主義のベンチャー企業はとても魅力的です。

若いうちから会社の顔となって取引先と対応することも多く、交渉力や責任感が身に付くというメリットもあります。 

幅広い業務に携われる

ベンチャー企業の多くは少数精鋭で動いています。少ない人数で多くの業務をこなすため、1人で幅広い業務に携われます。

大手企業のように担当が細分化されることもなく、1人で何役もこなすことが一般的になっているからです。

幅広い業務を経験することで、将来に役立つスキルを身に付けることができます。また、1人で幅広い業務を担当するため、自分で提案から実行まで主体的に動くことが可能です。

その結果で実績を残せば自分の評価として認められ、昇進・昇級に繋がります。

ITベンチャー企業に入社するデメリット


メリットがあれば、デメリットもあります。ここでは、ITベンチャー企業に入社するデメリットを紹介します。

大手企業の最大の魅力は安定性です。働くことに安定を求めるのなら、ITベンチャー企業への就職はおすすめではありません。

給与が低く福利厚生が充実していない

ITベンチャー企業は一般的に、給与が低く福利厚生が充実していない傾向があります。

もちろん例外もありますが、ボーナスがなかったり固定残業性を採用していたりと、前職より収入が下がることが多くあります。

これは、設立間もない企業では経営状態が不安定で、人件費を抑える傾向があるからです。福利厚生の制度ができていない企業もあります。

また、インセンティブ制度を導入している企業もあり、安定性には欠ける企業が多いのも現実です。

企業倒産の可能性が高い

設立間もないITベンチャー企業では、競合他社や市場の動向からの影響を受けやすく、せっかく入社しても企業倒産の可能性が高くなります。

すぐに利益を出せればよいのですが、資金繰りが難しくなれば、持ちこたえる体力が大手企業ほどはありません。

歴史ある大手企業であっても倒産ということがある時代です。倒産のリスクがあることは、常に覚えておきましょう。

ITベンチャー企業に就職する際の企業選びのポイント


ITベンチャー企業は数多く存在し、増え続けています。ここでは、ITベンチャー企業に就職する際の企業選びのポイントを紹介します。

人によって企業に求めるものが違うため、確実な選び方はありません。しかしながら、必ずチェックしたいポイントはあります。口コミなども参考に、志望企業を選びましょう。

待遇・福利厚生

企業選びの際は、待遇・福利厚生をしっかりとチェックしましょう。社会人ならば、給与と勤務時間の長さは最重要ポイントです。

ベンチャー企業は人数が少ないため、勤務時間が長い傾向にあります。残業が多い企業では、長続きしない可能性が高くなります。

また、昇進・昇給のしやすさもチェックしたいポイントです。能力や働きに応じて昇進・昇給のある企業なら、働くモチベーションが高くなります。

家族のいる方なら福利厚生もチェックしましょう。家賃補助制度や育休・産休などの子育て支援制度です。

福利厚生を重要視するのなら、小さいITベンチャー企業でなくメガベンチャーがおすすめです。

仕事内容・勤務場所

働くにおいて、もっとも大切なポイントは仕事内容です。いくら待遇が良くても、仕事内容が自分にマッチしていなければ働く意義が感じられなくなります。

「自分がしたい仕事」を明確にしておく必要があります。やりたい仕事が明確でない場合は、自分の適性に合った仕事を選びましょう。

その企業が展開している事業を調べるのはもちろんですが、自分が就職後にどのような業務を担当するのかも調べる必要があります。

もちろん、勤務場所も確認が必要です。ITベンチャー企業の場合、必ずしも本社勤務とは限りません。ときには、取引先での出張勤務になることもあるからです。

社風


社風が自分に合いそうかもチェックしましょう。社風とは企業の雰囲気や社員の共通点といえます。

入社前には判らない部分ですが、気持ちよく働くためにはとても大切なことです。ベンチャー企業は少人数のため、社風が合わなければ居心地の悪さを感じるかもしれません。

企業の社風を知りたいのなら、実際に働いている社員に聞くのがおすすめです。GeeklyReviewでは、ITベンチャー企業のリアルな口コミが見られます。

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ITベンチャー企業への就職が向いている人の特徴


大手のIT企業でバリバリ働いていた人すべてが、ITベンチャー企業でも戦力になるとは限りません。

ITベンチャー企業で働くための、特有の適性があるからです。ここでは、ITベンチャー企業への就職が向いている人の特徴を紹介します。

将来的に起業したい

将来的に起業したいと考えている人は、ベンチャー企業に向いています。ITベンチャー企業では、能力次第で大きな仕事を自分の裁量で行うことができるからです。

そして、ベンチャー企業では、経営陣の近くで仕事ができるというメリットもあります。

経営者の仕事ぶりを見ながら自分の裁量で仕事を行うことが、独立したときのシミュレーションになります。

ベンチャー企業で培った経験を活かし、起業した後もスムーズに経営できると考えられます。

トレンドに敏感で柔軟に対応できる

トレンドに敏感で柔軟に対応できる人は、ベンチャー企業に向いています。特にITは、技術の進化が著しい業界です。

技術や状況の変化に合わせ、スピーディな対応が求められます。状況に合わせてフットワークを軽く、事業方針の素早い見直しも必要です。

ITベンチャー企業で生き抜くためには、そんな柔軟性が求められています。

ITベンチャー企業の内情を知りたいなら経験者の声を参考に


ITベンチャー企業の内情を知りたいのなら、経験者の声を参考にすることをおすすめします。

しかし、少人数のベンチャー企業ですから、すべてのベンチャー企業の経験者を捜すことは、個人には難しいことです。

信頼できるエージェントを利用してみてはいかがでしょう。GeeklyReviewでは、ITベンチャー企業で活躍している人のリアルな本音を見ることができます。

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ITベンチャー企業で働くなら成長できる環境が重要


ほとんどのITベンチャー企業は「成長できる環境」をアピールしています。

しかし、考えなしに「ベンチャーだから成長できる」と転職すると、成長できないまま失敗する可能性もあります。

特定のスキルを身に付けたいのなら、大手企業が最適です。社員教育も整っており、そのスキルに突出した先輩社員もいるからです。

ベンチャー企業で成長できる点は、自分1人で事業をまとめる能力とメンタルの強さです。

スキルの部分で「成長できる環境」を求めるのなら、メガベンチャーをおすすめします。ベンチャー気質を持ちつつ、大手企業のような教育体制も整っています。

成長環境が整っている企業一覧

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