YouTube・Netflixなどが幅広い年齢層の生活に浸透し、多くの企業・会社が広告発注先として重要視しているのがインターネット広告です。

現代社会では、若者だけでなく多くの年齢層の生活でスマホを活用するようになりました。そのため、利用者の多いネット広告の影響力はますます高まってきています。

今回は、インターネット広告業界の仕組み・職種・そこで働く人の特徴・業界の将来性まで詳しく紹介しましょう。

注目を集めるネット広告業界


最近の調査によると令和3年度のスマートフォン世帯保有率は88.6%・個人の保有率は74.3%で、すべての世代においてインターネットを利用する機会が増えています。

また昼夜を問わず利用時間が伸び、インターネットでWebを見たりショッピングをしたりする機会が増えてきました。

利用時間が伸びた要因の一つとして、インターネット環境の高度化が考えられます。この変化が動画コンテンツやネットショッピングなどの成長を後押しすることにつながりました。

もう一つの要因は、国を挙げてDX化を推し進めていることです。各企業がデジタルテクノロジーを取り入れたサービスや働き方を考える動きが活発になってきています。

このDX化の中で、インターネットを利用した商品やサービスの宣伝戦略はどの会社も取り組まなければならない最重要課題です。

各企業は各種Webサイトで、商品やサービスを紹介するネット広告に投資する傾向が増加しています。

国民のインターネットの利用率・利用頻度が上がるにつれ、あらゆる企業が商品をより効果的にPRしようとインターネット広告を利用し始めました。

ネット広告業界の仕組みを解説


広告は主に3つに分けられています。

  • マス広告:テレビやラジオなどのマスメディア媒体に載せる広告
  • SP広告:電車の中吊りなどの限定された場所を対象にした広告
  • インターネット広告:メール・Webサイト・アプリなどを通じて配信する広告

その中でもインターネット広告が主流です。広告を見る対象者がとても多いことが人気の要因と考えられます。

では実際に、各企業がどのようにインターネット広告をオーダーしているのかを紹介しましょう。

広告主が代理店にネット広告を依頼

広告を扱う業界は次の業種からなっています。

  • 広告を出す「広告主」
  • 広告を制作する「広告制作会社」
  • 広告を消費者に伝える場面や物である「媒体」
  • 広告主と媒体を橋渡しする「広告代理店」

これらの広告が表示されるためには、これらの業種が連携することが必要です。ここでは、広告主が代理店にネット広告を依頼する流れを説明しましょう。

始めに広告出稿を検討している会社が、広告代理店に依頼を出します。

広告代理店の仕事は、広告主の要望を聞く・広告内容の制作・出稿先の選定・効果など広告運用をトータルでプランニングすることです。

広告を出した後も、広告アクションの分析結果をもとに顧客フォローを行うなどの改善を行います。

ネット広告の代理店は、大企業のマーケティングを手掛ける大手広告代理店や特定のジャンルや手法に特化した中小の代理店まで多様です。

広告のニーズや広告費に合わせて広告主が代理店選びを行います。

代理店がメディアレップに依頼


メディアレップとは、各媒体の広告枠を広告主・広告代理店に販売するインターネット広告専門の会社です。

広告代理店は、インターネット広告を受注すると広告主にあった広告掲載先の選定をメディアレップに依頼します。メディアレップの役割は、広告主と代理店をつなぐことです。

メディアレップと広告代理店では、扱う広告媒体が異なります。

広告代理店が媒体を選ばずに広告主から広告を受注するのに対して、メディアレップはインターネット広告に特化しているところです。

メディアレップが広告媒体を選定・枠を用意

メディアレップは広告主の依頼内容・ジャンル・広告費を考慮しながら、より効率のよいPRを行えるWeb媒体の広告枠を確保します。

メディアレップの特徴は、数あるWebページからそのページの種類や広告費に合ったものを用意することができるという点です。

メディアレップは、インターネット広告に特化している強みを生かして広告の管理・専門的なノウハウ・広告の効率化をすることで信頼されています。

GeeklyReviewではネット広告業界の実情など経験者の声を数多く掲載しています。気になる企業がある方はぜひ一度、情報を確認してみてください。

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ネット広告の代表例


一口にネット広告といっても、その形態は多様化しています。イラスト・写真・動画を使った広告から、検索結果と連動・ブロガーにSNSで宣伝依頼など広告方法は多様です。

現在主流の広告例は以下のような例があります。

  • リスティング広告:Web検索ページの上部に表示される広告
  • 純広告:Webページの両サイドや右側に表示されるバナーの広告
  • ネイティブ広告:ニュースサイトなどの検索結果に挿入される広告
  • アドネットワーク:タスの媒体で広告を配信するネットワークのこと
  • SNS広告:SNS限定で掲示される広告
  • 動画広告:動画サイトで動画再生時に流れる広告

ここでは、ディスプレイ広告・アフィリエイト広告・リスティング広告の3つを取り上げて詳しく解説しましょう。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、あるサイトのWebページに、イラスト・動画・テキストを用いて宣伝を表示する広告です。

広告効果を上げるために、キャッチコピー・イラスト・写真などを広告に使います。動画広告や掲載するサイト選びを工夫することが、広告効果を上げるポイントです。

広告をクリックすることで課金されるクリック課金制の広告で、購入する気持ちに至っていないユーザーを対象としています。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、ユーザーがその広告をクリックする・広告商品をオーダーすることでライターに報酬が発生する「成果報酬型広告」のことです。

この広告はアフィリエイターが書いた広告記事を媒体に掲載依頼し、ユーザーがクリックや購買したことで収入が生まれる仕組みを使っています。

媒体先が成果を上げるためにブログやSNSなどを通じて積極的に商品をPRしてくれることが特徴です。そのため、高収入につながることが期待されます。

リスティング広告

リスティング広告は、検索エンジンサイトで検索されたものと関連の近い商品の広告をおすすめとして表示させる検索連動型広告といわれる広告です。

広告を見るユーザーが商品のターゲットに合っていることが多く、ユーザーが反応してくれるコンバージョン率が高いとされています。

リスティング広告に限っては代理店を通さずに各企業が検索サイトと直接契約し、広告運用を行っている場合も多いです。

ネット広告業界の今後について


ネット広告は、テレビCMや新聞広告とは広告効果の測定という点が異なります。ネット広告は、広告の表示数・クリック数・購入数などの広告効果が測りやすいことが特徴です。

広告主は、インターネット広告でより高い広告効果を出してくれる広告代理店を求めています。

インターネットの普及によってネット広告業界の規模は大きくなりますから、今後は広告主の求める客層にマッチした広告内容や掲載媒体の選定が重要です。

インターネット広告の対象は、海外のサイトや外国人ユーザーに広がることが予想されます。これからは世界に向けたインターネット広告出稿の検討が急務です。

ネット広告業界の代表的な職種をご紹介


インターネット広告業界は近年大きく成長を続けています。そのため、多様な職種があり、それぞれが専門職でありながら連携して仕事に当たることが必要です。

広告業界は、流行や時代の変化を発信する仕事ですから流行に敏感な人が求められます。また、人にものを伝えるためのコミュニケーション力も必須の能力といえるでしょう。

実際の広告作りの現場では、1つの広告を作り上げるまでに多くの専門的なキャリアを活用して動いています。

ここでは、広告業界で働く人たちがどんな仕事をしているのかを紹介しましょう。

データアナリスト


データアナリストは、Web上のビックデータを解析し、広告の課題を見つけ改善するための効果を予想します。

ネット広告は効果が可視化しやすいため、データ分析はとても重要なスキルです。アナリストはそこから、これからの広告展開に必要な情報を抜き出します。

データアナリストは、多様なデータから広告の効果と課題を導き出し広告運用の改善へ向けた対策を立てるスペシャリストです。

データアナリストになるためには、分析ツールや効果測定のためのツールに精通する一定の専門知識と技術が必要になります。

クリエイティブデザイナー


クリエイティブデザイナーの仕事は、クライアントの持つイメージを具体的な形に再構成してネット上に出す広告を作成することです。

クリエイティブデザイナーはクライアントやプランナーからのリクエストをしっかりと汲み取り、ターゲットの心を掴むようなデザインや動画広告を作ります。

クリエイティブデザイナーは、CGや動画作成の専門ソフトを使いこなすスキルが必要です。動画広告に対するアイデア・発想・知識・経験がある人材が必要とされます。

インターネット広告プランナー

インターネット広告プランナーは、広告主の依頼を受け、効果的な広告戦略を提案する仕事です。

広告主はインターネット広告を熟知しているわけではありませんから、プランナーが広告主の要望や予算案から適切な広告プランを提案します。

また広告掲載後もその結果をまとめ、より効果の出るようなプランに調整していくのも重要な役割です。常に広告主をサポートするアドバイザー的にかかわります。

営業(アカウントエグゼクティブ)

営業(アカウントエグゼクティブ)の仕事は、広告を掲載したいクライアントを探し出し、掲載契約を結ぶことです。

ネット広告を検討しているクライアントの〝集客をしたい〟という漠然とした思いや課題に対し、ネット広告がどのように生かせるかを提案します。

この仕事はクライアントについてのリサーチ力・課題を引き出すヒアリング力・課題を解決する提案力などが試される仕事です。

ネット広告業界で活躍できる人の特徴


ネット広告業界では、営業からデータアナリストまで、さまざまな職種の人が働いています。広告代理店や広告業は華やかなイメージとは逆に地道で正確な作業が必要です。

また、広告成果が目に見えるからこそ、論理的なデザインの位置づけ・マーケティング・広告提案の能力が求められます。

広告には正解がありません。色々な会社の宣伝したいものを、どういった形・手法で消費者に届けるかが広告業に従事する人たちの腕の見せどころです。

テレビや新聞などの広告と比べインターネット広告は広告の形式やデザインが流動的で、自由な表現・柔軟な考え・アイデアが好きな人におすすめの業種といえます。

ネット広告の世界で働くためには、形のないものを表現する力や成果のフィードバックを受けて戦略を作り直す粘り強さなどのスキルが必要です。

ネット広告業界の口コミを確認してみよう


ネット広告代理店の大手企業では、「サイバーエージェント」「グラフトンノート」「メディックス」「オプトホールディングス」などが挙げられます。

同じ大手といっても、それぞれ得意分野やメインで取り扱う広告に差があり社風にも違いがあります。インターネットの口コミ情報サイトから、各企業の特徴を探ってみました。

  • サイバーエージェント:若手にも裁量権があり和気あいあいと風通しのよい雰囲気
  • メディックス:研修内容が充実しており、経験がなくてもチャレンジしやすい
  • オプトホールディングス:コアタイム制度・ライフステージが変わっても働きやすい

同じ系列の広告代理店といっても会社の特徴に違いがあります。ネット広告業界の働き方の実情などは、ぜひ働く人の口コミ・サイト・SNSでチェックしてみましょう。

Geekly Previewを見ると、知りたいネット広告業界の企業の働きやすさや仕事内容を確認できます。

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魅力的なネット広告業界について理解を深めよう


調査機関のデータからインターネット広告業界は190業界中137位と、上位に位置しているわけではありません。しかし、業績の伸び率が全体の13位と成長している業界です。

今まで主流だったテレビや新聞を媒体にした広告費用が、インターネット広告に抜かれたことはニュースになりました。これからの広告はインターネット広告が主流になります。

そのためインターネット広告の需要が増加するとともに、広告の種類や様式が多様化しているのが現状です。

将来の広告の中心として、5G動画広告が注目されています。動画広告には今までの画像情報の数倍の情報量があり、広告の内容が格段と向上すると考えられるためです。

インターネット広告の業界は、これからの将来に向けた広告のあり方が変わりつつあります。今後も広告業界で新たな需要が増えていく、魅力のある分野です。

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ネット広告業界の企業一覧

ネット広告業界は、変化の激しい業界です。常に最新の情報に触れることが業界の様子を知る一番の近道となります。