IT系の言語のひとつRubyは、多くの企業が採用しているプログラミング言語です。
Rubyは比較的学びやすい言語といわれていて、未経験者にもおすすめの言語とされています。
IT系のエンジニアへの転職を考える際、Rubyを専門に扱うエンジニアは選択肢に入れておくべき職種といえるでしょう。
今回は、そんなRubyエンジニアの仕事内容や業界の見通し、平均年収や必要になるスキルについて解説していきます。
Rubyエンジニアの仕事に詳しくなろう
Rubyの特徴としてプログラマー以外の人が言語を読み取りやすいという「可読性の高さ」と、未経験者でも習得しやすい「学習コストの低さ」があげられます。
IT系のエンジニアの中でも未経験者におすすめの職種ともいわれています。
そんなRubyを扱うエンジニアの仕事にはどのような内容のものがあるのか、詳しくみていきましょう。
アプリ開発
Rubyはアプリ開発に使用されることが多く、Rubyエンジニアの主な仕事内容もアプリの開発や改修作業になります。
「Ruby on Rails」というフレームワークを使用し、アプリに必要な認証処理や管理画面などの実装が簡単に行えます。
さらに、アプリ開発においてRubyを使用することで開発にかかる作業数をほかの言語より少なくすることができるのです。
開発コストや時間の面でもRubyの場合容易にアプリ開発が行えるため、アプリ開発の現場では需要が高いのが現状です。
Webのアプリ開発だけでなく、スマホのゲーム・アプリ・機械学習といったサービスにもRubyは使われています。
アプリ開発などはRubyエンジニアの仕事内容の大半を占める、主流の仕事といえるでしょう。
プログラム開発
RubyではECサイトやSNSの構築のためのプログラム開発にも活用されています。
ECサイトではコストや手間をかけずに決済機能の実装が行えると重宝されています。
SNSの場合はユーザー登録機能・ログイン認証機能・データベースなどでRuby on Railsが活用され、他の言語よりも効率的かつ低コストでプログラム作業が行えるのです。
また、異なるシステム同士を接続する「Web API」開発においても活用されています。
IT化が進められている中で、複数のシステムを連携させてクラウド上などで情報共有するサービスの需要が高まっています。
こうしたサービスの開発にRubyが利用されているというわけです。
Rubyエンジニアの将来が不安視される理由
アプリ開発やプログラム開発などIT化社会でニーズの高いサービスに使用されているRubyですが、将来の展望においては不安視する声もあるのです。
実際処理速度の面では他の言語に劣るといわれていますし、ビジネス上で注目を集めているビッグデータやAI関連の分野には弱いということが要因としてあげられています。
ここからは、Rubyエンジニアの将来が不安視される理由について説明していきましょう。
将来性の高い言語は他にもある
大規模なシステム開発において、使用されている言語はRubyではありません。
Linux・Apache・MySQL・PHPの4つの言語「LAMP」が利用されていて、開発と運用の安定性が高く実績もあるため、高い評価を得ています。
Rubyでなくても同等のサービスが作れてしまうということで、これらの言語に注目度を奪われた形になります。
また、AIやビッグデータなどのサービス開発が活性化している中で、この分野を得意とするPythonなどの言語のほうに需要が移ってしまったことも一因です。
Rubyを使うことで開発が十分可能な分野であっても、他の言語のほうが使い勝手がよいなど将来性のある言語が次々に出てきた現状があります。
Rubyエンジニアの将来性を不安視する声が出ているのは、こうした有望な他言語の影響が大きいといえるでしょう。
人気は下降気味
Rubyの強みは「Ruby on Rails」というフレームワークを使用して開発のコストや開発工数を削減できることにあります。
しかし、スタートアップ企業が行う大規模システム開発に弱く人気が低下してきている現状もあります。
さらに、Ruby自体にも技術的な不安があるといわれていることも一因です。
Rubyエンジニアの強みや業界の見通しについて
将来性が不安視されているRubyエンジニアですが、大規模システム開発やAI・ビッグデータなどのデータサイエンス分野に弱いというだけです。
Rubyは相変わらず需要の高い言語と評価する声もあり、将来性もあるという見方があるのも事実です。
ここからは、Rubyエンジニアの強みと業界自体の将来的な見通しをご説明していきましょう。
多用途である
Rubyは数多くある言語の中でも、さまざまなプログラムに対応した多用途である部分が強みといえます。
業務系のシステム・ECサイト・Webサイト・ゲームなど、さまざまな用途に利用できるので需要はある程度確保されています。
WebアプリがRubyが主流となっている分野ですが、企業用の基幹システムやスマホアプリ・機械学習までと多方面からの需要があるのです。
求人数も多い
多方面から需要があるため、求人数も多いのが特徴です。
需要が減るどころか、求人数が増加傾向にあるともいわれているのです。
さらにベンチャー企業ではRubyエンジニアの採用率が高く、スピード感をもってシステム開発ができることが評価されています。
スピーディーな開発が求められる現場には、まだまだRubyエンジニアの需要が高いといえるのです。
今後も求められる言語
Rubyは、現在ニーズが高まっているデータサイエンスの分野には弱い言語ではありますが、スピーディーにシステム開発が行えることにおいてはRubyに代わる言語はありません。
多岐にわたる分野への需要も根強く、トップシェアではありませんが今後も求められる言語であることに変わりはありません。
有用性が高い言語のRubyではありますが、実はRubyを扱える人材は多くないのです。
そのため近い将来需要がなくなるということは考えにくいでしょう。
他の言語とすみ分けできている言語でもあるので、今後も必要とされる言語です。
Rubyエンジニアの実情は現場の声をチェックしよう
未経験者に向いているといわれるRubyエンジニアの仕事ですが、実際の業務内容などは口コミサイトを利用すると実情を把握しやすいでしょう。
システム開発などで勤務時間が不規則になりがちなエンジニアの仕事は、企業のホームページなどだけではなかなか実情が把握できません。
口コミサイトであれば、実際に働いているエンジニアによる現場の声が閲覧できるので、自分に合った業務内容なのかなど詳細がリサーチできるのです。
GeeklyReviewでは、現場で働くエンジニアたちの口コミが閲覧でき、実際の仕事内容などを把握することができます。
Rubyエンジニアに求められるスキル
学習コストが低く未経験者でも習得しやすいといわれているRubyエンジニアですが、基本的なWebネットワークの仕組みなどは理解しておく必要があります。
また、Rubyの強みであるフレームワークに関するスキルも求められることが多いでしょう。
主流であるRuby on Railsはもちろんのこと、Webアプリ用フレームワークのSinatra・Ramaze・Padrino・cuba microframeworkなどを習得しておくとよいでしょう。
このようにRubyの特徴であるフレームワークに関するスキルは必然的に求められますが、その他にも習得しておくべきスキルがあります。
Rubyエンジニアが求められるスキルや知識をご紹介していきましょう。
フロントエンドに関する知識
フロントエンドとはユーザーが直接目に触れる部分のことで、Webサイトなどで文字を入力したりボタンをクリックしたりする部分を扱います。
WebサイトやWebアプリケーションなどの制作が多く、需要が高まっている分野です。
フロントエンドに対してバッグエンドという要素もあり、サーバーのデータベースやシステムなどユーザーの目に触れない部分を扱います。
Rubyはフロントエンドとバックエンドのうち、フロントエンドで主に使われる言語です。
したがって、ユーザーの目に触れるフロントエンドに関する知識は求められることが多くなります。
フロントエンドで主に使われる言語はRubyの他に、HTML・CSS・JavaScript・TypeScriptなどがあります。
こうしたフロントエンドに関する言語を理解しておくことで、知識も深まるでしょう。
ネットワークやサーバについての理解
Rubyではネットワーク通信についても取り扱うことが多いため、ネットワークやサーバへの理解も求められます。
クラウド上で異なるシステム同士をつなぐプログラム開発がRuby on Railsを使って行われます。
この時に必要になる知識が、どことどこをつなぐネットワークなのかという知識とどのサーバに保存された情報をつなぐのかといった知識になってくるのです。
Rubyを使った開発で需要が多いフレームワークをつかった迅速な開発で、ネットワークとサーバに関する知識は必ず求められるので、押さえておくべきポイントといえます。
監督能力
Rubyを使いこなすスキルも求められる一方で、技術力をサービスへどのように落とし込んでいくのかというマネジメント能力も求められることがあります。
Rubyはユーザーが触れる部分のフロントエンドの要素を取り扱うことが多いため、クライアントのニーズを汲み取りチーム全体でサービスを作り上げていかなければなりません。
このとき、エンジニアとして技術提供するだけでなく、チーム全体のタスクの進行状況などを管理する監督能力が求められるポジションに経つ機会も少なくないのです。
ユーザーと関わる部分が多い技術職だからこそ、求められるスキルといえます。
Rubyエンジニアの平均年収をご紹介
Rubyエンジニアの平均年収は400万円程度で、他業種に比べて高い水準に位置しています。
最低平均年収は200万円前後、最高平均年収になると2,000万円程度です。
またフリーランスに転向した場合は、平均年収900万円と非常に高い水準の給与になっていて報酬面では魅力的な職種といえるでしょう。
他の言語を扱うエンジニアの平均年収と比べると少し額は下がるのですが、Webサイト制作などフロントサイドなどでの業務の需要は高まっている背景があります。
そのため、比較的求人数も多く年収も高い水準を期待できるといえます。
Rubyエンジニアの口コミをみてみよう
年収や業務内容などさまざまなホームページに情報が掲載されてはいますが、実情を把握するのであれば口コミサイトの利用がおすすめです。
口コミサイトでは、実際に働いているRubyエンジニアの本音を閲覧することができます。
企業によって業務内容や勤務時間、プロジェクトの進め方などが異なります。
現場にいるエンジニアの声をみていくことで、企業文化や風土といったホームページなどからは見えない部分も把握することが可能となるのです。
GeeklyReviewでは、現場のエンジニアの口コミが閲覧できるので、Rubyエンジニアの実情もリサーチできます。
Rubyエンジニアに注目が集まっている
一般的に市場が拡大し人気のデータサイエンス分野が弱いといわれるRubyですが、需要は高いままです。
IT化が求められている各企業が、Webサイトやクラウド上でのシステム構築といったRubyを使うことで迅速に進められるシステム開発の人材を必要としているからです。
ベンチャー企業など、とにかく開発をスピーディーに行う企業ではRubyを扱えるエンジニアの需要は高く注目されている職種といえます。
IT業界への転職を考えている際には、未経験者でもとっつきやすいRubyエンジニアにチャレンジしてみることも選択肢に入れてもよいでしょう。
実際にRubyエンジニアが活躍している企業一覧
IT企業では必要としているエンジニアの専門性が異なります。Rubyエンジニアを必要としている企業を、口コミサイトから実情を把握して探してみてください。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。