エンジニアは、IT・通信関連企業で必要不可欠な人材として求められており、情報社会が多様化するにつれて採用希望はますます拡大しています。

しかし、エンジニアの仕事について「残業が多い」「いろいろと難しい」などの不満や不安の声が聞かれることも事実です。

今回は、エンジニアの実際の仕事の様子を残業時間という切り口で説明していきます。エンジニアの仕事に興味ある方は、ぜひ参考にしてください。

エンジニアは激務で残業必須のイメージが強い


エンジニアの仕事は時代の変化により多様化してきました。以前は機械設計や電子機器開発の技術者を指していましたが、現在はシステム・インフラなどのコンピュータ関連の技術者を指しています。

現在需要の多い代表的なエンジニアの仕事をご紹介しましょう。

  • システムエンジニア:システム開発の提案から完成までの作業をすべて統括
  • プログラマー:仕様書をもとにプログラミングを担当
  • インフラエンジニア:サーバーやネットワーク管理のITインフラを担当
  • ネットワークエンジニア:インフラエンジニアの中でもネットワーク専門
  • セールスエンジニア:システムやインフラの技術的な専門知識を持った営業
  • Webエンジニア:サイトやアプリの設計・運用・保守を担当
  • サーバーエンジニア:サーバーの設計・運用・保守を担当

このようにエンジニアの仕事は分化して独自の技術や知識が必要になります。さらに、複雑なシステムからくる想定できないようなトラブルも少なくありません。

コンピュータのシステムは「動いているのが当たり前」とみられていますので、トラブル対応の防止と保守は急務となります。このようなことから、残業を少なくすることは難しい状況です。

エンジニアの平均残業時間はどのくらい?


あるIT企業がエンジニアの1ヵ月の残業について調査したところ、エンジニアの職種を問わず平均残業時間は「20時間以上」という結果が出ました。

平均残業時間が多い職種ランキングでは、トップ5は次のとおりです。

  • 1位:アプリ開発エンジニア 27.2時間
  • 2位:サーバーエンジニア 26.5時間
  • 3位:出版・広告・Webエンジニア 25.2時間
  • 4位:ファームウェアエンジニア 25.2時間
  • 5位:通信関連エンジニア 24.3時間

これらは、通常の1ヵ月の平均残業時間であり、トラブル対応の残業は含まれていません。

エンジニアに残業が発生する原因


エンジニアは基本の設計段階から運用の保守までを対応する広い範囲の仕事内容をそれぞれの担当に分けて仕事を進めています。

開発の初期の初期やクライアントとの意見交換で差し戻しにかかる時間などスムーズに仕事が進むことの方が少ないことが現状です。

ここでは残業を生む要因を3つ取り上げて、残業が起こる要因と改善について触れていきます。

■人手不足

エンジニアの仕事は、多様化していることと短期間での受注要望が多いため人手不足が解消されていません。

この人手不足の要因には、IT業界が急成長を続けているため企業からの需要にエンジニアの供給が追い付いていないという現実があります。

また、他に人手不足に影響しているといわれているのが少子高齢化という問題です。そのため、人手不足の解消に、定年延長や再雇用という国を挙げての対応が求められています。

■下請け・孫請けによる受注

大手企業からの発注を下請け・孫請けとして受ける場合、元の納期が決まっているためどうしても納期が短くなってしまい残業が必要になります。

発注元の仕様変更や計画変更により設計変更を求められる場合、下請け・孫請けとして時間内に終えられない仕事に対応しなければなりません。

■トラブル発生


エンジニアにとって1番避けたいことがトラブル発生ですが、エンジニアは起こるだろうトラブルについてあらゆる想定をしたうえで対応策を用意して納品します。

設計段階・試験運転・運用・保守のすべての段階でトラブル0を目指して仕事を進めますが、トラブルを完全に回避することはできません。

ソフトウェアの不具合・機材の故障などトラブルは産業全体に支障があるので早急に解決しなければなりません。このようなトラブルから、残業が発生します。

システムプログラムは問題なくても、システム回線に問題があるという事例や発注元の勝手な仕様変更により誤作動してしまうことも実際にあります。

エンジニアは、これらのトラブルに対応できる準備はしていますが、その対応策でも解決しない場合残業してでも解決しなければならないのがエンジニアの仕事です。

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気になる企業の残業時間は事前に調べておこう


自分の残業時間を考え始めると、他の会社の残業時間はどうなっているのか疑問に思う方も少なくないでしょう。

インターネットを使っていろいろな会社の情報を調べてみることで、仕事の見直しや改善すべきことが見つかるかもしれません。

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エンジニアの残業は断れる?


法的には、断れる場合と断れない場合があります。それは、労働基準法と36協定という法律が関係してくるからです。

労働基準法では、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えて労働させることは違法ですので断れます。

ところが、企業側と職場の組合が協定を結んでいる場合は、労働時間を超えた労働を命じることができますので断れません。

その協定は「36協定」という制度で、企業が労働基準局に労働基準法に基づく協定を届け出ることで「月45時間・年間360時間」まで労働を命じることができます。

自分の職場の労働組合に確認するとよいでしょう。

■理由なしで断れる場合が多い

36協定の有無にかかわらず、残業を断ることができる場合があります。それは、健康問題と介護の問題が理由の場合です。

会社は福利厚生を充実させることで社員の健康を守る責務があります。そのため、残業命令が出ても体調不良を理由に申し出ることで残業を回避できることが一般的です。

また、既婚・未婚にかかわらず家族の介護が理由で残業を断る場合は認められることが多くあります。会社によっては、介護休暇・傷病休暇の精度がある場合は利用するとよいでしょう。

■事情があるなら明確に伝えよう

残業を断るときに手続きが必要なこともありますが、理由をはっきり伝えることで理解してもらえることが多くあります。

また、必要な手続きを教えてくれることもありますので遠慮しないで申し出てください。このことが、他の社員の権利を守ることにもつながる大切なことです。

エンジニアが残業時間を減らすコツ


エンジニアは、自分で希望してその職に就く方が多くいます。ですから、残業することをあまり苦にしないという傾向があります。

しかし、それでは次につながる人材は育ちません。自分の仕事に次につなげるためにも、エンジニア自身が残業を減らす姿を示すことが大切です。

エンジニアの仕事が楽しいのと同じように、これからのエンジニアのために残業を減らすことを楽しんで取り組んでください。

■業務を1人で抱え込まない

エンジニアの方は仕事が大好きで、時間も忘れてのめり込む傾向が強いようです。さらに、大きな仕事を抱え込む傾向がありますので、ここから改善していきましょう。

仕事を1人で抱え込まないためには、チーム内で情報を共有することから始めます。お互いにそれぞれがどんな仕事にどのくらい取り組んでいるのかが分かると、仕事の分散が可能です。

チームの中でそれぞれの能力や適性に合わせて仕事を分散化することで、効率よく仕事を進めることができ時間内に仕事を終えることにつながります。

■優先順位をつける

エンジニアの仕事は企画から開発・運用までの作業です。特にシステムやアプリの開発では全体プログラムをパーツに分けて手分けして作業できます。

そのため、優先順位をつけたスケジュール調整で残業時間を軽減することが可能です。

仕事に合わせた時間配分は残業を生じさせますので、時間に合わせた仕事量をもとに仕事の予定を立てることが重要になります。

どうしても大きなプログラムなど時間がかかるものはチームで優先順位をつけて取り組むことで時間短縮できるか検討することも大切になります。

■ゆとりを持ったスケジュールにする


エンジニアの仕事は、システム設計など大きな仕事を決められた期間で仕上げることを求められます。

エンジニアの最初の仕事は、スケジュール内に完成させるためにどれだけの人員が必要かを考えることです。必要な人員が保証されないのであれば、スケジュールを伸ばしてもらいます。

よい仕事をするためには、仕事の環境整備が必要です。会社もエンジニアもクライアントもゴールは仕事の完成ですので、そのための準備をすることが大切です。

完成期限はトラブル対応のチェックを含めて設定しなければ安心できる製品を渡すことにはつながりません。ゆとりあるスケジュールは、働くチームのためでありよい製品のためでもあります。

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どうしても残業したくないなら


1日の仕事を終えた後には自分の時間があります。その時間を充実させることはとても大切なことです。

自分の時間を確保するためには、仕事を時間内に終えるという努力が必要になります。逆に、時間内に終える仕事の職場に移るということも考えなければなりません。

どちらにするにしても、今の仕事内容や勤務時間と残業のバランスを見つめなおすことは大切になります。

そのためにも、いろいろな企業の残業の実態を知っておくことは必要です。多くの企業情報を知ることができる口コミ情報サイトGeeklyReviewを活用してみてはいかがでしょうか。

■働き方を変える

1日の勤務時間は決まっています。そのため、時間内に仕事が終わらない場合は自分の仕事の進め方を見つめなおすことが必要です。

仕事量やスケジュールなど工夫できるところを改善してみましょう。仕事量を減らすために上司と相談することも必要です。

必要以上に人の仕事を引き受けていないかも見つめなおすことも大切になります。自分のできる範囲をしっかりと見極めることが大切です。

■残業がない企業や職種に転職する

自分の働き方を改善しても残業が減らない場合は、職種を変えるか職場を変えるかの検討を始めましょう。

残業がない職種や職場は意外に少なくありません。新たな職場を探すのであれば、口コミ情報サイトを活用しながら自分の希望に合った企業を見つけましょう。

エンジニアの残業時間は職場次第


残業の有無や長短はエンジニアの責任でないことが多いのが実態です。納期やシステムの大きさが原因で想定以上の仕事量になり、結果として残業時間が発生することが多くありました。

しかしエンジニアの方は責任感が強いため、自分の仕事の進め方が悪くて残業が増えてしまったと誤解する傾向があります。

残業時間を軽減するためには、仕事の分散やスタッフの増員など組織として取り組まなければ解決しないことが多くあります。

働き方を見直す企業が増えている現在の状況から、エンジニアに対する処遇の改善が大きな課題です。

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