ITというと、わかりにくい横文字の飛び交う世界で技術者がパソコンに向かって黙々と作業をする難しそうな世界というイメージがあるかもしれません。
決してそのようなことはありません。横文字の専門用語が多い世界であるのは確かですが、ITの世界の敷居は決して高くないのです。
エンジニアというと、大学や大学院で理系の教育を受けていないと踏み込むことすら難しい世界と思っている方も多いでしょう。
しかしIT業界なら文系出身のエンジニアを含め、さまざまなバックグラウンドを持つエンジニアが働いています。
未経験者であっても、十分な準備さえすればITの世界に飛び込んでITエンジニアとして活躍できます。
実力を少しずつ付けてステップアップしていく働き方も可能です。
ITエンジニアは現代社会に欠かせない存在
IT(情報技術)は社会のいろいろな場所で使われています。
銀行のATMもコンビニを含めていろいろな場所に設置されています。電車に乗るのにも自動改札口を通らなければなりません。
スマホは街の風景をがらりと変えました。すれ違う人々が皆スマートフォンを持っていて、少し時間があるとじっとのぞき込んでいます。
このようにインターネットが社会に与えた大きな影響は大きいです。そしてこれらを作り出したのは、ITエンジニアの力です。
現代社会はあらゆる場所でITエンジニアが活躍しているといっても、過言ではありません。
ITエンジニアは慢性的な人材不足です。そしてITがこれほど街にあふれている現在、この傾向は今後も続くと予想されています。
ITエンジニアは現代社会に欠かせない存在で、優秀なITエンジニアはどこでも引っ張りだこです。
ITエンジニアの代表的な職種
ひと言でITエンジニアといってもさまざまな職種に分かれます。ここではその中で代表的なものをいくつかご紹介します。
「この職種ならトライしてみたい」というものは見つかるでしょうか。
もし見つかったらその職種を目標にして、一歩一歩キャリアを積み重ねて行きましょう。
SE
SE(システムエンジニア)はユーザーのニーズを取りまとめ、コンピューターシステムやソフトウェアの仕様を設計するのが仕事です。
システム開発の最初の段階つまり上流工程を主として担当します。
その後の工程はプログラマーに仕様書で指示をするのが通例ですが、開発するシステムが小規模だと、自らプログラミングを担当することもあります。
また技術面以外にも担当部分の進捗管理や予算管理も行います。ITの知識はもちろん対象業務に対する知識やコミュニケーション能力を必要とします。
プログラマー
プログラマーは、SEが作成した仕様書にもとづいてCやJavaなどのプログラミング言語を駆使してプログラムを作成するのが仕事です。
担当する言語の種類によってC++プログラマーやPHPプログラマーなどと呼ばれることもあります。
プログラマーはただ単にプログラミングだけでなく、打ち込んだプログラムのテストを行ってバグやロジックの誤りを見つけ・修正する作業も担当します。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、今日のコンピュータシステムの核となるサーバーシステムの設計や構築を行なうエンジニアです。
サーバーにはWebページを表示するためのWebサーバーやメールのやり取りを管理するメールサーバーなど、さまざまな種類があります。
サーバーエンジニアはサーバーの構築だけでなく、稼働中のサーバーシステムの管理や保守も担当します。
そのためサーバーに関することはもちろん、OSやセキュリティなど幅広い知識がないといけません。
インフラエンジニア
インフラエンジニアはサーバーエンジニアとネットワークエンジニアの役割の両方を担っています。サーバーエンジニアに関しては、上記で説明しました。
ネットワークエンジニアは、サーバーとクライアントのパソコンとの接続など、通信環境の構築と運用が仕事です。
サーバーとネットワークの両方を担当するということは、情報システムの基盤そのものを管理する役割であることを意味します。
そのためインフラエンジニアは、ハード面・ソフト面双方の詳しい知識を必要とする大きな役割を担っています。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャー(PM)はシステム開発プロジェクトの取りまとめを担当する仕事で、管理職に属しています。
管理職なので、ITの幅広い知識とともに予算管理・工程管理などの幅広いマネジメント能力が不可欠です。
もちろん部下であるSEやプログラマーのチームをひとつにまとめて、プロジェクトを完遂しなければならないので、コミュニケーション能力も必要です。
未経験からITエンジニアになっている人も多い
IT業界はエンジニアの需要に対して供給が追いつかず、慢性的な人手不足です。当然優秀な技術者は転職市場で引っ張りだこです。
そのためIT業界に未経験者が就職することは比較的容易です。まずIT業界に入ることを目標にして、そこからステップアップする方法もあります。
一方で未経験の人間を研修で一人前の技術者に育て上げ、人手不足に対処しようとする企業もあります。このような会社に巡り会えたら幸運です。
いずれにしてもいろいろな方法で、未経験の方が技術者としてIT業界で働くようになっています。
誰でも最初は未経験者です。気後れする必要はないのです。
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それらの企業のなかから、あなたが良さそうだと感じる企業を見つけることも可能です。
実情を知りたいなら経験者の意見を参考にするのがおすすめ
単にIT企業の求人情報をいろいろと見ているだけでは、この業界の表面の部分しかわかりません。
漫然と情報収集しているだけでは、闇の部分も含めたこの業界の実情は漏れてこないです。
もしIT業界への転職を漠然とでも考えているのなら、そして身近に現役のITエンジニアがいるのなら、この業界の話を直接聞くようにしましょう。
経験者の体験談ほど、最も確実で頼りになる情報はありません。
知り合いにITエンジニアがいないなら、IT領域に強い転職エージェントのアドバイザーに相談をしてみるのも良い考えです。
実際の転職活動の際にこれらの転職エージェントを利用するべきだ、というわけではありません。
情報収集のために相談することでどんな仕事なら、かつどんな会社なら自分が応募可能かがはっきりするのです。
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GeeklyRiviewではあなたとその企業がどのくらいマッチしているのか確認することができます。
ITエンジニアに向いている人の特徴
IT業界で働くのに適した方には、特有の資質があります。
論理的な思考をする癖がある・粘り強くひとつのことに集中できる・地道な作業が苦にならないなどがその代表的なものです。
その上でさらに下記のような特性を持っていれば、鬼に金棒といえます。
情報収集に意欲的
情報処理業界の技術発展のスピードは非常に速いです。
大型の汎用機に何もかも任せておけばよかった時代はまたたく間に過ぎ去り、サーバーとクライアントの世界がやって来ました。
インターネットの進化も著しいです。テキストメッセージをやり取りして満足していた時代はあっという間に過去のものになりました。
現在は文字だけでなく、写真や音楽や動画で不特定多数の人々と交流する時代が訪れています。
ドッグイヤーと呼ばれるほど速いIT業界でエンジニアとして活動するためには、常に新しい情報のフォローを怠ってはなりません。
それもITエンジニアの仕事の一部です。新しい情報の収集に意欲的な方なら、たとえ未経験でもITエンジニアとしての適性は十分にあるといえます。
向上心がある
未経験であったとしてもなかったとしても、ITエンジニアであり続けるためには向上心を忘れてはいけません。
SEなら常に新しい技術を応用したシステムに対応しなければならないし、プログラマーなら常にシンプルでわかりやすいプログラムを書き上げる努力を怠ることはできません。
しかもプログラミング言語の流行り廃りのスピードは速く、ついこの間まで開発の主だった言語があっという間に使われなくなることもあります。
ひとつのプログラミング言語をマスターしただけでは、仕事の依頼がなくなるときがすぐにやって来るのです。
向上心にあふれ、常に新しい言語や技術に挑戦できる方だけが、ITエンジニアの業界で生き残ることが可能です。
未経験でITエンジニアを目指す人がやっておくべきこと
たとえ未経験者OKの職場であっても、全く素人であることが許されるほどIT業界は甘くありません。
知識も経験も全く無い状態では、転職の際にアピールできるものが何もないからです。
少しでも良い条件で転職するためには、下記のことに留意して準備をしておきましょう。
ITの専門知識の習得
ITエンジニアを目指す以上、ITの基礎知識は知っておく必要があります。
最低でも情報処理技術者試験のITパスポート試験のレベルの知識は覚えておくようにしましょう。
同じ情報処理技術者試験の基本情報技術者試験に合格しておくと、転職の際に履歴書に記入することができます。
またプログラミングの能力を身につけておくと役に立つので、信頼のできるプログラミングスクールで学んでおくこともおすすめです。
ポートフォリオの準備
ITエンジニアは技術職なので、たとえ未経験であっても実績になるもの(ポートフォリオ)を準備しておくと、転職の際に有利です。
個人でWebサービスを立ち上げたりスマホアプリを作ったりした経験があったら、たとえ簡単なものであっても実績になります。
そのような実績が何もない初心者なら、プログラミング本のサンプルレベルであってもオリジナルアプリを作っておくと、役に立ちます。
それが初歩的で実務に役に立つレベルに達していないとしても、転職先の試験官にあなたの「やる気」をアピールできるからです。
未経験でITエンジニアを目指す際の注意点
実務未経験でITエンジニアへの転職を目指すのなら、最初から好条件の会社で働くことを期待してはいけません。
だからといって、ブラック企業であっても甘んじて働くということでもありません。
もしそうしたら、心身が壊れて取り返しのつかないことになってしまいます。
ある程度労働条件がきちんとしていたら、あとのことは妥協することもやむを得ないという意味です。
その上で、下記のことに気をつけて最初の転職先を探すようにしましょう。
希望する業界の知識は必須
ITエンジニアの仕事は非常に幅広く、しかも専門的な知識を必要とします。
そしてIT業界は一見意味不明の横文字の専門用語が普通に行き交う世界です。
専門用語がわからないと、ご自分の希望を相手方に伝えることさえできません。
IT業界に転職を希望するのなら、まずこの業界独特の用語が理解できることが最低限必要です。
そして専門用語だけでなく、ITに関する基礎的な知識は必ず事前に勉強しておきましょう。
年収や業務内容に満足できないことも
未経験者OKの求人に応募して採用されても、必ず希望通りの仕事ができるとは限りません。
その企業が担当してほしい業務と、あなたが希望している業務との間に食い違いがあるというのは、よくあることです。
また未経験の状態で技術職に採用されても、実際にはプログラムを組む仕事というより雑務に近い補助的な仕事だった、という事態には注意してください。
そのような状態がずるずると続くなら、転職先で経験を積んで一人前のIT技術者になるというあなたの計画にとって良いことは何もありません。
まず経験を積むことを主眼にしましょう。年収などそれ以外の条件である程度妥協することはやむを得ないです。
未経験でITエンジニアを目指すなら自分にあった職種を選ぼう
未経験でもITエンジニアを目指すことは可能です。IT技術を身につけることで、新しい職業生活と生きがいを同時に得ることも可能です。
ただしITエンジニアにもさまざまな職種があり、それぞれ適性も異なります。
これからIT業界に興味がある方は、ぜひご自分の適性に合った職種を選び、それに向かって準備をするようにしましょう。
未経験からの活躍が見込める企業とのマッチ率をチェック
GeeklyReviewは未経験でも活躍可能な、好条件の企業のリストをご紹介します。
それらの会社のうち、あなたが良いなと感じるところをチェックしてみましょう。何かヒントが見つかるかもしれません。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。