未経験者からプログラマーに転向して、しっかり仕事ができるのでしょうか。結論からいえば、誰でもプログラマーになることができます。
人を雇う企業側にとって、DXなどITを駆使した効率化は今や喫緊の課題となっているからです。
既存のIT人材はもちろん引く手あまたですが、これからIT人材として活躍したいという意志と、相応の資質さえあればだれでも転職やキャリアアップが望めます。
未経験でもプログラマーになれる理由やきついといわれるポイント、それでも人気の秘密ややりがいなどを解説していきます。
プログラマーは未経験でもなれる職業
DX・IT化は経営課題としてどの企業にも重くのしかかっています。プログラマーに期待されるのは、もはやコーディングのみではありません。
しかし、IT技術は専門性が高いと考えられることが多く、既存の人材を活用することも難しいため、近年はDX・IT人材の不足が深刻な状況です。
このため、求人情報などを見ても「未経験歓迎」といった文字が並んでいます。つまり、プログラマーは未経験でも、誰でもなりやすい職業ということです。
ただし、この未経験というのは実務未経験ということなので、ある程度のスキルは身に着けておく必要があります。また、ポートフォリオの提出などを求められることもあるでしょう。
未経験からプログラマーになる門戸は誰にでも開かれていますが、実際に実現するためにはある程度の努力が必要不可欠です。
プログラマーが担当する業務
プログラマーは、本来コンピューターを動かすために様々な言語を用いてプログラムを書き、システムやアプリなどを開発する職種です。
Webサイト制作やスマートフォンアプリだけでなく、家電や自動ブレーキシステムなどにもプログラミングは使われています。
また、データベースの構築やAPIの開発などもプログラマーの領域です。
ECサイトなどを使っていると会員登録などをすることがありますが、これらが保存されるデータベースの作成・メンテナンスを行います。
APIとは、アプリケーション・プログラミング・インタフェースの略です。ニュースアプリなどを使っているとき、SNSでのシェアボタンを見たことがあるかと思います。
本来は別のアプリケーションですが、APIを使用することで連携が取れるようになります。ボタン1つでアプリを行き来するためにAPIは必要不可欠です。
開発したアプリ・システムのテスト・デバックもプログラマーの仕事です。
作成したプログラムがシステムエンジニアの設計通りに動くか・意図しない動作があり得るか・バグはないかなど、テストを繰り返し修正をしていきます。
プログラマーとシステムエンジニア(SE)の違いについても簡単に説明します。システムエンジニアはプログラマーのマネジメントが主体です。
つまり、プログラマーが実際に作業をする際の仕様書作成や、スケジュール管理・予算管理・人員などのリソース調整などです。
システムエンジニアはシステムの機能や要件定義などプロジェクトの初めから最後までを担当することが多いですが、プログラマーは設計完了後、仕様書まで落とし込まれた後に参加します。
プログラマーとして一通りの仕事を覚えたら、システムエンジニアとしてマネジメントを覚えていくというキャリアパスが一般的です。
プログラマーとしてのキャリアは、SEになることだけではありません。様々な仕事内容で、様々なキャリアがあります。
未経験でも活躍できる会社なら、似た境遇の先輩方の話も参考になるでしょう。
プログラマーがきついといわれている理由
プログラマーは3K(「きつい」「帰れない」「給料が安い」)といわれる職業です。その理由について解説していきます。
長時間労働が多い
プログラマーがきついといわれる理由として、「長時間労働」があげられます。
プログラマーはプロジェクト単位で派遣され、クライアント先に常駐することが普通です。このため基本的には常駐先の会社の勤怠時間に合わせて働くことを強制されます。
しかし、あくまでもプロジェクト単位ですので、作業は納期に合わせて実行しなければなりません。
納期に対して進捗が悪ければ、当然、休日を返上してでも作業を進める必要があります。
初心者がプログラマーとして働くにあたり、作業目標が高く設定されていると必然的に労働時間は長くなります。
急なトラブルに対応しなければならない
プログラマーは急なトラブル対応にも応じなければなりません。「急なトラブル」というのは以下の2種類があります。
- 致命的なエラー・バグ・障害が見つかった
- 急な仕様変更を要求された
プログラマーはコーダーとデバッガーが別担当の事があります。例えばモジュールのコーディング後、デバック担当に引き継ぐといったことをします。
この時予期せぬ動きがある・意図した結果を出力できないといった場合に対応が必要です。特に納期が近い場合は緊急で対応する必要があります。
また、モジュール同士の連結を行う際にエラーが出た場合も同様です。複数のモジュールを複数のプログラマーが作成している場合、全員との連携が必要になる場合もあります。
急な仕様変更の要求も日常茶飯事です。DX推進といったことを掲げている企業は少なくありませんが、本質的にITの活用方法を理解している企業はまだまだ少ないのが現状です。
ITに疎い依頼者によっては、仕様変更もコードを1行変えるだけと考えている方もいます。
例え割に合わない仕事でも、契約を結んだ以上は実行しなければならないので、プログラマーはきついといわれているのです。
継続的に学習する必要がある
プログラマーは常に最新技術を学び続けなければなりません。これはWebや組込といった種別関係なく必要です。
技術は日進月歩で変化しています。パソコンのOS「Windows」だけを見ても、35年の歴史の中で14バージョンが存在しています。2〜3年に1回は作業環境がアップデートされる計算です。
プログラマーを取り巻く環境は常に進化しています。「今日覚えたことが明日には古くなっている」と強く意識して最新のトレンドを追いかけなければなりません。
プログラマーの実情を知るなら現場の声を聞こう
プログラマーがきついといわれる原因について紹介してきました。しかし、実情を知るのはやはり今現場にいるプログラマーの人々です。
ここからは、たとえきついといわれてもプログラマーを選んだ先輩方から、プログラマーとしてのやりがいや、向いている人などについて紹介していきます。
プログラマーのやりがい
プログラマーのやりがいについて、先輩方の声をまとめました。項目ごとに解説していくので、プログラマーを目指すべきか否か迷っている方は参考にしてください。
クライアントから評価される
どのようなプロジェクトでも、どれだけ完璧なシステムプランでも、プログラマーがいなければシステムは完成しません。
完成したシステムがクライアントの期待通りに動き、期待以上の成果を上げてくれれば、クライアントからも感謝の言葉をもらえます。
特に常駐してプロジェクトを進めたならクライアントもチームの一員です。
期間が長いほど大変な仕事ではありますが、それだけ達成感もあり、チームからもらえる感謝の言葉も意味が大きくなります。
最先端のプロジェクトに携われる
プログラミングは日進月歩で変化し続ける分野です。常に学習し続けなければならない苦労もありますが、半面新しい刺激に触れ続けられる楽しみもあります。
プロジェクトによっては最新のAI技術と既存の技術の連携や移転の過程で必要なシステムなど、様々な最新技術に触れる機会もあるでしょう。
プログラムが出来上がった時の達成感
プログラムの作成が完了し、デバック・テストも通過できた際の達成感は、プログラマーにとって大きなやりがいです。
携わるプロジェクトが大きく難易度が高いほど、システムがローンチした際の喜びは大きくなります。かかわる人数が多いプロジェクトなら仲間たちと喜びを分かち合うこともできるでしょう。
自分の成長が感じられる
プログラマーにとっての成長はいくつもあります。特に成長がわかりやすいのは、「できなかったことができるようになる」ということです。
今まで書けなかったコードを理解し実践で使えるようになったり、効率よくメンテナンスや修正ができるようにきれいなコードが書けるようになったりと、仕事が早く正確になっていくのを日々実感できます。
年収アップを目指せる
プログラマーは自分の腕一つで年収アップを狙えます。IT人材は常に不足しており、どこの会社も引く手数多です。
できることが一つ一つ増えていき、一定要件のプロジェクトなら一人でこなせるようになったとき、給与の交渉や転職でも有利になるでしょう。
独立してフリーランスとして活躍できれば、案件の単価も自分で決められるようになります。
プログラマーは未経験からでも目指すことができ、やりがいもある職業です。ただし、しっかりと経験を積みやりがいを得るためには、会社選びが必要不可欠です。
未経験でも活躍できる、プログラマーを募集している会社をランキング形式でまとめました。
プログラマーに向いている人
プログラマーに向いている人の特徴を紹介します。自分も当てはまるところがあると思った方はぜひプログラマーを目指してみてはいかがでしょうか。
論理的思考・問題解決ができる
論理的思考・問題解決が得意な方はプログラマーに向いています。プログラマーにとってこれらの能力は不可欠です。
プロジェクトによっては複数のプログラマーが1つのシステムを作成します。
デバッグやテストでエラーが出たら、「なぜ起きたのか」「どこに問題があるのか」に最短でたどり着く必要があります。
集中力・向上心がある
プログラマーは集中力が必要不可欠です。どれだけ丁寧に作ったつもりでも、エラーやバグは必ず発生します。こうしたとき、集中力を切らさず冷静に対処できる必要があります。
また、向上心も重要です。常に最新技術が必要なプログラマーは、案件によらずとも最新の業界動向やプログラミング言語の勉強をできる人でなければなりません。
未経験からプログラマーとして活躍するには
未経験からプログラマーとして活躍するには、勉強とポートフォリオの作成が必要です。
求人情報にある「未経験」というのは、実務未経験ということです。プログラミング言語をまったく知らない状態でも良いということではありません。
また、プログラミング言語を習得する際は、どうなりたい・何をしたいということを明確にしましょう。
例えばWEB系なら、サーバーサイド・フロントサイドといった仕事があり、それぞれ別の技術が必要です。具体的に興味のある分野をリストアップしてリサーチしてみましょう。
プログラマーの仕事はきついがそれ以上にやりがいがある
IT・DX人材は常に不足しています。このため「未経験者歓迎」としている企業も数多く、プログラマーへの門戸は広く開かれています。
しかし、プログラマーは納期と品質を絶対に守らなければなりません。こうしたプレッシャーがきついといわれてしまう所以でもあります。
このプレッシャーに打ち勝ちプロジェクトを完遂させることができたとき、ほかでは味わえない達成感を得られる仕事でもあります。
プログラマーに興味があり、ある程度プログラミング言語がわかる方はポートフォリオを作成しましょう。
まったくの未経験であれば、プログラミングスクールに通うこともおすすめできます。
未経験者が活躍しているIT企業一覧
GeeklyReviewでは未経験からでも活躍できると評判の企業について、実際に働いている方たちの声をチェックできます。
この記事の監修者

ギークリーメディア編集部
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